4月15日。この春改装オープンした国際文化会館で催された、わが敬愛する國弘正雄先生の出版記念会に出席しました。三木武夫元首相の信頼する秘書官・通訳として重要なお仕事をこなされ、「三木邸へ行けば、必ず國弘さんがいる」というほど家族の一員のように接してこられた國弘先生が、このたび<操守ある保守政治家・三木武夫>(たちばな出版)という評伝を上梓されたお祝いの集まりでした。
会場は、お祝いに駆けつけた多くの方でいっぱい。ちょっと見回しただけでも、加藤周一氏(國弘さんいわく「僕にとって現代最高の“知の巨人”」)、筑紫哲也氏(三木さんの秘書官時代からの、長いおつきあいだそうです)、岩見隆夫氏(こちらも昔からのお知り合い)、田中康夫・長野県知事などそうそうたる顔ぶれです。國弘さんといえば、国際ジャーナリスト、同時通訳の神様(アポロ11号の月面着陸中継での同時通訳も有名)、テレビキャスター、「百万人の英語」の先生、かつて社会党“土井ブレーン”のキーマン・・・などなど多くの顔をお持ちですが、私は、父の仕事の関係上、「英語のスペシャリスト」としての先生をまず最初に知ったわけで、あとになって「とんでもなく、すごい方なのだ!」ということがわかって、正直、とてもびっくりしてしまったのでした。
名だたる方々のお話から、その“すごさ”、また、何よりも人間性の素晴らしさが、ひしひしと伝わってきます。みんな、國弘先生が大好きなんです。ある方が、「“操守ある”は、まさに國弘さんにふさわしい言葉だ」とおっしゃいましたが、これは、國弘先生を知るすべての方に共通する思いだろうと思います。先生のなさった名通訳にまつわる逸話もあり、とてもおもしろかったです。70代半ばの現在も超ご多忙、常に世界を見すえ、健舌ご意見番としてますますご活躍の方なのに(いや、「そんな方だから」なのかもしれません)、大変筆まめで、なにかあるとこんな私にまで、さっとお手紙が届きます。このお心遣いと、行動のスピードは、私もなんとか爪の垢を煎じて見習いたいところなのですが・・・まったく足元にも及びません。私の演奏会にも、どうしても無理なとき以外は、たとえアンコールだけしか聴けないような時間になってしまっても、律儀にお足をお運びくださる ――― 私はなんと幸せ者なのだろう・・と思ったと同時に、転じて自分の生き方ははたしてどうだろうか?と自問し、姿勢をただす日ともなりました。
國弘先生については、お伝えしたいことが多くてここではまったく書き足りないのですが、ぜひ、この<操守ある保守政治家・三木武夫>、それから国際文化会館を創られた国際ジャーナリスト・松本重治さんのお話を國弘さんが聞き書きした<昭和史の一証言>(同じく「たちばな出版」より)という本もお読みいただけたらと思います。
先生がこれからもお元気でご活躍くださることを、心よりお祈りしています!
この日はまだ続きがあり・・・夜、外国人記者クラブでライブ、45分を2ステージつとめて帰宅しました。
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