土曜日, 12月 30, 2006

テロール

サダム・フセインの死刑執行の準備が整ったとの報道。

湾岸戦争からここまでの一連の流れ、まったくもって釈然としないです。すべてにおいて魂胆がみえみえ。

にもかかわらず、

疑いもなく旗を振っている“善良な”人たち、彼らはきっと歓喜の声をあげて新年を迎えるのでしょう。
背筋が冷たくなる恐ろしさ。

後味の悪い年越しになりそうです。

金曜日, 12月 29, 2006

最近、子供のころのように空を眺める

大雨のあと、まるで春のような日が続きましたね。そうこうしてる間に今年もあとわずか。今年は余裕で700枚近い年賀状書きを終え、さあ身を入れて大掃除だ!と思ってましたが、結局大晦日まで予定が入り、必要な楽譜やCDを探すのに苦労するピアノ部屋や、とりあえずの物置となってる和室は結局手付かずのまま。う~む。

昨日おとといは、あるホールで他のレコーディングの空き時間を利用させてもらい、CD収録準備のためのリハーサル。ホールの“場”にはそれぞれ個性があって、もちろんピアノにも個性があって、それに自分の音を馴染ませながら一番いい響きを創り出すには、少し時間が必要なのです。特にこのホールはとてもよく響くため、演奏会本番のように気合を入れて弾いてしまうと、録音では飽和してしまう。前回のCD収録でそれがわかったので、今回の試し弾きでは、繊細に繊細に弱音を作っていきながらどう色を出していけるだろうかということに神経を使いました。本録音は楽しみですが、やはりいつも緊張します。

さてこの文化センターでは、昨年春から<黒澤明のすべて>として全作品の連続上映をしてるんですね。知ったときにはもう、「姿三四郎」「酔いどれ天使」「野良犬」「白痴」「羅生門」などなど終わってました。そういえば数年前スペインで「生きる」を見たんだけど、スペイン人たちこのテンポに耐え切れずに1人、また1人と会場を出て行ったっけ。ちなみに次回「七人の侍」、もう完売だそうです。

木曜日, 12月 28, 2006

カザフスタンの場所、わかる?

昨日、カザフスタン人の友人・B氏から数日遅れのクリスマスメールが届きました。
航空運賃がまだとても高かったころ(といってもそんなに昔じゃないですよ!)、アエロフロート・モスクワ経由でヨーロッパに飛んでいたのですが、 あるとき隣り合わせた東洋的風貌の彼(カザフスタンには、金髪青い目の西洋的人種もいるので)となんだか話が合って、モスクワまでしゃべりっぱなし。上から下がってるあの小型テレビに映されるソ連映画を、英語で通訳してくれたりして、退屈しないフライトになったのでした。それからずっと、お友達なのです。
それにしてもMerry Christmasって書いてあるけど、・・・Bさんイスラム教徒なんだよなぁ。

水曜日, 12月 27, 2006

海の向こうから

以前登場したスペイン人ベアちゃんから、葉書が届きました。ボランティアスペイン語講師として参加中の「世界一周船の旅」は、執筆時スエズ運河を航行中とのこと。葉書の写真は ヨルダンの世界遺産、ペトラです。「ペトラを訪ねた!でも最高だったのは、ケニア!これからエジプト、そして・・・」と、字が躍ってます。旅先から便りをもらうって、いいですよね。
フランス、スペイン、スイス、アメリカとほうぼうに住んでいる友人たちからも、この時期続々とクリスマス&新年カードが届きます。メールで済ますことの多い時代、手書きのお便りはとても重みを感じます。

世界は狭くて、やっぱりとっても広いのだ。たとえば今、エチオピアは戦争してるんだけど、日本にいてそういうこと身近に感じられるかってこと。アメリカがからまなければ、ニュースにもならない。コントロールされた電子の海のなかで、さも気持ちよさそうに泳いだとしても・・・そこに“実感”はない。
同じように、ヨーロッパで「日本は中国のおまけ」みたいな認識しかない人が多いことも事実。あちらで見る平面の世界地図はヨーロッパが中心にくるように作られていて、日本は端っこのほうにちょこっ、と中国大陸にくっついてるように見えるから、そんな印象も仕方ないのかもしれませんけれどね。北朝鮮のことなんか、(少なくとも私の滞在中の数年間)スペインの新聞にはほとんど出て来なかったし、したがって拉致問題などもあまり知られていないです。

脱線しましたが。
多くの代えがたい経験をして帰ってくるだろうベアちゃん、それまでのつつがなき旅路を祈っています!

クリスマスのおまけ。


パスカルのおうちでいただいてきたプレゼント。色とりどりのきらきらした紙に包まれた、チョコレートやゼリーです。 この紙が、フリンジが入ったりしてなかなか凝ってます。

昔フランスの子供たちは中身を食べたあと、この包み紙を次の年のクリスマスまで大事にとっておいて、いくつも長くつなげてツリーなどに飾るのが楽しみだったんですって。

素晴らしいリサイクル、エコライフではありませんか?

月曜日, 12月 25, 2006

イヴは素敵な仲間たちと・・

24日、まずは荻窪のホール&ギャラりー主催のクリスマスパーティー。ご近所の方々と、今年このホールやギャラリーにゆかりのあった方を中心とした、 アットホームな会となりました。(なにやら秘密の相談?の写真は、近所にお住まいでグラシア会員でもあるSさんが、いつの間にやら撮影)
一人一品持ち寄ったお料理がたくさんテーブルに並んで、とても豪華!私は、以前この日記でもご紹介した、アロスコンレッチェを作っていきましたが、お米3合と多めに使ったら、お砂糖の分量が控えめになってしまい(何しろ分量なんて適当ですから・・・)、あまり甘くなくてちょっとがっかり。あっさりしていて、日本人のお口には許容範囲だったようでほっとしましたが、スペイン人だったらその場で「砂糖ちょうだい!」って言われそう。赤ワインで酔った勢いでピアノに座り、数曲を演奏。続いて「クリスマスソング!」「ビートルズの“イエスタデイ”!」ととんでくるリクエストにお応えしているうちに、おいとましなければならない時間になりました。あとからいらした方々で会も盛り上がってきた頃で名残惜しかったですが、次の約束へ移動です。

電車を乗り継ぎ、最近我が家の近く(といっても徒歩で50分の所ですが)に越してきたフランス人のカリスマ歌手・パスカルさんのお宅へ。中へ入ると、音楽をかけ陽気に踊りながら料理をするパスカルさんが、にんにくや香草のとってもいい匂いとともに迎えてくれました。奥様の美人3姉妹、そしてお友達2人はもうテーブルで待っていらして、そのままお食事になだれ込み。さすがはクリスマスイヴ、一日ノンストップで食べ続けているなぁ。「今日は横浜で仕事だったから、帰ってきて2時間でこれ全部作ったよ!」「えっ2時間で?すごいね~!」「うん、すごいよほんとに」お料理の腕はもうプロ級、本場フランスの味です。エスカルゴやカエル、魚介のサラダに若鶏(雄)の丸煮・・・目に華やか、舌に繊細なフレンチの饗宴に、もうくらくらしながらいただきました。日本のフランス料理レストランでフルコースをいただいたあとなど、あまりに少なすぎて帰り道にちょっと哀しい思いでラーメンを食べなければいけないほどの私ですが、今日はなんてったって本当のフランス流!逆の心配をしなければならないかも。(フランスでレストランに入って普通にフルコースを頼んだら、ホント食べきれませんよ!)フォワグラのパテをパンにぬって、ちょっとだけレモンを絞ると美味しいよ、とも教えてもらいました。

「料理はねぇ、僕にとっては生きている証だな。自分のつくったものをおなかに入れてくれるというのは、信用してるってことでしょ。そのうえ美味しいって喜んでもらえてちょっとハッピーになってくれたら、それは僕にとってもすごく幸せなこと!」

11時をまわり「そろそろ帰ろうかな?」というと、「なんで!?泊っていけばいいじゃん、近いんだから」「でも・・いろいろやることがあるしさ・・・」「お前もニホンジンだなぁやっぱり!ダメだな~もう!」そう言われて「・・・わかったよ~じゃあ泊りますよぉ」と観念。いい具合に酔っていたパスカルさん、3時ごろまで上機嫌でした。翌朝、眠い身体を無理やり起こして、これまた眠そうな奥様に見送られて帰宅。
本当にご馳走様でした!(場をさらになごませてくれた、ミニダックスフントのタッフィーちゃん。)

土曜日, 12月 23, 2006

5時間で得たことは、ラーメン1杯の食。


今日、磯野鉄雄さんのギターリサイタルに出かけたのですが・・・乗った西武線が途中で人身事故で止まり・・・1時間20分動けず・・・結局ホールまではたどり着けず、池袋でらーめん食べてまた家に戻りました。うぐぐぐ。年末は、毎日どこかで人身事故。なんともいえない。
行きがけ、道で撮った、夕暮れ空の写真。ぼやけてしまったのがまたいいな。この川沿いの道は、いつの季節も好きな場所です。

ブラスに酔った夜

今日は快晴!久しぶりにほぼ開始時間に間に合い、今年最後の太極拳を2時間半。といっても、練功、八段錦、24式、48式、扇とやっていたら2時間半なんてもう、あっ!という間。 集中しながらもリラックスしていたら昨日の気持ち悪さも和らぎ、おなかもしっかり空いてきました*

というのは昨日、横浜でのコンサートからの帰り、とにかく気持ちが悪くて・・・途中で何回も電車を降りながら、やっとのことで家にたどり着いたんでした。出かける前からめまいの兆候があり、コンサートのアンコールでの大音響を聴いたあとは自分の意思に反してぐらり!と身体がまわってしまい、近くの方にぶつかったりしていたんですが、そのあと電車に揺られたことでさらに三半規管がやられたようです。そのうえ、10時間も何も口にしていなかったことが拍車をかけたらしい。証拠に、12時過ぎに家に着いてから「気持ち悪~い」と言いながらもたくさん食べたら、少しおさまりましたもの。(夜中1時ごろにまだパクパク食べてるなんて、まるでスペインの夏みたい。)私は数時間ごとに何か食べていないとホントふらふらになる、燃費の悪い人間で・・・世の中に食べる物がなくなったら、きっと真っ先に飢え死にするタイプです。

さてそんなことより、昨晩のコンサートは・・・佐渡裕さん指揮のシエナ・ウィンド・オーケストラだったのでした。
とにかくブラスは、熱い!楽しい!迫力!!チケットは完売、佐渡さんがステージでお話なさった(佐渡さんの振る演奏会はトークも楽しみなんですよね)情報によれば、ヤフオクでチケット1枚2万円の値がついたとか。プログラム曲目も、2回の休憩をはさんでなんと3部までありながら、もちろん飽きさせないし、それぞれにう~んと聴かせる構成。

A.ゴープのメトロポリスというジャジーな曲は、とてもかっこよかった。第2部の幕開けは、ベニーグッドマン。ステージの向こう側の席に陣どった、ブラスをやっている中学生らしき子供たちも、もうノリノリでスウィングしているのでありました。会場がノッてきたところで、佐渡さん客席を全員立たせます。マンボのステップ、掛け声(っていうのかなぁ)、決めポーズなどを練習したところで、突然、佐渡さんとオケのメンバー一斉にマンボ衣装を!そして、全員参加の「マンボNo.5」で大いに盛り上がったのでした。来年春に発売されるこの日のライヴ収録DVDには、マンボを踊る私も映りこんでるかも?!

ほぐれたところで、第3部<ショスタコーヴィチ生誕100周年>で引き締めるというのがまた、粋。ハワイアンギターやバンジョーが入る面白い編成の、ジャズには聴こえない「ジャズ組曲」や、「二人でお茶を」のショスタコアレンジ(こんなものがあったんですね)の、そのまたブラスアレンジ、そして最後は交響曲第5番<革命>の第4楽章。

アンコールの最後は、恒例「星条旗よ永遠なれ」の会場も参加しての演奏。楽器を持ってきた人は、ステージに上がって(もちろん客席でもよし)、この曲を一緒に演奏できるんです。年々増えているらしくてもうステージには上がりきれず、その数、ほとんど客席より多いんじゃないかと思うほど。この日のために練習してくるんだろうなぁ、子供も学生も社会人も、譜面などもちろんなしで、自分のパートをバッチリ完璧に吹いてる。ギター持って弾いてる人もいました。すごく盛り上がったけど、その大音響のおかげで、前述のめまいにつながるんでした。

一緒に聴きに行った榊原麻理子ちゃんと一緒に、佐渡さんを楽屋訪問。いつもながら、笑顔で丁寧に応対してくださいました。ありがとうございました!また、楽しみにしています。

金曜日, 12月 22, 2006

ニ度寝の功罪?

今朝は早くから頭がさえ、5時半ごろには「もう起きたい!」と思ったのですが、演奏会のないこういう時期にしか十分に眠れないんだから、という欲がもたげてきて、とりあえず目を閉じてみることに。
しかし案の定、小刻みにリアルな夢を見ては目が覚めの繰り返し・・・疲れ果てた挙句、ときはすでに9時になっていたのでした。何番目かに見た美輪明宏さんの出てきた夢も、すご~くリアルでしたね。ビビッドなお洋服の色の組み合わせがとても美しくて、まわりには人間ではないようなオーラが・・・直接会話もして、本当に美輪さんに会ったと思ってしまった。

夢でぐったりな身体を起こすべく、真っ黒くろに濃~い(これはいつものことだけど)コーヒーを入れて、昨日まいちゃん親子がおみやげに持たせてくださったケーキと一緒に、朝ごはん。
まいちゃんのお母様が、忙しい一日のお仕事の合い間合い間につくってくださったケーキ、オーブンで焼いている途中には「わ~っスポンジがふくらまない!」生クリームを泡立ててから「あッお砂糖入れるの忘れたっ!」ともう、大失敗作だ・・と大いに落ち込んでいらっしゃいましたが、なにはともあれ、まいちゃんがイチゴとリンゴ、チョコクリームやミックスチョコなどでデコーレーションして仕上げてくれました。で、いただいてみると・・・いえいえどうして、本来出来上がるべきだった姿からすると失敗だったのかもしれないけど、味は素朴で美味しかったです!甘くない生クリームも、私にはちょうどいいくらいでしたよ。


実は子供のころは甘いものがまったくダメだった私、今は亡きおじいちゃんが、私の誕生日にはいつも生クリームとイチゴのデコレーションケーキをプレゼントしてくれていたのですが、私は生クリームをきれいに全部とってから、スポンジとイチゴのみを食べていたんでした。お饅頭も最中も、あんこは抜かして皮だけ。ソフトクリームもコーンの部分だけ。もったいな~い!お菓子に対して、いやお菓子職人さんに対して失礼千万でしたな。

このケーキとコーヒーでエネルギーが速攻充填され、身体も頭もすっきり!さぁこれからピアノと年賀状、そして夜は、横浜までコンサートに行きます。

ご馳走とお酒の日々

昨日の夜は、来年の春一緒にコンサートをするうら若き女性演奏家お2人(ヴァイオリンとクラリネット)と、小さいコンサート企画を数多くなさっているS氏と「顔合わせ」と称してお茶・・・のつもりが、結局飲み会になりました。

池袋の通りからちょっと入ったところにある、小さい沖縄料理のお店。Sさんのいきつけで、なかなかよろしゅうございました。もちろん私は、コップになみなみの焼酎に少々の氷、シークワーサーエキスを混ぜながら。お食事もがんがんいただいてしまいましたが、豆腐系、もずく、おから、野菜、と実に健康的な沖縄料理、おなかにも優しく、もたれたりする心配もありません。沖縄といえばはずせない「らふてー」も美味しかった。

途中、Sさんの後ろに座っていた男性が「ちょっと!気をつけてよ、肘!ぶつかってるんだよ」。背もたれがなく奥行きも浅い椅子同士がぴったりくっつきあっているんだから、多少は仕方がないと思うし、言うにしてももうちょっと言い方があるでしょう~という感じ。謝ったSさん、しばらくしてまたその男性の背中に肘がぶつかってしまい、「あっごめんなさい、またぶつかっちゃったっ」と言って肩をすくめた姿が、とてもお茶目でしたよ。帰りの駅構内では、若い女性が前から来た男性をよけきれず「ちっ!」と舌打ちしていました。気持ちがスサんでるのね~、みんな。とげとげしているのは自己防衛なのかしら?・・・

今日の夜は、私の小さいピアノの生徒さん、まいちゃんのおうちにお呼ばれ。これまたたくさんの(健康的な)ご馳走をいただき、日本酒を飲んで、おみやまでいただいて、ひゃ~と言いながら帰ってきました。そのあと、さっきまでピアノにむかってました。お酒が入って、少し醒めたあたりで弾くモーツァルトは、楽しい。

木曜日, 12月 21, 2006

タイトル戻しました(涙)

ブログのタイトル、元に戻しました。
何人かの方から、「ブログが真っ白!」とのご連絡をいただき、 調べたところ、エクスプローラで見てくださってると何も表示されなくなっていたようです。私はFirefoxを使ってるので何の問題もなかったのですが・・・エクスプローラだと何故おかしくなるのか、よくわかりません。ともかく、手っ取り早いのはタイトルをスペイン語に戻すことだったので、またこうなりました。
そろそろ他に引っ越したほうがいいのかな?それとも、今みたいにひっそりめにつぶやいているほうがいいかな。

水曜日, 12月 20, 2006

ひこうき雲

レコーディングのお仕事へ行きました。NHKではないので、一体なんの録音だろうナと思いながらスタジオへ入ると、ダ・カーポさんが。最近、よくお会いするなぁ。お2人はいつでも本当に素敵です。
この現場で、ヴァイオリニストの加藤えりなちゃんとほぼ10年ぶりに偶然の再会。オランダで出会って以来で、私のほうは最初気がつかなくて、ごめんなさい。

このスタジオのすぐそばに、狭い坂道の上から東京タワーが思いがけず大きく臨めるスポットがあり、ひそかに気に入っています。ひさしぶりに来た今回もその場所を確認し、赤羽橋あたりから神谷町に出て、日比谷と池袋で用事を済ませて帰宅。

今日も飽きずにながめていた空は、飛行機雲が似合っていました。うすピンク色のもやがかかったキャンバスに、思い思いに描かれた何本もの飛行機雲。
駅から自転車で帰る途中、青信号の横断歩道の手前で突然止まり、この日見た最後のひと描きを写メした、ちょっと迷惑な私でした。

思い出した、ユーミンの「ひこうき雲」・・・かなしいけど、好きな歌だったな。

火曜日, 12月 19, 2006

街にいながら

都心で写真撮影のため、電車に乗ってぼんやりしていた昨日の夕方。
そうそう、ここから富士山が見えるんだ。そう思って遠くに目をやると、蒼い稜線の向こうで、橙いろに燃える球がまさに最後の耀きを放っているところでした。筋になって長くのびた光線は刻々と姿を変えていき、小さくちぎれた形の雲は下から照らされて、鮮やかな桃色に染まっています・・・私だけが気づいているらしいその美しさといったら。なんだか私は、まるで恋をしてしまった瞬間のように動悸がしてきました。

ヒマラヤに行きたい。またふと、そう思いました。周りにはヒマラヤに行った人が何人もいて、「すごいよ。きっと音楽が変わるよ。」と口々に言う。音楽なんて、傷ついたり、恋をしたり、失ったり、乗り越えたり、そんなことでどんどん変わってしまう。それはやっぱり、こころから出てくるものだからね。と、私は思ってる。でも、そんなことも超越した圧倒的な自然と対峙したとき、いったいどんなことがおきるんだろう。とも。

池袋に着くころには、すでに空に光はなく、もとより見上げる空もなく。
キリスト生誕とは関係のなさそうなクリスマスに浮かれる人の波に流されないように・・・インプットした目的地まで、もう前を見るしかないのでした。

日曜日, 12月 17, 2006

タイトル変えました。

ブログタイトルを変えました*慣れるまで、きっとちょっとドキドキです。どうぞよろしくお願いします。でももしかして、また気が変わるかも。
最初、Compás de espera(音楽で、休止の小節のこと)という名前をブログにつけたのは、実はリンクで入ってきてくれるスペイン語圏の方向けにスペイン語でも書こう、と思っていたからなんですが、結局そんな時間はとれないでいるし、日本の読者の皆さまには訳のわからないタイトルだったので。

さて今日は午後の予定がキャンセルになって、明日の通訳のお仕事もキャンセルになって、ぽかっとなりました。でもかわりに、1月のレコーディング準備が年末に早まったりしているので、これからピアノと戯れることにします。

土曜日, 12月 16, 2006

ポップスター?


15日、東中野にあるラテンアメリカ(&スペイン)文化センター「インパクト・ラティーノ」でのMickoライヴに、バンドメンバーとして参加しました。 ポップスバンドでピアノを弾くっていうのは初めての経験でしたが、たまには単純に楽しめますね。Mickoのオリジナルナンバーだったけど、耳で覚えてもう知ってる曲ばかりだから、構成さえ把握してれば練習もいらないのね。はじめから楽譜がないっていうのは、クラシックのプレイヤーからするととても新鮮な世界。「ここ4小節、なんかソロやっといて」とか。で、本番でなんかやる。
ギター片手に東京砂漠を移動していた私は、「楽器持つってかっこい~い!」と悦に入ってました。
というわけで、真夜中の駅にてパチリ。なんだかすごく安定のいい足位置になっちゃってました・・・

金曜日, 12月 15, 2006

塩ちゃんこで・・・

いけないいけない。毎日ブログを更新しよう!と誓ったのもつかの間、、、え~、言い訳はナシにして、14日夜の不思議な忘年会のことでも書きましょう。

小雨の降る寒い夜、「アーティスト忘年会開催」との連絡メールに誘われ、両国の塩ちゃんこ「巴潟」へ。メンバーは男女4人ずつですが、前から存じあげているのは、ミュージックセラピストの坊先生と映画監督出馬さんのみ。「まるで合コン・・?」意味不明の半笑いで会場へ向かった私です。
集まった面々は、ギタリスト&プログラマー・高橋さん、建築家・長田さん、映画監督・植田さん、モデル・裕子ちゃん、心理療法士・温古さん。会話から察するに、この5人に加えて坊先生、出馬さん、私・・・と、ほぼ全員が肩書きの前に「異端」とつけられるとにらみました。やはり“類友”なのでしょうか。

出馬さん(通称Izmax)が絶賛するとおり、塩ちゃんこ美味しい!ほろっととけていくつみれ、最高です。最後にいただいたおじやもよかった。そうそう、芋焼酎をロックで飲んでいて気づいたことが。焼酎を飲んでいると、私はどうも酔いがさめていくようなのだ。ほんのちょっとの乾杯ビールだけでほんのりふんわかしていた顔もアタマも、焼酎がすすむとともにスッキリ明晰になっていき・・・あれっ?飲み足りない・・・という感じでお開き時間がきてしまいました。そういえば先日も、芋焼酎ウコン茶割でどんどん酔いがさめていったっけ。それがどういうことなのかわかりませんが、とにかく私は蒸留酒と相性がいいらしい。そう、ビールやワインよりもウィスキー、焼酎、バーボン、テキーラetc.でございます。

出馬さん「この面子これでもう一生会わないか、また何かで会うことになるか、どっちかだな~!ハハハ!」と豪快に笑ってましたが、そりゃあ、どっちかでしょう。それぞれ創造的で魅力あるお仕事を持たれている皆さん、とっても楽しい時間を過ごさせていただきました。“楽しい”だけでなく実のある会話って、後味がいいんですよね。またお会いしたいものです。(カメラ持ってってたのに、また写真撮り損ねました)

アニヴェルセルでのコンサート

12日、お洒落スポット・アニヴェルセル表参道に、フルートの榊原麻理子さんとギターの松尾俊介君のコンサートを聴きに行きました。
奥にあるチャペルで麻理子さんがトークを交えて贈る<アニヴェルセル・シリーズ>第2回目の今回のテーマは、「リヴァプールから」。このチャペルのステンドグラスや椅子は、リヴァプールの教会からそのまま持ってきたものだそうですが、その教会で開かれていた音楽祭で、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが初めて出会ったのだとか。そんなわけでイエスタデイやハッピークリスマスなどおなじみのナンバーのほか、ポール・マッカートニー作曲によるオラトリオから、ボーイソプラノの素敵な歌をフルートとギターにアレンジしたものなど、興味深い曲目も。
このチャペルは、よく言う“お風呂場状態”のような響き過ぎということもなく、マイクなしでもすべて最後列まで届くという理想的な響きで、正直びっくりしました。いらしていた俳優&ケーナ奏者の田中健さん(麻理子さんのご両親とは、デビューが1年違いだったそうです)も、打ち上げにて「うらやましい~」を連発。
休憩なしで1時間ほどのコンサート、すっきりしていてこういうのもいいなと思いました。次回も楽しみに伺いますね!あっ、表参道のイルミネーションを写真に撮るのを忘れた・・・

日曜日, 12月 10, 2006

パーティーシーズンの始まり

そろそろ忘年会のシーズンですね。私も、これからクリスマスあたりまでは連日、いろいろな会への出席が続きます。
土曜は門前仲町の作家・Yさん宅で、Aクラブの忘年会。私は初参加でしたが、楽しくお話させていただきました。ちなみにこの日のおともは芋焼酎・ウコン茶割り。

今日は、お友達の結婚パーティーでした。しか~しスペイン人と一緒だと、定時に到着するのは至難の業。(とひとくくりにはできないですね、時間にルーズなのはごく一部のスペイン人です、と訂正しておきましょう・・・)余裕を持って30分前に着こうと思った私の思惑は見事に裏切られ、出るときにいろいろありまして、バスも遅れたりして、結局15分も遅刻で代官山の会場に到着。皆さんはもうお食事を始めていて、あぁぁ、見渡せば新郎新婦に近い前列の席が2つ空いている・・・本当に恥ずかしい。列席者は、ほとんどが新郎新婦とほぼ同世代の若い方々でしたが、外務省や法務省というお役所の方々も多く、きっと予定時間ぴったりに始まったはずと思いながら、それよりもお2人に失礼なことをしてしまった、と小さくなって席に着いたのでした。

第1部で演奏なさった新郎のご友人ギタリストの方が、なんと、当日記にも数日前に登場したマンドリン奏者の遠藤さんのお知り合いということがわかり、びっくり!音楽の世界は、どこかですぐつながってしまうんですね。私も、お祝いに2曲弾かせていただきました。本当におめでとうございました!末永く、お幸せに。
左:お2人にいただいたかわいいお花です。

金曜日, 12月 08, 2006

幻想・太田黒公園


昨日、荻窪にあるピアノサロン&ギャラリーオーナーのKさんのお誘いで、太田黒公園へ行きました。お隣に住まれているTさんご夫妻もご一緒に、寒さ対策のため頭からつま先まで完全防備の姿で出発。

まだあまり大々的に広まっていないこの公園の紅葉、地元の方たちだけが訪れる静かな雰囲気のなか、ライトアップされてとても素敵です。すべて真っ赤に染まっているのではなく、緑もかなり残っているのがまたいい感じ。
ここは、音楽評論家の太田黒元雄氏の邸宅跡の一部をできるかぎり原型を残しながら整備したという日本庭園。以前、氏の書斎だったところに置いてある100年前のスタインウェイを使った演奏会を聴きに来たことがありましたが、そのときは昼間だったし、お庭のほうにもあまり注意を払っていなかったので、今回はまるで初めて訪れたように新鮮。少しずつ葉の色づき方が変わり、紅葉する樹も移っていくのにあわせて、ライトの当て方も毎日研究されているとのことでした。

素晴らしかったのは、池の水面に移る情景。お掃除が徹底されているのでしょう、葉っぱひとつ落ちていない水にくっきりと木々が映りこんで・・・まるでこちらが地のなかにいて、空に足を向けて外の世界をのぞいているような感覚になるのです。その景色があまりにもリアルなので、見ているうちに自分がどこにいるのかわからなくなって、何度か吸い込まれそうになりました。
ときどき東屋や書斎の縁側に座って、しばし木々を眺めながらおしゃべり。ゆっくり1周したらほどよい時間になっていました。帰り道のカフェで、この日5杯目となるコーヒー(カプチーノにしました)をいただき、豊かな気持ちで家に帰りました。
太田黒公園、あまり多くの人で賑わってほしくないとも思いますが、おすすめの穴場ですよ。今年の紅葉ライトアップは10日(日)まで、夜8時まで開いています。

木曜日, 12月 07, 2006

天からの響き・マンドリン

昨夜は、マンドリン奏者・遠藤隆己さんのコンサートへ。遠藤さんは今年、偶然私の演奏会(グラシアサロンコンサート)にいらしてくださり、実はお互い同じ敷地内に住んでいるということがわかってとても驚いた、というおもしろい出会いをした方です。その後聴かせていただいたCD(3枚出されています)がとても素晴らしく、ぜひ生の演奏も聴きたい!と思っていたので、とても楽しみに伺いました。久しぶりのルーテル市ヶ谷、オルガンもあるステージには、大きいけれどシックなクリスマスツリーがあり、演奏会前の素敵な雰囲気をつくっていました。

さて、私はマンドリンソロの演奏に接するのは初めてだったのですが、とても楽しませていただきました。チェチェーレ、ヴィヴァルディとイタリアバロック期の聴き応えある作品が続いたあとに演奏された、C.ムニエルという作曲家の「マンドリンのための狂想的練習曲」(op.17。この日は12曲中6曲を演奏)は、特に新鮮でした。遠藤さんによると、日本であまり弾かれる機会はないけれど、ピアノならショパンのエチュードやリストの超絶技巧、ヴァイオリンならパガニーニのカプリスのような位置にある重要な曲だそう。確かに、超絶技巧が高度な音楽表現につながっていて、マンドリンソロ曲としての存在感を強く残すものでした。シベリウスの3つの小品op.81も、小品ながら説得力がありとても印象的。
後半のプログラムはスペインもの中心で、まずピアノの井出さんがモンポウを演奏、そのあとまたデュオとなり、メキシコ、スペインの親しみやすい曲が続きました。アンコールでのモンポウ「あなたのうえにはただ花ばかり」は心に響きました・・・美しくせつない、私も好きな歌曲です。(作曲家プーランクはこの曲を初めて聴いたとき、感動のあまり3回続けて演奏を求めたそうです。)

マンドリンの音がこんなに美しくて、表現の幅もあるということに驚き、私のなかの形のない「音楽の宝箱」にまたひとつ新しい響きが加わった、幸せな夜となりました。

火曜日, 12月 05, 2006

ディズニーランド

昨日は、妹とディズニーランドへ。朝10時前到着、すでに小さいお子さんを連れた若いご夫婦やママ仲間でにぎわっています。しかし歳のせいなのか、もともと人形などに興味を持ったことがないからか(お人形遊びするよりミニカーや列車模型、超合金のほうが好きだった)、特にワクワク感もない自分にちょっとびっくり。ときどき出くわすディズニーキャラクターの着ぐるみさんたちよりも、似たものカップルや親子、いきがりたい中学生など、人間のほうに興味がいってしまいました。

さて時間の制約もないので気楽な私たちは、園内マップなども持たず、30分待ちくらいのアトラクションからサラサラと入りました。初めて入った「カリブの海賊」は結構よかった。一番好きなのは、ビッグサンダーマウンテン。その勢いでスプラッシュマウンテンも行きたかったけど、妹を2回はだませなかったので断念しました。そう、妹はジェットコースター嫌いなのです。その昔、スペースマウンテンができたころに乗って、妹は降りてから歩けずに泣き笑いしていた(ほんとに泣きながら笑ってた)ということがあり、それ以来絶対拒否なのです。
混んでいたわりに結構いろいろ入って、3時ごろにはもう「出ようか」という感じになりました。帰る前に、これも初めての「ぷーさんのハニーハント(だったかしら)」に1時間並んでみて、やっと入ったら・・・これがまた私の大の苦手なタイプのアトラクション。回ったり後ろへ行ったりという不規則な動きに三半規管が翻弄されて、とても恐ろしかったです(プーさんなのに・・・)。ほとんどずっと目をつぶりっぱなしで、なんだか、しょぼ~んというシメになってしまいました。

私ってディズニーランドを楽しめなくなってしまったのか、とちょっとショックです。あくまでも私の感覚なので、ディズニーランドフリークの方ほんとごめんなさい。昼間だったからかもしれない・・・と自分をなぐさめつつ、とりあえず撮ったシンデレラ城の写真です。

月曜日, 12月 04, 2006

カエルさん

最近、カエルの夢をよく見るような気がするんです。しかもおっきいの。その姿に気づいたときには、びたん、びたんという音をさせながらいつも私から遠ざかっていってしまうんです。そして私は「あぁぁ待って~」と。現実か夢かときどき自信がなくなる私、本当に起きたと思いこんでいることが実は夢で見たことだったりしまして、このカエルもリアルな記憶として残像を持ってたのですが・・・よく考えてみると普段の生活にはないシチェーション。確かに幼少の頃、かわいいアマガエルを手に乗せて遊んだりしてましたが。
このカエルはなに?

土曜日, 12月 02, 2006

こんな日もありますね


今日はちょっと落ち込みモードただよってます。

朝6時に起き家事をすませ、7時15分に家を出て早歩きで皮膚科へ。通り道のわきの畑が、一面霜で覆われていました(左の写真)。7時40分に着いたにも関わらず(8時半診療開始)、もう多くの人が階段に並んでドアが開くのを待っていて、取れた順番は10番よりあとでした。 経過は順調、飲み薬もビタミンB12にかわって帰宅。すぐに着替えて太極拳へ。後半の扇の練習だけ参加です。
新しいところはなんとか覚えたのですが、夏祭りに間に合わせるため休んだ分を短期間でつめこんだところは、やはり身体に入っていなくてあやふやでした。今日は「尾てい骨をなかに入れる!」という指摘をされましたが、背中をそらさずおなかも出さず、普段意識していない尾てい骨なるものを自分の意志で動かすという難しさを実感。
さらに私は、フラメンコの影響で胸をはりすぎてしまうくせが出てきて、それを修正。フラメンコでは肩甲骨をつけるように肩をうしろへやるような姿勢をつくりますが、太極拳ではそれはNG。とにかく身体を「丸く」使っていくのです。そして“気”は先までとおっていなくてはならない。先生も徐々に指摘が深く厳しくなってきて、奥の深さを実感しています。

う~んとうなりながら家に戻り、お昼を食べてちょっとかたづけて、出かける準備。毎週のことですが走ってバス停へ。1時間20分後にスタジオに着き、フラメンコ開始。今日はめずらしくサパテアードの練習をじっくり、ほとんど1時間を費やしました。ここへきて私のサパテアードがまったくなっていないということがハッキリし、落ち込みます。クラスのみんなのフラメンコ歴は私より断然長く、今までほとんどクラスでのサパテアード練習を経験していない私との差があるのは当然とはわかっていても、一人ずつやらされるときに露呈する不器用そうな音やリズムがもどかしく感じられます。でも考えてみれば、練習をしないでいきなりレッスンだけでで上達していこうったってそうはいきませんよね。なにごとも、継続して練習を重ねないかぎり進歩はない・・・と痛感しました。おまけに覚えたてのアレグリアスでアタマがいっぱいになってしまったのか、入っていたはずのブレリアがとっちらかり、さらに落ち込み。

は~と肩を落としながら新宿へ行き、用事を済ませて帰宅。まぁ少なくとも晩ご飯は美味しかったな、という一日でした。
おっと、今日という日はまだ終わっていない。これからピアノにむかいます。。。

金曜日, 12月 01, 2006

身体は正直。

突然ですが、今週は帯状疱疹で始まりました。というか、すでに1週間ほど前からわずらっていたようなのですが、帯状疱疹はストレスがきっかけで発症するやっかいな病気だと思っていたもので、まさか元気な自分がなっているとは思いもよらず・・・神経痛のような痛みに「すごい毒虫にさされたんだ!」と思い込んで皮膚科に行ったら・・・症状を見るなり上記の診断が。やはり免疫力が落ちていたんですね~。何日もほうっておいたにもかかわらず、幸い軽くてすんだので、生活にまったく支障はなくほっとしています。

今日は、東京音楽大学で行われた国際モーツァルトシンポジウムに行ってきました。朝10時からお昼をはさんで6時までの長丁場。第1部は「モーツァルト療法の虚と実」というテーマ、ミュージックセラピストの坊啓子先生とともに、階段教室で拝聴しました。正直に申しますと、期待していたものとは少々違いました。興味深いお話もありましたが、演奏家の立場からみた全体の印象としては、もう少し「モーツァルトの音楽」そのものにスポットを当てていただきたかったなと感じました。せっかく海老沢先生が興味深いテーマを提示されたのに、あとの流れは、モーツァルトの話はどこに?といった感じでしたので。第2部も、シンポジウムというよりは学会の発表のよう・・・(ん?シンポジウムってそういうものなんでしたっけ?先日のボルヘスのシンポジウムは結構面白かったけどなぁ)音楽そのものの本質にせまる討論が聞けるものと思っていたほうが見当違いだったのかもしれませんが。失礼ながら4時で退室。坊先生とは久しぶりにゆっくりいろいろなお話ができて楽しかったです。

今日からもう12月。街のイルミネーションが華やかになってきました。きれいでロマンティックだけど、私個人的には、ネオンや看板や吊り広告のないところで目を休めたいなぁ。そうだ、久しぶりにお寺で座禅かな。

火曜日, 11月 28, 2006

お米のデザート


アロス・コン・レッチェというデザートを知っていますか?スペイン語で「米と牛乳」という、訳してしまうと「そのまんまやん!」とツッコミが入りそうな名前なんですが・・・当ブログ日記にも登場したミゲル君が、スペインへ帰国する前に作り方を教えていってくれました。
スペイン滞在中、私はこれが大好きになってはまっていたのですが、初めて食べたのはベルギーのアントワープにて。(夏季音楽講習のはざまの1週間ほどホームステイさせてもらったあるベルギー人指揮者のお宅で、奥様が作ってくださったのでした。)スペインでは一般的なデザートで、ヨーグルトとかプリンのような感じで市販もされているのですが、やはりレストランで食べる「自家製アロスコンレッチェ」が最高でした。
家で作るのは面倒くさいのかなぁ、となんとなく思っていたのですが、実際に教わったらそんなことなし。お米と牛乳、砂糖、シナモンとレモンの皮があればOK。当のミゲル君のアロスコンレッチェは、日本のお米では分量がうまく合わなかったらしく、ちょっと失敗って感じだったけど、そのあと私も作ってみたら(私のことだから分量の加減は勘で)、美味しくできました!デザートというものをほとんど作ったことがない私はかなり感動しました。お友達にも少量ずつ食べてもらって、さらにハッピーな気持ちになりました*

月曜日, 11月 27, 2006

先週のいろいろ

1週間なんてあっという間!ブログってホントは毎日書くものなんでしょうけど、なんとも不定期ですみません。それでもおつきあいくださっている皆さま、本当にありがとうございます!

先週起きたことをかいつまんでみますと・・・まずNHK土曜ドラマ「スロースタート」の音楽収録。10年以上通っているNHKのスタジオは、リラックスしたムードで演奏することができ、録音もスムーズかつ気持ちよく進んでいきます。 そして火曜日は秋の恒例イベント・「日展」へ。いいお天気だったのでお弁当をつくっていき、公園の木の下でお昼。そのあと会場を全てまわりました。
水曜日は大学へ出講、祭日だった23日はサントリー大ホールで行われた<天正少年使節と音楽の旅>の演奏会でした。この日、私はサントリーホールのオルガンの響きを初めて耳にしたのでした(オルガニストは徳岡めぐみさん)。皆川達夫先生と鈴木雅明先生のお話は興味深く、またバッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏も素晴らしかったです。進行役をなさっていた俳優さんの特徴あるお声を聴いてびっくり!先月博品館劇場で観た、二ールサイモンの喜劇<ルーマーズ>(黒柳徹子さん座長公演)に出演なさっていた大森博史さんでした。

土曜はフラメンコクラスでいつものように汗を流したあと、恵比寿の「アートカフェ」で久しぶりに<深町純ピアノパーティー>。本番がひと区切りし、何にも追われていない状態の今、真っ白な状態で音楽に身をゆだねられたとともに、深町さんの天才にまたまたノックアウトされてしまい・・・ウィスキーをロックでいただきながら、しびれる秋の一夜を過ごしたのでした。それから、ゲストでいらした金亜軍さんの楊琴という楽器、とっても綺麗な音で、深町さんとの即興演奏もまた素晴らしかった!(15日に金さんのコンサートがあるそうですので、ご興味ある方は是非調べてみてください*)この楊琴、400年くらいの歴史を持つ楽器で、もともとは西洋から来たとのこと(チターとか)。あの女子十二楽坊にも入っているそうですが、普通は伴奏というか、メロディを支える役割が多いそう。それを金さんは、ソロ楽器としてパフォーマンスするのです。15日は、あいにく私もライヴ本番が入っていて伺えないのが残念!

火曜日, 11月 21, 2006

理想的なメセナ体験

昨日は、浅草・吾妻橋にあるアサヒビールの本部ビルロビーでのコンサートに行ってきました。先日、早稲田大学のキャンパスで4時間にわたり開催された、ボルヘス没後20年記念のイベントでお会いした小沼先生がコーディネーターをなさっていて、お誘いをいただいたのでした。

タイトルは<シュトイデ弦楽四重奏団による大島ミチルの世界>。ウィーンフィルのコンサートマスター・フォルクハウト・シュトイデを中心に、同オケの次世代を担うメンバーで構成される素晴らしい弦楽カルテットと、テレビや映画のための音楽でお名前を見ない日はないくらい大活躍をなさっている作曲家の大島ミチルさんという、オリジナリティあふれる組み合わせです。十八番(おはこ)のモーツァルト、シューベルトでは、本場ウィーンの美しく絶妙なアンサンブルを久しぶりに聴くことができて大感激。都会の通奏低音「雑音」に知らず知らずのうちに汚染されていた耳が、正常な状態にリセットされるようでした。大島さんの曲は、前半ではCDにもなっている「For The East」から、後半はよく知られたテーマ曲の数々―――NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」、映画「極道の妻たち」「お墓がない」「北の零年」など―――が演奏され、お客様も大喜びでした。

このコンサートはアサヒビールのメセナ活動の一環で、今回で100回を数えるそうです。有名無名にこだわらず素晴らしい演奏家を迎えて、手作りで15年も続けてきたということを知り、実に素晴らしいことだと思いました。入場希望者はハガキまたはHP上から応募し、多いときは抽選になるということですが、くつろいだ開放的な雰囲気のなか超一流の演奏を楽しむことができるうえ、休憩時間にはドリンクサービスもあるのです。(私はちゃっかりビールをいただきました。)
そして、あらたに導入されたという「市民パトロネージュ制度」(観客は、終演後に自分自身の気持ちに見合うだけの入場料を置いていく)によって、単なる“いただきもの”としてのコンサートではなく、「自分も芸術家を支える一端を担っている」という自覚が生まれていると思います。
このようなメセナ活動が地道に続けられ、定着しているのを目の当たりにして、とても嬉しくなりました。

ホロヴィッツのピアノ

先週の金曜日、ホロヴィッツが晩年使用していたピアノを試弾してきました。このピアノは今いろいろな場所を巡回しているようなので、もうお弾きになった方もいらっしゃるかもしれませんね。

予想はしていましたが、素晴らしかった!なにしろ、タッチの反応がびっくりするほど繊細で、音量も音色も、ものすご~く幅が広いのです。うわうわうわっ、と言いながらモーツァルト、スカルラッティ、ファリャと弾きまくりました。どんなパッセージも難なく弾きこなせてしまう感じで、ホロヴィッツが伴侶の楽器としてどこにでも連れて行ったのもうなづけました。与えていただいた限られた時間、弾いているときは楽器の特性を探りながら音作りにだけ集中していたのですが、終わってしばらくして帰りの電車の中で、ふつふつと感動がわいてきました。だってあのホロヴィッツが使っていた楽器なんですよ~、興奮しないほうがおかしいですよね*
ほんのひとときの夢だったとはいえ、とても幸せな気分にさせていただきました。

金曜日, 11月 17, 2006

吉岡龍見さんの尺八&おおたか静流さんの歌声

14日、吉岡龍見さん(尺八)と富元清英さん(箏)の演奏会を聴きに行きました<紀尾井小ホール>。今年は宮城道雄没後50年だそうで、演奏会は彼の歌曲の代表作品「秋の調」から始まりました。吉岡さんには以前「安吾忌」のイベントでお会いし、すぐそばで演奏に接して感銘を受け、ぜひとも演奏会に伺ってみたいと思っていました。実は邦楽を“演奏会”で聴くのはは初めてで、聴き込んでいるわけではないのですが、吉岡さんの尺八から感じられる精神性の深さにすうっとはまっていくようでした。箏との曲も素晴らしかったです。

さてこの日は、かけ持ち。銀座のパーティースペースで行なわれていたOクラブのパーティーに、2時間遅れて到着。この日はおおたか静流さんがゲスト、オーロラの映像とコラボレイトして歌ってくださるというのでなにがなんでも行こうと思っていたのです。おおたか静流(しずる)さんは、日本で一番CMの歌を歌っていらっしゃるという方。その声はあるときは神秘的に、あるときはエキゾティックに、またあるときはほんわかと響きます。大人の間でも注目されているNHK番組「にほんごであそぼ」にも出演していらっしゃるといえば、ああ、あの方!とわかるでしょ。私が着いてほどなくして、もうミニコンサートは終わっていたおおたかさんが、リクエストに答えてCMで歌われたメロディーをいろいろ、それから1曲「花」を歌ってくださいました。すごい・・・!声の力はマジックですね。またお会いできるといいなぁ。

鎌倉

京都や金沢はおろか、日光にもお連れできないときは鎌倉、またはもっと近場で川越で決まりです。今回も北鎌倉を起点にお寺を巡りながら鎌倉駅へ、その後江ノ電で長谷へ・・とお定まりのコースになってしまいましたが、季節それぞれに風情があり、飽きることはありません。ただ本当は、竹寺まで足をのばしたかった!ちょっと雨模様の日が素敵だそう。これはぜひ、次の機会に実現したいと思います。

建長寺では、黒澤フィルムスタジオのチームがなにやら映画?の撮影中でした。上原さくらちゃんが着物姿で凛と立ってました。テレビに出てる方って、実物を見るとさらにかわいくてとっても顔が小さいんですよね!(ミゲル君しっかり写真におさめてました。)

長谷寺はあまりお花の季節ではありませんでしたが、やっぱり気持ちのよいお寺。音楽も司る弁財天が祀られている洞くつでは、初めて小さい弁財天に願いを書いて、置いてきました。

また、久しぶりに大仏の内部にも入りましたが、昔はのぼれたはずの大仏様の背中に空いている窓(?)の部分には立ち入り禁止になっていました。雨や風など、天候が文化財に及ぼす影響を調べているんだとか。

江ノ島までは無理だったけれど、ちょっと時間があったので、稲村が崎まで行ってみました。ちょうど夕暮れ時でこんな感じ。サーファーの姿が絵になります。海はいいなぁ。。。

東京観光2

この日はまず東京都庁庁舎へ。ミゲル君は富士山が見たいと言っていたのですが、東京タワーに行ったのは夜でそれはかなわなかったため、タダで展望室が開放されている都庁に行ってみよう!ということになりました。都庁に入ったのは実は私も初めて。ずいぶんキレイでサービス満点といった感じですね。

それにしても昼間に見渡すと、やはり東京は大きい!ここにどれだけの人がいるのか、そしてそれぞれに様々な人生があって・・・“世界”の容量ってどのくらいあるのかしら、とくらくらしました。さて肝心の富士山、らしき影は見えたようですが、遠くの山々は青くてあまり遠近感がない感じで重なっていました。

さてもう3時近くなっていたので、「日本庭園なんかどう?」と提案。疲れが出ていたミゲル君「一番近い庭園がいい」というので、都庁前から大江戸線ですぐ、飯田橋駅近くの小石川後楽園にしてみました。水戸徳川家の江戸上屋敷内の庭園(中国趣味を取り入れた回遊式築山泉水庭園)、国指定特別史跡・特別名勝で、都会の真ん中にありながらかなり広いんです。まだほとんど紅葉は始まっていず、緑と土の色に心が落ち着きます。
子供のころ山が遊び場だった私にとって、今の東京生活に足りないのは土を踏む感触と、木々のざわめきや草花のにおい。やわらかい午後の陽に水面がきらめき、鳥の声を聴きながら・・・隅々までゆっくり歩きました。連れて行ったお客さんより私のほうが楽しんでしまったかも。(photo:Miguel Sierra)

庭園散策のあとは東京ドームの横をとおって、後楽園駅へ。早めの帰宅となりました。

横浜

肩がちょっと万全ではないミゲル君、私のいきつけ整体治療院へ行ってみたいとのことで、横浜へ。なんだか、スペインから来る友達みんなこのコース(治療 院)をたどっています!お天気がとってもよかったので横浜駅から山下公園まで、シーバスに乗りました。風をうけられるので、船大好き!私は飛行機より船、 車より自転車でございます。

中華街でお昼を食べて、みなとみらい線でまた横浜に戻り、治療院へ。通訳したあと、待ち時間には、足から毒を出すフットバスみ
たいな機械(名前忘れちゃいました)を初体験しました。身体のどこが悪いかによって、足をつけている水の色が変わるんです。面白かった。

ミゲル君はたいそう「肉まん」をお気に召して、日本滞在中4個は食べてましたが、残念ながら本場・中華街の豚まんは、お昼でおなかがいっぱいになり食べられず。
下のようなおバカ写真も撮りつつ・・・(ミゲル君リクエストによる、と強調しておきましょう。なぜに「咬め」と指示されたのか、写真を見てやっと分かった私)バチがあたらないようここでお詫びしておきます、ごめんなさい!

東京観光1

3ヶ月ぶりに、我が家にはスペインからのお客(ミゲル君、初来日)が滞在していました。いつものことながらつきっきりでのお世話はできなかったのですが、ずっとお天気もよく満足して帰ってもらえたようです。
ちょこちょこと行けた場所から・・・

<東京タワー>スペインからのお客様を迎えるようになって1年に1度くらい登ってますが、来るたびにバージョンアップしていると思うのは気のせいでしょうか?リリー・フランキーさんの「東京タワー」ヒットの力もあるのか、以前はちょっとダサい(ごめんなさい)というイメージのあった東京タワーも、なんだか魅力あるオシャレな場所に変貌してます。

今回行ったのはは日が落ちてから。高い所ならサンシャインや六本木ヒルズもあるけど、この狭い空間、そして鉄骨で組まれているだけと感じるスリルがいいんですね。男性に多い高所恐怖ですが、ミゲル君はだいじょうぶということだったので、さらに上の特別展望台まで上がることができました。しかしなんとしたことか、高い所好きなはずの私が、特別展望台へのエレベーターへの列に並んで待っている間にめまいがして突然怖くなってしまいました。こんなこと初めてです。登ってしまったら大丈夫でしたが、これがすすむとパニックになるのかしら・・・とちょっと思ってしまいました。ともあれ、結構楽しい東京タワーです。 (photos:Miguel Sierra)

  下:「ヒルズカクテルでございます」・・・でもちょっと手が不自然?
















左:X'masシーズンだからか、下の広場にはこんなものもあります。

月曜日, 11月 06, 2006

Cuban Cafeにて

3日、築地の「Cuban Cafe」でのTALK&LIVEイベントに伺いました。

第1部は、竹村淳さんと岩本匡司さんによるトーク。竹村さんは、NHKのラジオで20年にわたり中南米音楽の番組のパーソナリティをつとめた、中南米はもとより音楽全般に造詣の深いスペシャリスト。岩本さんは中南米音楽の大ファン、1996年から97年におきたペルーの日本大使公邸人質事件では、人質の1人として120日以上を過ごしたという経験を持つ方です。この日のトークでは、ライヴのテーマであるパラグアイのお話のほか、当事者としてのこの事件の経緯なども語ってくださいました。

第2部は、パラグアイのアルパを操りながら素晴らしい声で歌われるホセ ルイス・バルボーサさんと、ギターのエルネスト河本さんによるライヴ。(河本さんも歌がお上手で、しかもケーナ演奏も素晴らしいのです!)中南米のフォルクローレはまだまだ勉強中の私にとっては初めて聴く曲ばかりで興味深々、優雅なイメージのあるクラシックのハープとはまた違った力強いアルパの魅力と、素敵な歌声、そして河本さんの絶妙な伴奏に惚れ惚れしながら、時間はあっという間に過ぎていきました。

終演後はしばし会場に残り、キューバのお料理をいただきながらおしゃべり。70年代あたりのミュージシャン裏話をいろいろ聞いてしまいました(^o^) 。4年ぶりくらいでモヒート(ハバナ発祥のラムベースのカクテル。ミントの葉がたくさん入る)も飲み、いい気分に。
ホセルイス・バルボーサさんと写真を撮っていただいたのですが、携帯を使いこなせていない私はフラッシュの操作がわからず、暗~いなかにホセルイスさんの白いシャツだけが浮かび上がる写真になってしまいました~(泣)。それにしても、多くの日本の方にとっては、中南米ってスペインより断然近い存在なのですね。スペイン語が話せれば言葉の不安もないし、なんだか中南米を旅したくなってしまいました!

木曜日, 11月 02, 2006

本たちを一気にご紹介


突然ですが、このひと月のあいだに読んだ本、今読んでいる本をご紹介します*
「おすすめ」のコーナーに書きたいのですが、なかなか更新できていなくて心苦しく思っております。。。でも近々更新しますので、ブログ以外のコーナーも見捨てないでくださいね*

さてまず読み終わったのは「我々はどこへ行くのか」川良浩和著(径書房)。この本についてはブログ日記でも言及させていただきましたので、ここではご紹介するにとどめます。あらためて「おすすめ」に書きます。ちなみに表紙の絵は、石坂浩二さんの作品。
そして「モーツァルト366日・新訂版・」高橋秀郎著(白水社)。1日あたり1ページ1曲、エッセイ風にモーツァルトの名作をとりあげて綴る形。写真やイラストも毎頁に載っていて気軽に読めます。モーツァルトに関する本は結構持っていましたが(高橋秀郎氏は「モーツァルト・遊びの真実」「人間の歌モーツァルト」などモーツァルトに関する著書も多数)、この本はある方に聞いて書店で注文し、仙台でのモーツァルトシリーズの前に読みました。

昭和史への一証言」松本重治・聞き手:國弘正雄(たちばな出版)は、ただ今読み進み中。松本重治氏は、1920年代にアメリカ・ヨーロッパに留学し、その後国際ジャーナリストとして素晴らしい業績をのこされた方。日中戦争から日米開戦、そして敗戦という激動の歴史を、日本の外交はどのように歩んできたのか・・・という内容で、これまであまり知らなかったことも多く、それぞれの事実をとても重く受け止めながら読んでいます。とくに西安事件や満州事変、日中全面戦争へと進んでしまう流れの裏では、日中両国で多くの人が和平への試みをおこなっていたことを知りましたし、ほんのささいなタイミングの違いで歴史が大きく変わってしまうという恐ろしさも感じました。
並行して、「操守ある保守政治家・三木武夫」國弘正雄著(たちばな出版)も。三木(元)首相の秘書官兼通訳でいらっしゃった國弘先生が、近しく交わった「三木武夫」という政治家とその精神、また(現代につながる)その時代を、一冊の本にまとめられました。
レバノン、北朝鮮、イラン・・・と世界情勢が緊迫するなか、唯一の被爆国日本で核武装論までがとびだしています。“日本人の良心”が求められている今、この2冊もぜひ読んでいただきたいなと思います。

下段真ん中の本は、タイトルちょっと判別できないですが、この横顔はあのアストル・ピアソラ。「ピアソラ 自身を語る」ナタリオ・ゴレン著・斉藤充正訳(河出書房新社)、ピアソラ本人唯一の回顧録、関係者の証言などによるエキサイティングな本で、日本語版は「ピアソラ研究の第一人者」と世界的にも認知されている斉藤充正氏が翻訳されています。“生涯反逆児”“闘うタンゲーロ”の生身の姿がつまっていて、これもおもしろく、就寝前に読み始めてしまうとなかなかやめられません~。

そして、スペインに魅せられた1人のアメリカ人が全てを捨ててスペインに渡り、フラメンコギターをマスターするまでを綴った「デュエンデ」、ジェイソン・ウェブスター著・田中志ほり訳(ランダムハウス講談社)。スペインの熱さがたちのぼり、あたかも自分がそこにいるような臨場感のある本です。ちゃんと読んだらおすすめに書きますので少々お待ちを*<これ実は私がちょっぴりお手伝いをした本で、最後のページにクレジットも入っています。>

まだまだいろいろな本がページを開かれるのを待っています。お馴染み・青柳いづみこさんの新刊「音楽と文学の対位法」(みすず書房)も、早く読み始めたくてうずうずしています。

月曜日, 10月 30, 2006

六ヶ所村に行きました

27日、青森県・六ヶ所村へ、コンサートに行ってきました。羽田から三沢まで1時間ちょっと、あっという間なんですね。飛行機の乗客の3分の1ほどはアメリカの方、きっと基地関係の軍人さんでしょう。「青森はとっても寒いわよ!」と脅かされて冬支度で行ったのに、着いたら暖かくて汗ばむほど!2日前までは寒かったそうですが、この日はセーターもコートも要りませんでした・・・。
会場へは、空港からさらに車で走ること40分ほど。道中の景色は、どこまでも続く畑と緑、そしてのどかな牧場、紅葉し始めている木々と太陽に輝くすすき・・・まっすぐな道路を走りながら、都会で疲れた目と頭がほぐされていくようでした。何しろ空が広い!こんなのどかな場所に大規模な原発?なんだか不思議な感じです。

六ヶ所村は思ったより広く、最近町もどんどん変わっている、というお話でした。きっと、原発関係で働くために、外からお入りになった住民の方も多いのでしょう。文化会館も立派でした。この日のコンサートは会員制とのこと、ホワイエにならぶ2人掛けソファでくつろぎながら、近くで音楽を聴いていただくというものです。6時から1時間ほど演奏したあとは、また車で三沢へ。オープンしたばかりというお洒落なイタリアレストランでいただいた、獲れたて天然ぶりのカルパッチョが美味しかったです。やはり北の海では、魚も身が引きしまるのですねぇ。
そうそう、ここの名産・長芋の焼酎をお土産にいただいたんです。他では手に入れることが難しい幻の焼酎だそうで、芋焼酎好きの私としては、みんなで味わえる日が待ち遠しいです*

つかの間の滞在でしたが、お世話になった皆さま、ありがとうございました!

日本ハム優勝!

北海道日本ハムファイターズ*日本一おめでとうございます!!

野球にそんなに興味のない私も、ちょっと嬉しい・・というのも、実は私の父がず~っと、日ハムファンだったのです。これまで、失礼ながらあまりパッとはしないチームで、なんで応援し続けているのかなぁ~?とちょっと不思議に思っていたのですけど、東映フライヤーズの時代(前回優勝した頃)に同じ早稲田のOB・安藤元博投手や、同じく母校の桐生高校OB・毒島選手などがいて、熱烈に応援していたらしいのです。
“44年間も1人で応援してきた甲斐があったねぇ!”とおめでとうのファックスを送ったら、返信ファックスには、安藤投手が1人で投げ抜いた、東京六大学野球・伝説の早慶六連戦のことなどが書いてあり、いつもはもの静かな父の青春を垣間見た気がしました。(巨人が、小笠原に大金契約でゆさぶりをかけていることに憤慨してましたぞ。)それにしても、かつて先輩が活躍したチーム、ということだけで(だけで、かどうかはわかりませんが)半世紀近くもめげずに応援し続けるとは・・・律儀です。

しか~し、新庄も引退、ヒルマン監督もどうなるのか、小笠原も・・・と心配の種はありますが・・・北の地から、日本を温かい気分にさせてくれた日ハムの皆さん、これからもがんばってくださいね!

火曜日, 10月 24, 2006

詰めの甘いワタシ


土曜日は防災訓練、フラメンコクラス、青柳いづみこ先生と久しぶりにお会いしてお茶タイム・・・と続いたあと、青山の「モンスーン」で、スペイン語教師として「世界一周の船旅」に乗り込むベアトリスちゃんの“しばしお別れ会”。
ほとんどが初顔合わせの総勢17名(スペイン人13名、日本人4名)でのパーティーとなりました。(写真を撮るころには、いつもほんのり顔になっている私。ベアちゃん、目が閉じてる写真になっちゃってゴメン)おしゃべりに花が咲き気づけば11時半をまわっていて、終電を気にするカディス出身のシルビアちゃんとともにお店を後にしました。
しかし!人の心配をしている場合ではなかった。西武線の終電はほとんど無理と思いましたが、西武新宿線は楽勝、と考えて高田馬場で下車。新宿線への乗り換え階段を悠長に降りていたら、見えたパネルには「終電車」の表示が。ええっ?!と思ったときにはもう遅く、無情にも目の前でドアは閉まってしまいました。うぅぅ~と思いながら、またもや山手線へ逆戻り。結局、こんなとき頼みの中央線を使い、遠い駅からタクシーとなってしまったのでした。反省。

東京人の行動範囲が広いってこともあるけど(いったいどこからどこまでが“東京”なのか)、それにしても、終電が早すぎませんか?しかも週末のほうが早いって・・・平日の方が残業で遅くなる人が多いから、っていう理屈なのかな?マドリッドやバルセロナでは、メトロがない時間でもタクシーが安いので、帰りの時間の心配をする必要がなかったのが、ちょっとなつかしく思い出されます。サラゴサにいたっては、朝4時ごろになってもどこからでも歩いて帰れたし。街の規模が違うから当然なのですが・・・日本に来て日が浅いシルビアちゃんも、「東京って異常!」と言いながら足早に帰って行きました。

なにはともあれ。ベアちゃん、身体に気をつけて楽しんできてね!お土産話が楽しみ。

金曜日, 10月 20, 2006

水野暁さん個展



5,6年前マドリッドの語学学校で知り合い、同じ群馬県人ということもあって交流が続いている、画家の水野暁君の個展 solo exhibition -prologue- が、銀座・彩鳳堂で開かれています。彼の絵が出品される展覧会にはいつも伺っているのですが、今回はなんといっても個展!ちょっとどきどきしながらギャラリーのドアを開けると・・・これまたいつもより緊張気味?の暁くんが。写真では表しきれないですが、ちょっと浅野忠信似、ソフトな印象をかもしだしているけれど多分野生的なところもある、真面目な人です(わけわかりませんか?)。
そんなことはともかく・・一貫して“写実”という仕事に真正面から取り組んでいる彼は、生み出す作品を通して、静かではありますが確実に、世界に何かを発信していると思います。美術界のことはよくわかりませんが、市場が商業的なものであふれている今の時代に、一見地味ともいえる“写実画”が、通り過ぎるだけではない不思議な説得力+αを持っているというのは新鮮な驚きでした。水野暁君の画家としての生き方は、造形作家の礒江毅さんがおっしゃっている「客観的であろうとするからこそ、個性が浮き彫りになってくる」ということを示してくれていると思います。
個展は10月28日(土)まで開催(10時から19時)、会期中無休です。銀座にいらっしゃるときは、ちょっと足を伸ばして彩鳳堂画廊に寄ってみてください。
(写真は、作品「Love&Peace」の前で、この作品のモデルさん[お名前ごめんなさい!後で教えて。]と。)

徹子の部屋・青木十良先生と


今日(19日)、長寿テレビ番組「徹子の部屋」にちょこっと出演しました。ゲストは91歳のチェリスト、バッハの無伴奏ソナタのCDを連続リリース中で、先日の浜離宮朝日ホールでのリサイタルも大評判を呼んだ青木十良さん。ヴァイオリニストだった黒柳徹子さんの御父上様ともおつきあいがあったとのことで、お話もはずんでいらっしゃいました。青木先生は、90歳を超えてなお現役、真摯に音楽と向き合い(勉強していると常に新たな発見がある、と仰る)物腰も頭もやわらかな紳士でいらっしゃり、お話していると時間も忘れてしまうような方。「十良」というお名前の由来や、音楽家になった経緯、奥様とのエピソードなど、楽しいお話ばかりでしたが、30分ほどの時間ではもちろん語りつくせるはずはなく・・・ほんとはもっともっとたくさん、面白いお話をお持ちの方です。演奏なさったカタルーニャ民謡/カザルス編の「鳥の歌」で、伴奏をさせていただきました。またひとつ、素敵な出会いをありがとうございました。
ますますお元気でのご活躍をお祈りいたしております!(下は、出番前に控え室にて)

我々はどこへ行くのか


17日、「川良浩和さんのご本出版をお祝いする会」にうかがいました(会場:アニヴェルセル表参道)。本のタイトルは、「我々はどこへ行くのか」<径書房>、常に世界と向き合い、不可能とも思える企画を次々とたて、見る人に「押し付けず、考えさせる」素晴らしい番組を作り続けていた川良さんが、その激しい仕事のかたわら11年がかりで完成させた、言葉では言い表せないほど素晴らしい本です。皆さん、なにはともあれぜひ読んでください!径書房
川良さんはドキュメンタリストというご職業柄もあるのでしょうが、実に様々なことにご興味をもたれ、そしてひとたびご興味を覚えたら広く、深くその世界に入っていかれる方。音楽・美術など芸術全般にも鋭く確かな感性をお持ちで、私はNHKスペシャル番組で弾いていたピアノが縁でお知り合いにならせていただいたのですが、日本文化もとても愛しておられ、私もいろいろ勉強させていただきました。そういうわけでこの日はぜひ、お祝いと感謝の気持ちを込めて着物で伺おう!と思い、このような姿に。

会の途中でのミニコンサートでは、川良さんとは長いおつき合いのデュオ「ダ・カーポ」、そのお2人のお嬢様でフルーティストの榊原麻理子さん、そして私が、ご本人のリクエスト曲を演奏をすることになっていて、まずはリハーサル。私は麻理子さんの伴奏と、本の中でもちょっと触れてくださっている、アルベニス作曲のピアノ曲「コルドバ」演奏です(もちろん、着物で)。コルドバは、かつて長くイスラム王国が栄えたスペインはアンダルシア地方の古都で、イスラム支配下でも、キリスト教徒やユダヤ教徒を厳しく差別することなく認め合って共存し、学問や文化も大いに花開いていました。その都の名前を冠したこの曲では、音楽のなかにその素敵な調和を感じるのです。20世紀末、冷戦構造が消滅したあとに来る世界として予見された「イスラム教vsキリスト教」の構図が、ますますはっきりした形となってきてしまった今において、私はこの「コルドバ」を演奏するたび、違いを認め合える世界、平和への祈りをこめています。そして、それに共感してくださった川良さんにとっても、お気に入りの1曲となられたようです。

開会すると、ジャーナリスト・山室英男さん、写真家・白川義員さん、俳優・石坂浩二さん、元アナウンサー・小林和男さん、弁護士・岡村勲さん、クリスタルアーツ代表・佐野光徳さんなどなど、私も大尊敬させていただいている素晴らしい方々が実に素敵なスピーチをなさり、とても幸せな気持ちにさせていただいた会でした。多くの方々が口にされていた、「自分はいま、なにをすべきか」という命題を、私もまた穏やかな気持ちで胸に思うことができました。人の一生は、宇宙の営みにくらべたらほんの一瞬です。ささやかでもいいから懸命に生き、世界をつなげ次の世代に渡していきたいものです。「人間、驕るべからず」・・・
(中:川良さん、右:会場のオーナーAOKIホールディングスの副社長・青木氏)

月曜日, 10月 16, 2006

ヒスパニック・ウェイヴ in 津田ホール


<HISPANIC WAVE>シリーズ第1回公演、終了しました!
「より自由に、私らしく」をモットーに、やりたいことをやるという室内楽シリーズ、素晴らしいアコーディオンの名手シュテファン・フッソングさんのお力を得て、いいスタートを切ることができたように思います。ピアノとアコーディオンがこんなに合うなんて知らなかった!という声を多くいただきましたが、実は私もそれが嬉しい驚きでした。(アコーディオンとの本格的な共演は、今回の演奏会が初だったのです。)

意外だったのが、音楽の専門家、クラシック音楽会はこれまであまり行ったことがなかったという方を問わず、現代の作曲家パドロスの作品を気に入ってくださった方がとても多かったこと。「ゲンダイオンガク」という固定観念(語弊ありますが・・・)を裏切るかのように、音質の繊細さと、舞踊的なリズム要素の両方をあわせ持つことと、ピアノも、打楽器用のマレットを使って内部のフレームを叩いたり、弦の上に重りをのせてミュートをかけたりと、“ピアノをいじめない”ソフトな特殊奏法によるいろいろな音がして、面白かったようです。ピアソラは、クラシック界でひところブームになったあくまでもメロディアスで甘い演奏スタイルへのアンチテーゼとして、是非とりあげたかった作曲家。この点でも、シュテファンさんと方向性を同じくしていたので、心おきなく弾けることができました。


シュテファンさんとは、これからも共演の機会を持ちながら、“ピアノ&アコーディオン”音楽の可能性を広げていきたいと思っています。終演後のロビーでは、お忙しいスケジュールをぬってご来場くださった筑紫哲也さんともお話することができました。いらしてくださった皆様、ありがとうございました!
(写真は、おなじみ中村ボックリ博士撮影です。)

せんくら終了!


「せんくら」3日間でのモーツァルトが終わりました!

仙台入りしたのは、台風に影響された秋雨前線が嵐を巻き起こしていた真っ最中。私はともあれ前日夜の10時半ごろ到着できましたが、なんでも、初日の朝10時からのコンサートだったギターの福田進一さんは、すごいアドヴェンチャーを経て本番に間に合ったらしいです。前日、外国から飛行機で成田に着く予定が、嵐のため関空に到着地変更!そこから夜行列車に飛び乗って東京へ、翌朝の新幹線に乗り継いで立ち乗りで仙台入り、開演15分前にホール着、即演奏開始という・・・演奏家ってタフです~。福田さんをはじめ、私もぜひ聴きたいと思っていた演奏会がたくさんあったのですが、始まってしまったらまったくそんな時間はなくて、ちょっぴり残念でした。卒業以来会っていない友人(クァルテット・エクセルシオの面々、高嶋ちさ子ちゃんなど)も何人か出演していたのに、会うこともできませんでした。原田哲男くんだけにはご挨拶できたのですが。ともあれ、一公演1000円で一流の演奏家をたくさん聴ける!という夢のようなフェスティバル、足を運ばれた3万人の方は大いに楽しまれたことでしょう。

私にとって初めての仙台での演奏会、穏やかであたたかいお客様とふれあうことができて幸せでした。サイン会のときに美味しいお菓子の差し入れを下さった方、終わってからメールメッセージをくださった方、どうもありがとうございました!またお会いできますことを楽しみに。
(写真は、ボックリファミリーの小野寺さん撮影)

土曜日, 9月 30, 2006

10月のコンサート

いよいよ<仙台クラシックフェスティバル>でのモーツァルト・ピアノソナタ全曲シリーズ出演&アコーディオンとのデュオ公演(東京)が近づいてきました。10月11日(水)千駄ヶ谷駅前・津田ホールで開催の、下山静香主宰・スペイン&中南米室内楽シリーズ<HISPANIC WAVE>シュテファン・フッソングさん(アコーディオニスト)との初の共演はわくわく、とっても楽しみです。普段なかなか聴く機会のないアコーディオンとピアノのクラシック演奏会、ぜひ多くの皆さまにいらしていただけたら・・と思っています。詳細のお問い合わせ・チケットお申し込みはコンサートイマジンまたはMuse GRACIA(旧称:Office ZARABANDA)まで。「HPを見た」とMuse GRACIAにメールをいただいた方には、一般チケットを割引でご提供いたします。タイトルには「チケット希望」と書いて下さいね*

「レッスンの友」10月号、巻頭のカラーグラビア&5ページにわたる本文インタビューに登場。「ムジカノーヴァ」10月号では<今月のプレ・トーク>コーナーに登場しています。こちらも機会があったらお読みいただけたら嬉しいです!

火曜日, 9月 26, 2006

おこもりに耐える日々・・・

やっとピアノに集中できる状況となり、連日夜1時過ぎまでピアノ室にこもっています。10月にある演奏会のプログラムを1回通すだけで7時間かかり、そのうちほとんど6時間分が新しいレパートリーときているので、合理的で濃い練習方法を考えなくてはなりません。練習時間が多くなってくると、使いっぱなしとなる筋肉や腱の状態にも気を配らければ、あとで大変なことになりかねません。なんとなく喉も気になるし・・・というわけで、何ヶ月ぶりかのメンテナンスを兼ねて、お世話になっている整体の先生のところへ行きました。

案の定かなりキテいる状態。睡眠4~5時間は、肉体労働ならそれでも大丈夫なのだけれど、頭脳労働には少ないんだそうです。ピアノ演奏は肉体と頭脳の両方使うので、睡眠が少ない状態がずっと続くのは、やはりよろしくないみたいですね。風邪もインフルエンザも入っているということで、さっそくそれも抜いてもらいました。寝起きはいいのですがやはり睡眠が足りていないのか、移動中に座ったら最後、無意識に寝てしまうことも多いのですが、先生によると、電車などで寝るときは「よし、これから寝るぞ」と自分に言い聞かせてから目をつぶるといいんですって。そうすると、自己防衛機能が働いて、風邪が入りにくくなるそうなんです。
1時間半の施術後は身体に血がめぐり顔も薔薇色。すっきりして帰宅しました。ちなみに左足には、まだ2つばかり小さい鍼が入ってます。

ここのところひたすら外出せずの日々ですが、23日は、飯田橋のCanal CAFÉで行われた友達の結婚パーティーへ。新郎がフランス人のため、ゲストも日仏のほかチリ人、スペイン人、イタリア人・・・と国際色豊か。フランス人漫画家・ボワレさんにも久しぶりに会いました。水上レストランなのでとても気持ちがよく、ボートから打ち上げられたたくさんの花火も素敵でした。写真は、カメラを忘れたので携帯で撮った、Martin[マルタン]と真里ちゃん。ちょっとぶれちゃってごめんなさい。末永くお幸せに!(マルタンのかわいいイラストが入っている本「自転車にのって。~かわいい自転車、楽しい毎日!~」〔マーブルブックス〕発売中です*)

木曜日, 9月 21, 2006

GRACIA例会


9月15日、後援会GRACIAの第2回例会を開催しました。場所は、初回と同じく神保町のKIZAN。第1部がモーツァルトコンサート、第2部は立食パーティー形式で、皆さまとともにひとときを楽しむことができました。第2部での今回のゲストはホルヘ、アマデウ、ミコのトゥナ3人組。民族衣装で突然登場した彼らには皆さん驚き、喜んでくださいました。コンサートの部(モーツァルト:ピアノソナタ12,13,14番+幻想曲)が1時間以上と長かったため、パーティーのほうは少々駆け足となってしまいました。第3回例会は、また工夫をしてより充実した会になるようにしたいと思っています。(写真は、当日司会進行をしてくださったKellyさん撮影。)

9.11

9月11日。あのあまりにも衝撃的な、明らかに世界の歴史を変えたテロ事件の起きた日から、もう5年が経ちました。この日、迫っている演奏会のための練習に追われているはずでしたが、筑紫哲也さんと安住アナが案内役のTV番組「NYテロ 5年目の真実」から目が離せず、最後まで見てしまいました。番組では、その場に居合わせた人や被害者の方の遺族などからの証言をまじえながら、あの日起きたことをドラマ仕立てで再現。あらためて、この事件のたとえようもない悲惨さを、そしてその裏にくすぶるイスラム社会の不満、憤り、怒りを思いました。いまや唯一の超大国となり、“世界警察”を自認するアメリカ。戦後、常にアメリカとの関係でものごとを計ってきた日本・・・アフガニスタンでイラクでなにが起きたのか、レバノンでパレスチナでなにが起きているのか、今こそ“われわれの眼”でよく見きわめる必要を感じています。

最近出された著書<我々はどこに行くのか>*今月のおすすめ本*のなかで、作者の川良浩和さん(元・NHKエグゼクティヴプロデューサー)は「歴史は決して理屈で動いているのではなく、感情で動いているように思える」と書いていらっしゃいます。世論が政治を動かし、そこにジャーナリズムが介在しているのを忘れるわけにはいかない、とも。ジャーナリズムが世論をある方向に導くのは、少なくともそのきっかけを与えるのは、いとも簡単なことのように思います。(だからこそ、政治家たちはメディア戦術に力を入れているのでしょう。)救われるのは、情報の出し方はまだかたよっているにしても、日本のジャーナリズムがとりあえずはアメリカに警戒感を持っていること。(現在のアメリカでは悲しいことに、“ジャーナリズムの自由”が圧力を受けているようで、9.11テロはその傾向をさらに大きく一歩進めさせる要因となってしまったのでした)手っ取り早く様々な視点で世界情勢をとらえるためには、たとえば衛星TVやインターネットで、ヨーロッパ諸国などから発信されるニュースを見てみるのもひとつだと思います。私もスペインやイギリスのテレビニュースは時々見ますが、日本のニュースではまったく知らされない出来事も多く、驚かされることが多々あります。

いま安倍氏が自民党総裁に選出され、彼がこれからの日本をどのように舵取りしていくのか・・・国としてのいき方を選ぶ重要な分かれ目にある今、大きな不安を感じています。そんなときに人々が頼りたくなるのが、カリスマ的なパワーを持った政治家や宗教家。流れが一度ある方向に走り出したら、誰も止めることができないということが、国を問わず歴史上何度もあったわけです。
安倍さんが国際的なバランス感覚のある方であることを、切に望みます。

木曜日, 8月 31, 2006

バジルソースに感動。

近所の無人野菜スタンドに寄ったら、バジルが売られていました。ちょうど片付けにきたおねえさんがいて、もう終わりだからと2鉢100円にしてくれました。しばらくベランダにおいていて、時々「う~んイタリアの香り!」なんて言ってたんだけど、虫に食べられ始めたので、よし、ジェノバソースを作ろう!と思いたちました。「思いたった」と言っても、実は先日、神戸に住むお友達がつくって“と~っても美味しかった!”と言っていたので、気にはなっていたのです。

まだ若い葉はちょっとかわいそうなので残し(写真は葉を摘んだあと)、ちょうど家にあった松の実、あとはにんにくとオリーブオイル、水少々と塩だけでOK。ジューサーミキサーにガーッと入れて、簡単にそれらしきものができたけれど、あんなにたくさんの葉っぱがなんと少量になっちゃうんでしょうね!なんとかパスタひと皿分のソ-スになったので、からめていただいてみました。

・・・確かに!おいし~い!!残ったソースも、パンできれいにふきふきして完食。あぁぁイタリアが呼んでいる・・・

水曜日, 8月 30, 2006

モーツァルトに染まってます


27日は後援会GRACIAの「プレ例会」。荻窪のかん芸館で、こぢんまりと楽しい会となりました。お話をはさみながら、モーツァルトのピアノソナタ1番2番3番、そしてロンド・イ短調を演奏しました。ここではこれまでプレイエルばかり弾いていたのですが、今回ヤマハピアノを選んでみました。そうしたらこれが、ヨーロッパ的な楽器だったのでちょっとびっくり。楽器自体にも響きがあるんです。演奏上いろいろなことができる幅のある楽器って、弾いていて安心です。押してもひいても頑固な楽器だったら・・・人との付き合いと同じで、ストレスがたまってしまうんですよね。演奏後は、コノ・スールというチリワイン(高価なワインではないがとても美味しいと、田崎真也氏絶賛のワインだそうです)、スペインはアラゴン地方のワインと、チョリソー、チーズ、ケーキなどつまみながら楽しくお話しているうちに、あっという間に終了時間となってしまいました。
いらしてくださった皆様(伊勢崎からも!)、本当にありがとうございました。

さて翌28日は、<せんくらPod Casting>(インターネットラジオ)への収録に行きました。<せんくら>総合プロデューサーの平井さんと、おもにモーツァルトについて、打ち合わせなしぶっつけ本番のおしゃべり。30分弱の収録となりました。そのうち、ダウンロードすることができますので、せんくらホームページをチェックしていてくださいね*

そうそう、再び「せんくらブログ」に登場することになりました!9月1日から9日まで、1日につきモーツァルトのピアノソナタ全曲シリーズコンサート1回分、という風にすすんでいきます。ソナタの解説のようなものではなく、感じていること(ラジオでは言いそびれたことも含めて・・)など自由に書いていくつもりですので、是非そちらもお楽しみください。私は9月1日と、6~9日の計5回分を担当します。ん?「せんくらって何だ?」ですって?・・・はい、ではこちらをどうぞ*せんくら

日曜日, 8月 20, 2006

眠れぬ夜2

おとといの夕方、今年はじめてのツクツクボーシを聴きました。あぁ、夏も終わりが近づいているんだ、と実感する瞬間です。
そして、また一睡も出来なかった夜。なんとミンミンゼミたちは、朝4時前から元気に鳴いていました。ミンミンゼミの声って太陽とともにあるようなイメージを持っていましたが、違うんですね・・。上の階から、新聞配達の方が小走りで階段を降りてくる音を聞き、寝るのはもう断念。起きてせっせとDM封筒書きです。予定の半分、150通を終えたのが朝8時過ぎ。そのまま9時からの太極拳の練習に出ました。この日は参加者が少なかったため、“扇”の練習はなし。フラメンコもお休みなので、ひたすらひたすら膨大な曲の暗譜を試みます。
それにしてもモーツァルトの2楽章、暗譜しようと集中しているはずなのにどうしても眠くなってしまう!我ながら困ったものです。そんなときにはピアソラやストラヴィンスキーの練習に切り替えると、パッと目が覚める。あぁぁ。これはやっぱり、モーツァルトの「癒し効果」というものなのでしょうか・・・?

水曜日, 8月 16, 2006

8月15日。

昨日は、銀座の某スペイン居酒屋さんで食事をしてから、画廊「月光荘」へ。こじま素子さんの個展です。スペインやメキシコで描かれた絵を中心に、素敵な作品が並んでいました。しばしお話をしてから、池袋へ。東京芸術劇場内のカフェでマネージメントのIさんと10月の演奏会の打ち合わせ。その場で、二誌から受けることになっているインタビュー取材の日取りも決まりました。(発売日が近くなったらHP上でもお知らせします*)

そのあとLIBROへ行き、どっさり本を買いました。「アストル・ピアソラ 闘うタンゴ」(斉藤充正)、「ピアソラ 自身を語る」(ナタリオ・ゴリン 斉藤充正訳)、「翼のはえた指~評伝・安川加寿子~」(青柳いづみこ)、「栄華のバロックダンス」(浜中康子)、着物雑誌KIMONO姫⑤(桐生が載っていたので!)そして「風の男 白州次郎」(青柳恵介)、白州次郎「プリンシプルのない日本」・・。白州次郎さんは前々から大好き。10年ほど前に白洲正子さんに魅かれ、同時に、そのパートナーであった次郎氏もただならぬ人だったというのを知ったわけです。最近の日本の置かれている状況にからんでまたクローズアップされてきているようなので、ぜひ、「白州次郎」というひとに興味を持っていただければと思っています。
「小泉首相靖国参拝」のニュースから始まった今年の終戦記念日、いつになく、日本と世界の行く末に不安を覚えました。おもにアメリカとソ連だけを見ていればよかった冷戦真っ只中のころとは、明らかに違う不安。「正義」ということばがやたらひっかかる。戦争を知り、語れる世代の日本人も年々少なくなっていく・・・もしも、白州さんが今の日本を見たら、どう仰るのでしょうか。

そんなことを考えながらも、ずっと買いたかった本たちをやっと手に入れられたので(上に挙げた本のほかにもまだ買った。これも「デパート共通券」のおかげです~)、満足で帰宅。そうそう、LIBROでは、3000円以上購入すると家まで無料配送してくれます。

夜空に花。

13日、昨日雨で順延になった「さいたま市花火大会」に行きました。私は東京湾より、断然こっちです~というのは、荒川土手の草の上に御座しいて、寝そべって見られるから!周りには田んぼもあるし、明かりといえば通り道に沿って下げられているちょうちんだけ。川の風に頬をなでられながら、花火に集中できるんです。人出はとても多いけど、会場が広いから30分前に着いても余裕でいい場所をとれます。7時から2時間たっぷり、15000発の夜空に咲く花を楽しむことができました。2尺玉はさすがに大きい!近い!しだれる花火は美しく・・・この儚さがしびれますね。
昨日が誕生日、私の両親からのプレゼントの浴衣で行ったMickoは、初めての日本の花火に感動しつつも、程よい暗さとそよぐ風、花火の音・・・に眠くなってしまったようでした。来年は、友達の外国人たちも連れてこよう。
(photo:Micko/川から離れたあぜ道で。)

火曜日, 8月 08, 2006

望まぬ徹夜

お早うございます・・・外はまだ暗い、朝方4時半でございます。

昨夜(?)は「珍しく1時半前に寝られる~!」と嬉々として床に就いたものの、身体が妙な覚醒状態にあってどうやっても眠りに入れず。普段は墜落睡眠の私、しかも、昼間はモーツァルトを弾きながら眠さと格闘していたはずなのに・・・窓を開けてもまったく変わらないこのひどい蒸し暑さがいけないのだ!と熱帯夜に罪をなすりつけていましたが(冷房は絶対つけないので)・・・ん?そういえば、寝る直前に濃~いコーヒーを飲んだのは誰?

エスプレッソを飲んだって問題なく眠れる体質!と豪語してきた私でしたが、自信がなくなってきました。(注:エスプレッソとアメリカンでは、アメリカンの方が圧倒的にカフェインが多いそうですヨ。)せめて、牛乳を多めにしたカフェオレにするべきだったか。もはや後悔しても始まらず、悶々と苦しんだ挙句あきらめて起きてきた、というわけです。

小澤征爾さんは朝早起きしてスコアの勉強をすると、昔読んだことがあるなぁ。元NHKのK氏は、朝は4時半に起きて原稿書きをするのが習慣だ、と。できることなら私も朝型になりたいものです。きっと、仕事もはかどるのでしょうね。でも、12時前に寝るなんて絶対不可能な今の生活では、4時半起床なんて身体に悪いだけかも。。。。

ともかくもう眠れない今日は、遅れに遅れている後援会会報の原稿でも書くことにします。
デハ、また・・・

日曜日, 8月 06, 2006

夏祭りは続く


お祭り、花火の季節でございます!
今日(5日土曜日)阿佐ヶ谷へ行ったら、七夕祭りが始まっていました。パールセンター内の七夕飾りは豪華で楽しかったですが、今日見た限りでは、単に屋台と商店街のセール・・・?そういえば駅前でいつも配っている“Hot Pepper”(申し訳ないと思いながらほとんど手にはとらないのですが)、今日は唐辛子の着ぐるみさんもいました!お祭りだからなのでしょうか、いかにもHotな雰囲気をふりまきながら、子供たちに手を振ったりして・・・えらい・・・この暑さでさらに着ぐるみとは、頭も朦朧としてくるんじゃなかろか。いやほんと、見るだけで暑かった。お疲れ様です。(携帯で写真を撮るのに慣れていない私・・・あまりうまく撮れてなかった。)


フラメンコクラスを終え、池袋で、ネットでは購入できなかったストラヴィンスキー「オーケストラのためのエチュード」が入ったCDと、ソレール「2台の鍵盤楽器のための協奏曲」のディスクを買いました。(両方とも、10月津田ホールでの演奏会で弾くのに、原曲の録音をまだ聴いたことがなかったのです。)メトロポリタンプラザのHMVは行きつけ。丁寧に調べてくださったお兄さんありがとう。ちなみにCDショップでは高田馬場のムトウさんも素晴らしく、訊けばなんでも答えてくれる。プロです!「カデンツァ」というネットショップもよく使っています。


地元の駅に着けば、これまたお祭り中。パールセンターにしろこのふれあいど~りにしろ、車も通らない狭い通りというのはいいですね。阿波踊りの連、盆踊りの輪、江戸かっぽれなどがそこここで見られ、こういうお祭りをみると「日本人もやっぱり踊り好きなのよね!」と納得してしまいます。そういえば私の故郷・桐生でもこの週末は「きりゅうまつり」。桐生といえば「八木節」!懐かしいなぁ。子供のころ、夜は遠く八木節を聞きながら眠りについたっけ・・・。昔はかなり大規模だったのですが、最近はどうなっているのかな?

さて明日も続くこのふれあいど~り夏祭り、日が落ちたら、音符でいっぱいになった頭をリフレッシュさせるために盆踊りの輪にでも入ってみようかな・・・

木曜日, 8月 03, 2006

坊 啓子先生*Music&Therapy(ミュージック&セラピー)主宰

私が3歳からピアノを習い、現在音楽療法の分野でご活躍中の坊啓子先生が、ブログに私のことを書いてくださいました。先生は、私の自己形成過程の過去を多く知る方・・・今聞けば赤面の話も、結構ご存知でございます。HPにも近々リンクしますが、とりあえずここに載せます。ぜひ、訪ねてみてください。

夏の客人第2陣

8月1日から今日まで、スペイン人・マルコス君と中国人・ハインちゃんが我が家に滞在していました。そう、いつもの和室です。(なんでも、ホセルイス[以前登場しました。マルコスやミコと同郷なのです]とマルコスは、「うちの和室が2人のうちどちらのものか?!」ということでケンカしたらしい。)ハインに会うのは、京都以来1年3ヶ月ぶり、マルコスとはちょうど1年ぶりです。働き者の2人は食事後もさっと2人で台所に立ち、お皿洗いも完璧にやってくれました。

1日目の夜は、ホセルイスが出ているという、あるハイビジョンの特集番組の録画ビデオをみんなで見たのですが、ホセルイスは後ろのほうで笑っているだけで話はしていなかったなぁ。それにしてもハイビジョンをフィーチャーした番組って、少々中身が薄いような気がするのですが・・・私の気のせいでしょうか。そんなに数を見たわけではないのでなんともいえませんが、なんだか「流してるだけ」みたいなものが多くて。視聴者も、そういう環境映像的なものを求めてるんでしょうか?今回も、スペインを知ってる私たちからすると「えぇぇ?」ということを言ってたりして・・・そのうち、飽きて誰も見なくなったので止めてしまいました。ごめんなさい。

2日目はみな外に出かけたので、私は家で久しぶりにほぼ1日ピアノ漬け。ああ至福!大半をモーツァルトに費やし、夜は秋の演奏会で演奏する現代作品の譜読みにも入ることができて、すこし気分も落ち着きました。

さて2人は今朝早く新幹線で関西に戻り、そのまま飛行機で中国へ向かいました。今度会えるのはいつでしょうか。・・・そうそう、大きい忘れ物をしていきましたよ!連絡して~。

火曜日, 8月 01, 2006

夏祭り2006

29日、わがマンションの夏祭りでした*

ひと月ほど前から何回か集まりのあった実行委員会にもなかなか顔を出せず、なんだか半端に足を突っ込んでいるようで申し訳ない・・・という罪の意識からつい言ってしまった、「看板つくりまぁす・・・」の言葉を実行すべく、前日の午後はひとり黙々と、部屋いっぱいにつなげたダンボールを広げ制作していました。やり始めてしまえばノッてきて、「ここはこうしよう、ああしよう」となかなか楽しい私。こういうこと、結構好きなんですよね。ビーズとか編み物とか、細かいものは苦手なんですが、ダイナミックな創作は喜んでやるタイプ。子供のころから、家庭科でも「お裁縫」より「木工」などでトンカンやるほうが好きでした。のべ5時間ほどで、看板完成。翌朝まで、壁にはりつかせて保管です。

当日は雨の心配もなく、蒸し暑すぎることもないというお祭り日和となりました。9時前、看板を持って、いざ出陣。外に出してしまうと、部屋の中で見るより結構おとなしくなってしまい、もっと大きくて派手でもよかった!と反省しましたが、皆さんにはおおむね好評で、ほっと一安心です。4年目となったこのお祭り、ちょうちん吊り、屋台設営など、すべて手際よく進んでいきます。お昼前にはほぼ完成し、3時の開始までに有志の皆さんは食材の準備、私はイベントの司会のためのにわか準備に戻りました。
(そうそう、去年の夏の日記に登場したメダカさんを覚えていらっしゃるでしょうか?一人になってしまってからもうずいぶんになるシロメダカのアミちゃんが寂しかろうと思い、この日園芸サークルさんが無料配布していたメダカを数匹、いただいてきました。仲良くしてくれることを祈ります・・・)

2時半から、私はチケット売り場の受け持ちです。今年はお子様の姿が目立ち、浴衣を着た女性、お子様もちらほらと見かけ、夏祭りの雰囲気を盛り上げてくれていました。
5時から6時までの間は、おもに市内在住の外国人の方々をゲストに迎えた「国際交流コーナー」と「太極拳サークル」の演武で、司会役を務めさせていただきました。今回が初披露だった「太極扇」、練習の甲斐あってみんなの息もそろい、うまくいっていたのに、最後のキメのポーズでなんと私の扇が・・・スッポン!と飛んでしまいました!司会の強みで、苦笑しながら自分でフォローを入れましたが(ほんとに汗ですべったんですぅぅ)、ちょっと悲しかった(泣)!

お祭りを締めくくる抽選会では(抽選会のあいだに美味しい芋焼酎を完飲)、今年も見事、当たってしまいました*8時終了後、2杯目の生ビールを手に最上階に住むNさん宅に上がり、先ほどの太極拳をビデオ鑑賞。仕事があるから~と1時間弱で失礼し、地上に戻ったところで、またもや生ビールを手渡され、外で盛り上がっていた有志の皆さんとともにさらに一飲み。これで仕事になるのかな~と思いつつ、ここも先に失礼して部屋に戻り、しばらくソファで休憩すると酔いも醒めたので、意地でもやるぞ!とピアノ部屋に入ったのでした。就寝2時半。お疲れさまでした。
(写真載せようと思ったのだけど、どうしてもうまくいきません、ごめんなさい*)

まとめて駆け足日記・part2

20日、カナダと日本の友好を願う方々の集う「Oクラブ」のパーティーに、ピアノ演奏でゲスト出演しました。30分強、トークをはさみながらドビュッシー、モーツァルト、ショパン、グラナドス、ファリャ、ジョン・レノン(事前のリクエストのなかから「Let it be」を)、サティというラインアップでした。演奏が終わったらステージから降りて、お酒を片手にいろいろな方とおしゃべりです。久しぶりにお会いしたカラーコーディネイター・占星家の酒井尚子さんは、今回も素敵かつ自然なお着物姿でした。そして目の前に現れた、翻訳のお仕事でおつきあいのある、某・出版翻訳関係会社のCさんのお姿。あらあら?どうしてこんなところで!?・・・聞けば、なんと酒井さんと先日の「パリ祭」イベントでお知り合いになられ、誘われてやってきたのだとか。出逢いとか縁って、ほんと不思議なものですね~。ほかにも、ユニークな方が大勢!とても楽しく過ごさせていただきました。皆さまとの近い再会を楽しみにしています*

25日は、ピアニスト仲間とともにほぼ内輪のコンサートがありました。10月にまとめて演奏する予定のモーツァルトのソナタですが、この日弾いたK.576とはまだ仲良くなれていないよう・・・。打ち上げで飲みながら、8月は頑として出歩かず(といいながらも、花火大会だけはどれかに行きたいと思っていますが)こもって修行だ!気合だ!と決心しました。より早く家に着くつもりで選んだ帰宅コースが裏目に出て、秋津にたどり着いたときには、西武線の上り電車はとっくに終了。しかもこの駅にタクシーはなく(怒)、ひと駅さらに下ってそこからタクシーという、面倒なことになってしまいました。通常ルートより時間もお金もかかりながら、1時過ぎ帰宅。

翌26日、20日に知り合った某出版会社・編集長のOさんからお電話あり。朝から動いていて留守電メッセージに気づかず、かけなおすことができたのが6時、そしてお誘いの会が赤坂のカフェで7時半。帰宅したばかりのところでしたが、また速攻で用意して出発。美容家であり、最近は「品川庄司」のお一人・品川祐さんのお母様としても知られる<マダム路子>さんの講演とパーティー、ここでも驚きの出会いがあったりしつつ・・・10時ごろ退出。会場を出てちょっと歩いたところで、「オリエンタルラジオ」の藤森君に遭遇しました。確かに、テレビで拝見するより美青年でしたね。ふ~ん、普段でもああいうメガネをかけてるんだ~と思いながらそっと横を通りまして、赤坂駅へ。

11時過ぎに帰宅したときにはすでに料理の気力なく(というか、料理してたら12時になっちゃうし)、近場で外食となりました。「スペイン時間」と思えば別になんでもないのですけど、10時前に夜ゴハンにありつける日などほとんどございません、ハイ。 美容と健康に気を使う方には怒られてしまいそうですね(~_~;)>"
*スペインでの夜の食事時間は、地方によって多少差もありますが、9時半とか10時ごろからです。

金曜日, 7月 21, 2006

このひと月あまりを駆け足でpart1

あわわわ。一体いつが最後の日記だったのでしょう。6月23日の前橋でのリサイタルのご報告もしないまま、な~んとひと月近くが経ってしまいました。面目ありません!

6月23日は前橋市文化会館にて、河合楽器製作所主催「カワイコンサート」リサイタルでした。モーツァルト、シューマン、ドビュッシー、ラヴェル、ショパン、ファリャというよく知られた名曲を中心としたプログラムで、久しぶりの群馬での公演でした。600名ほどが定員のホールは満員!(市外からお車でいらっしゃったのに駐車場がいっぱいで駐車できず、やむなくお帰りになられた方もいらっしゃったそうで・・・申し訳ありませんでした)、いらしてくださった皆さま本当にありがとうございました!

7月1日は渋谷のエレクトーンシティにて開催された、作曲家・宇都宮正人さんの個展演奏会に出演し、ピアノソナタ「七夕星」の演奏と、素敵な歌曲の数々の伴奏をさせていただきました。宇都宮さんは、ウィーンの批評家をして「日本のシューベルト」といわせた、素晴らしい歌の世界を持つ作曲家。個人的には、俳句に曲をつけられた作品が特に好きでした。またぜひ、演奏会をしていただきたいです。

さてこの1日から、我が家にはスペインからの客人が2人、17日まで滞在していました。スケジュールの合い間を縫い、なんとか日光には連れて行くことができたのですが、あいにくの雨!・・・でも雨に煙る日光も、それはそれで神秘的でした。


1日目は日光山内、東照宮・輪王寺・二荒山神社などを見学。子供のころに2回は行ったはずですが、ほとんど記憶なし。おかげで(?)新鮮な気持ちでまわることができました。
2日目は雨があがったので、裏見の滝へ。(「華厳の滝」はあの“いろは坂”がこわくて断念。修学旅行で酔いまくり、歩けなくなって1人バスで待機していたという悪夢が・・)日光三名瀑のひとつだそうですがここは穴場なのか、他にはほとんど人がいず、緑のなか、水音を聴きながら少しずつのぼっていくのはとても気持ちがよかったです。滝が目の前に現れたときの感激!・・・自然の前では言葉もなくなりますね。この日はもうこれだけで、ゆっくり昼食をとって東京へ戻りました。
温泉にも浸かれたし、私にとってもいいリフレッシュになりました。(photos by José Antonio)

木曜日, 6月 29, 2006

誕生日つれづれ

あれよあれよと時が過ぎ・・・この日記もご無沙汰してしまいました。

誕生日だった17日は朝からフル回転で、寄るつもりだったアートカフェでの深町純さんピアノパーティーにも行けずじまい。私が現れるかもと思ってくださってた方、ゴメンナサイ。
最後にちょこっと寄った外国人記者クラブのバーでは、その日のライヴに出演していたホルヘに思いがけず歌でお祝いしてもらい、なんとケーキまで登場して感激!他のお客さんたちに拍手されながらろうそくをふき消し・・・こういうサプライズってとても嬉しいですね。誕生日って、またひとつ年をとった!(=余生がまた短くなった)と実感させられるから別に祝うものでもない、という声も聞きますけど、そして私自身もそんな風に思ったこともありますが、この世に生を受けたということはもうそれだけで奇跡のように素晴らしい巡り合わせであって、それを忘れてはいけないな、「誕生日」というのはそのことに感謝することを思い出させてくれる日なんだなと、今年は強く思ったのでした。“生かされている”というのは本当に有難いこと。皆さん本当に、ありがとうございます。

さてバーの壁にかかったスクリーンでは、この日は英国・エリザベス女王の“公式”誕生日ということで、大々的なセレモニーの様子が延々と生中継されていました。(イギリスの君主は、誕生日が年に2回あるんですね~。)それにしても・・・こういう世界を見てるといろいろ考えさせられます。階級って一体なんだろう、とか。よく聞く“セレブ”の世界などには、まったく憧れないし(むしろ違和感)。私の思考のベクトルはそちらには向かず、むしろ、とりあえずそれなりに安穏と生きられている自分に対する罪の意識のようなものから、どうしても逃れられない。前世にでも何かあるんでしょうか。

話は変わり ――― というか、自分のなかでは関連あるのですが ――― ただ今、関口夏央&谷口ジローコンビの力作<坊っちゃんの時代>第3部・啄木日録『かの蒼空に』を翻訳中。菅野須賀子、平塚明子(らいてう)などの「新しい女」たちが登場し、彼女たちの言葉を咀嚼し訳していきながら、その生き様に思いを馳せ、リアルな<明治>を感じています。【<坊っちゃんの時代>~凛冽たり近代 ・なお生彩あり明治人~全5巻:第1部「坊っちゃんの時代」(featuring夏目漱石)第2部「秋の舞姫」(森鴎外)第3部「かの蒼空に」(石川啄木)第4部「明治流星雨」(大逆事件)第5部「不機嫌亭漱石」(夏目漱石の死)。双葉社より。おすすめです!】
この仕事を通して、これまで私の歴史観からなぜか抜け落ちていた(学校での歴史教育にその原因の一端があるでせう)明治という時代に、とても興味を覚えている今日このごろです。

火曜日, 6月 20, 2006

メキシコに思う

ちょっと前のことになりますが、<メキシコの子供たちのためのチャリティートーク&ライブ>に行ってきました。場所は、築地のキューバン・カフェ。
第1部は、メキシコシティの路上で生きるストリートチルドレンの現実を取材したビデオ上映と、ラテンアメリカに造詣の深いジャーナリストによるトークでした。メキシコには行ったことはありませんが、音大卒業後メキシコシティに行き、そこで子供たちに音楽を教えながら活動していた友人が、「あまりにも大きな貧富の差にショックを受けた」と言っていたのが、とても印象に残っています。そしてそれは、今も変わっていないようです。

取材ビデオでは、路上で暮らす1人の幼い少年にスポットを当てていたのですが、8年後の彼の生活も相変わらず・・・いや、ドラッグなどの問題もありさらに深刻化しているようでした。追跡取材を通じて彼やその仲間と交流を持ち、この日トークで出演していた女性ジャーナリストの方が、「食べ物や生活物資を与えるというだけのよくある慈善事業は、ともすると彼らがこのまま“ストリートで生活していける”環境をつくる手助けのようになってしまう」とおっしゃり、まさにその通りだと思いました。

そういえば先日、ボリビアのモラレス大統領(ボリビア史上初めての先住民出身の大統領。キューバのカストロ議長やベネスエラのチャべス大統領と親しいといわれている)が、ストリートチルドレン23人を官邸に招待してサッカー観戦を一緒に楽しんだというニュースがありましたよね。「夢のゴールドチケットを手にした子供たち」なんていう記事もありましたが、私は読んだ瞬間に何かひっかかりを感じたものです。つかの間いい思いをさせて、またストリートに戻すのは逆に罪ではないだろうか?・・・与えるだけではなく、そのような環境に生きる子供たちが増え続ける社会構造そのものを改善していくことが大事ではないだろうか?モラレス氏が今後、どのような政策を打ち出していくのかによるとは思うけれど、とても気になってしまったニュースではありました。

さて第2部は、メキシコの音楽と踊り。スペインで時々飲んだ、なつかしの「クバリブレ」(「自由なるキューバ」という意味。ラムをコーラで割り、ライムを搾ったカクテル)を片手に、メキシコを歌い続けるベテラン、サム・モレーノさんのギターと唄、16歳の新進アルパ奏者・今村夏海さんのフレッシュな演奏、そしてルミータ&フェルナンド風間さんによる踊りを楽しみました。今村さんは、パラグアイ・メキシコなど中南米各国のアルパを弾きこなす期待のアルパ奏者。これからが楽しみです!

火曜日, 6月 06, 2006

温泉三昧


杜の都・仙台に行ってきました。東京はあまりぱっとしない天気が続いていましたが、仙台は抜けるような青い空が広がり、緑が映えてとても気持ちがよかったです。

その日は作並温泉、元湯となっている老舗旅館で一泊。夕食前、就寝前、そして早朝とお風呂に入ったのですが、なんとどのときも私ひとり!とくに朝6時ごろ行った、せせらぎのわきにある露天風呂を独占していた時間は幸せでした。この岩風呂へは、木でできた階段を90段下がっていくのですが、この木の香りがまたいいのですね。澄んだ空気のなか、鳥の声と川の水音を聴きながらお湯に浸かり、感動のあまりついつい独り言。時間が経ってもなかなか離れがたく、やっとあがったときにはちょっとのぼせてしまっていたようです。上へ戻る階段の途中で水を飲み、温泉の由来など読みながら一休み。
朝食がまた美味しくて・・・朝から名物の牛肉もふくめてお皿いっぱいの和食のあと、焼きたてパンとケーキまでしっかりいただきました。これには同席の方々もびっくり。(でも、私は朝からステーキだって大丈夫なんです~)8時過ぎに旅館を出発、9時半前の仙台発新幹線で東京に戻りました。

「はやて」で仙台を出たら、次はもう大宮。ちょっと寝てしまうとあっという間に東京に到着します。近づくにつれ、あんなに青かった空は白っぽい灰色に・・・視界から緑も消えて、街はモノトーンとなりました。「あぁ・・・また戻ってしまったなぁ」と思いながら、上野で降りるためドア付近に立っていると・・・隣のグリーン車からあの“ハマコー”さんが眠そうに歩いてきて「なんだ、まだ着いてないじゃないか」。テレビでよく拝見していたためまるで知っているような感覚になっていたのと(私の1m先に立っていらっしゃいました)、ご本人があまりに人懐こい雰囲気をされていたので、「あっハマコーさん、おはようございます」と普通に話しかけそうになりましたが、周りの皆さんもあえて知らぬ素振りをしているし、そこは私もならってそのまま下車・・・

経由した池袋で偶然見つけたA.デ・ラローチャのモーツァルト:ピアノソナタ全曲CDセットを購入し、お昼を食べてから帰宅しました。
(写真は、作並の駅ホーム。無人駅でした。いろいろな鳥の声が素晴らしい音楽を奏でていました。)

火曜日, 5月 30, 2006

魂をひらく・即興ライヴ

霧雨が降る土曜日の夜7時過ぎ、向かったのは<深町純ピアノパーティー>。深町さんは天才的な即興ピアニスト、噂には聞いていたのですが、あまりくわしいことは知らずに(すみません)会場のアートカフェへ。かなりひどい方向音痴の私はちょっと迷いながらも探しあて、お店に入ると・・・すぐそこに深町さんご本人。いきなりお話ができるとは予想していなかったのでびっくりしながら、ご挨拶。
カウンターでワインを頼み、深町ライヴに集う常連さんたちとおしゃべりなどしているうち、深町さんふとピアノの前に座り、演奏が始まりました。雨が降っているせいか、初めはピアノと静かに対話をするように、そのうち徐々に熱が入り、演奏も白熱していきました。

ライヴというものは体験するしかないので言葉では多く語れない、語りたくないといったところが本音ですが・・・胸に響く演奏のあいだには、うむっとうなづいてしまうお話、お客さんも本当に楽しんでいる様子。
少しして、初めて来た人に“即興”をわかりやすくするということもあって、お客さんに、思いついた短いメロディをハミングしてもらい、それをモチーフにして彼が即興演奏を繰り広げる、いわゆるお題拝借コーナーとなりました。これがまたおもしろい。開演前に、私がクラシックのピアニストだということがバレてしまっていたので、やはり指名が来てしまい、「いやいやそんな~」とか言っていたら「嫌がってるのにやらせちゃだめ」って深町さん。いやいや嫌がっているわけじゃないのだ、ここは典型的な(と、世間一般に思われている)クラシックピアニスト像を示してる場合じゃないぞ。
というわけで、お2人がお題を出したあと、ピアノで弾いてくれてもいいよ、というので私もついに起立。「すごくヘンなのを出そうと思って」と言ったら、「あんた鬼のような人だね!」(笑)結局ひねくれるのはやめにして、4つほどの音をつなげて弾いたモチーフから、とても素敵な音楽を奏でてくださいました。感動!

そして彼は、シンセサイザーを日本で初めて演奏した人だそうです。この日、それを久しぶりに演奏してくれるということになり、私も興味津々。70年代(だったかな)の、肩にかける大きいラジカセのような形のシンセサイザー(YAMAHA製)、はじめて見ました。息を吹くとそれが電圧として伝わり、音が出るものだそうで、「これを僕よりうまく弾ける人は、きっと、いない」とのこと。フォーレの「夢のあとに」と、三島由紀夫のあの「黒蜥蜴」のためにつくった「カタストロフィ」(女性はカタストロフィだ!ということのようです)という曲を演奏されました。すごい・・・微妙にブルーで、やるせなくなる音。これまた心を動かされました。

後半では、飛び入りパーカッションとの熱い即興共演あり、そして私まで、出て行って演奏しちゃいました(ちなみにこのとき赤ワイン2杯近く飲んでおりました)。素敵だったのが、その直後に私の弾いた曲のテーマを使って繰り広げてくれた、素晴らしいインプロ!これには皆さん、大、大盛り上がりでした。

なんとも心地よい興奮状態のまま、お別れして外へ。いまだ雨はやまず・・・しかしハイテンションのせいか、ほとんど足は浮いてました。体重が軽くなったかと。いやそれはないか。
この日の顛末は、吉岡正晴さんの<ソウルサーチンブログ>5月28日のところにも記されています。私のせんくらブログ最終日(6月3日)にも、この日のことを書く予定ですので読んでくださいね*
<写真:三田典玄さん撮影。右が深町純さん、左はライヴに誘ってくれたKellyさん。>

日曜日, 5月 28, 2006

せんくらブログ執筆開始!

みなさん、仙台クラシックフェスティバル2006(せんくら)のオフィシャルサイト内の「せんくらブログ」、私の番が早くもやってきました!28日からの今週1週間は、ハープの園城さんと私で綴っていきますので、読んでいただけたら嬉しいです。

久々スペイン映画

水曜日、大学出講のあと、東京日仏学院へ行きました。
26日まで開催されていたEUフィルムデイズ(日仏学院のほか東京ドイツ文化センター、イタリア文化会館、スウェーデン大使館の4ヶ所にて)、「この日はスペイン映画「Te doy mis ojos」(英題(仮):Take My Eyes)が上映されるのでいかが?」と、スペイン大使館のOさんからお誘いのメールが入っていて、“今日は落ち着いて練習するつもりだったし、そのうえ明日締め切りの原稿があるなぁ・・・”と一瞬は迷いましたが、練習や原稿はあとの時間にずれこんでもできるわけだし、スペイン映画に少々飢えていたところでもあったので、やはり行きたい気持ちが勝ったのでした。入場無料も魅力だったことも事実*

テーマは家庭内暴力。暴力シーンそのものはほとんどなく、その周囲を描いていくことで、逆に、その裏にある心理状態がリアルに感じられるようになっています。妻を愛しているのに、それだからこそ暴力に走ってしまい自分をコントロールできない夫、それに怯え傷を受けながらも愛しているがゆえに耐え続け、一度は彼の元に戻る妻・・・どうしようもできない双方の苦しみが伝わってきて、なぜかほとんどずっと涙が出ていた私でした。(おかげで目がはれた。)
やはりすごく泣いて、「男性にも同情してしまった」と言ったのは、この日知り合った新進アーティスト、松井えり菜さん。(フィンランドに行く前にメール頂戴ね!)ちなみに彼女の作品は今、東京都現代美術館での<カルティエ現代美術財団コレクション展>で展示されていますので、要チェック*

監督イシアル・ボリャインは、当HPのおすすめコーナーにも書いたことのある映画「エル・スール」で主人公の少女エストレリャ(成長したほう)を演じていた人。これ以前の監督作品の評価はそう高くなかったようですが、これは良い映画だと思いました。日本未公開、今のところ公開の予定はなさそうですが・・・もっとスペイン映画を観られる機会が増えるといいなと思います。

金曜日, 5月 26, 2006

レオナール・フジタ

先日、国立近代美術館で開催されていた藤田嗣治展に行きました。到着は午後2時40分ごろだったかな。久しぶりだなぁここに来るのも、なんてのん気に思いながら近づいていくと・・・なにやらのろのろとうごめく、たくさんの頭。「もしや!?」と思ったら、やはり、入館するための長蛇の列ができているのでした。生誕120年、また初公開の絵画もあるということもあってか・・・それとも、もともとフジタはファンが多いのかな。こんなこと予想してなかったよ~と思いながら、列を逆にたどっていくと、最後尾に「70分待ち」のプラカードを持った青年。しかし、ここまで来たからにはなにが何でも入らねば、いやそれよりもフジタを観たい!と、列に加わりました。

入館できたのは4時近く。案の定、中もイモ洗い状態で、入り口付近は絵に近づくことさえできません。こんな状況、外国の美術館ではあり得ないけどなぁ。それほど、美術展を見たいという人が多いのか、美術館が小さすぎるのか。ともかく、周りにひしめくたくさん人の存在はなるべく感じないようにして、絵との対話を試みます。エコール・ド・パリの時代から・・・

やはりフジタといえばパリ。モディリアニやスーチンと親しく交わり、どんな毎日を送っていたのだろう、と裸婦像を観ながら想像してみました。(何人もの女性と結婚や同棲をくり返しているから、やはり情熱的だったのでしょうね。)「三王礼拝」などでは、なんとなくジォットを思い出しました。宗教画は、私は中世のものが好きなのです。フジタといえば繊細な線と、油彩なのにまるで墨絵のような絵の印象を強く持っていたので、初めて目にした戦争画には驚きを覚えました。長いパリでの生活のあと、中南米へ渡り各国を回っていたときの画風も、色彩が力強く、感性というものは環境に刺激を受けてどんどん変わっていけるものなのだとよくわかります。その後久しぶりに日本に帰るものの、日本の美術界は彼にとまどい、結局彼は“異質”な存在のままパリに戻りそのまま定住、フランスの地で生涯を終えることになります。パリこそは彼にとって、自分が自分らしく自由でいられる安住の場所だったのですね。。。わかるような気がします。

無事、最後まで鑑賞し、おばさまたちが洋服を奪い合うバーゲン会場のようなポストカード売り場で、どうにかこうにかカードを購入し(こうやっていつも葉書を買うのですが、手紙として全部どなたかに送ってしまうので手元には残りませんが)、そのまま歩いて神保町へ。とくに目的もなく古本屋をハシゴし、最後にお気に入りの「上島珈琲」で休みました。今だけ限定メニューの胡麻ミルク珈琲、超美味ですよ!う~ん、幸せ・・・

木曜日, 5月 25, 2006

せんくら!

10月の7~9日に行われる「仙台クラシックフェスティバル2006」(せんくら)に出演します!なんとモーツァルトばかり5ステージ。のちほどこのHPでもくわしくお伝えしますが、まずはこちらで情報ゲット。http://www.bunka.city.sendai.jp/sencla/(あとでリンクも貼ります。)「せんくらブログ」では、アーティスト1人ずつにスポットを当て、出演者みずからブログ執筆を担当しリレーしていく、というおもしろい企画もあります。というか、もう始まっています!私もそのうち登場しますので、チェックをよろしく!

水曜日, 5月 24, 2006

グラシアサロン1最終回


20日、グラシアサロンコンサートシリーズⅠ<スペイン音楽はいかが>最終回公演がありました。この日は、朝からむしむしとして夏のような陽気、かと思ったら夕方から強い雨が降り出して、がっかり。それでも、その雨は開場前にやみ、ほっとしました。

この日のテーマはアルベニスの小品。タンゴ、入り江のざわめき、カディス、パバーナ・カプリッチョなどなど、ギター編曲で知られた曲が多かったためか、曲をご存知で来られた方が多かったです。オリジナルのピアノで聴くのは初めてという方も何人もいらっしゃいました。また、タンゴ世代の方は、後半に入れた「タンゴ・ミニセレクション」を喜んでくださり、今度のCDにはタンゴをたくさん入れて!というリクエストも。

休憩中のお楽しみはスペインのスパークリングワイン、カバと、素朴なお菓子ポルボロン(アル・アリモンさんどうもありがとう)。もちろん私も、ちゃっかり両方いただきました。恒例のショパンアンコールには、季節に合わせて「雨だれのプレリュード」、そしてお客様のリクエストで、予定にはなかった「火祭りの踊り」を演奏し、熱い終演となりました。ご来場くださった皆様、本当にどうもありがとうございました!
このサロンシリーズはまたⅡ、Ⅲ・・・といろいろなテーマで続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。次はどのサロンに出没しますか・・・お楽しみに!

打ち上げには、ピアノを愛する俳優座のベテラン俳優、中野誠也さんほか、初めて私の演奏会にいらしてくださった方もご参加くださり、いつもながら大変盛り上がりました。中野さんとはスペイン、舞台、音楽などについて話も尽きませんでしたが、実は私10歳のときに、彼の出演した俳優座公演を2回も観ているのです。それが私の初めての本格的演劇鑑賞で、実に強烈な印象を受けたのですが、思えばあれが私の演劇開眼でした。音楽を通じたひょんなめぐり合わせに、びっくり感激の夜でもありました。

掲載の写真は、おなじみ「ボックリ博士」中村さん撮影。

スペインパーティー


14日の日曜日。うちでスペイン料理パーティーをしました。スペインワインにチーズ、オリーブ、生ハム、チョリソー・・・これだけでも十分スペインという感じなのですが、ほかにトルティージャ、ハーブミックスサラダ、マッシュルームの姿焼き、パエリャを用意。といっても、私の担当はサラダとマッシュルームのみ。手間のかかるトルティージャとパエリャは、Mickoがお昼前からはりきって準備しました。トルティージャは何度もつくっていますが、今回はスペインのお母さんから重曹を少し入れるとふっくらする、という情報を得て、さらなる改善を目指します。

夕方から、友人たちが次々に到着。顔ぶれは、フランス人、ご両親が中国とカンボジアのハーフというフランス人、イタリア人、スペイン人、インターネットで知り合ったお友達とそのお友達などなど・・・おもしろい人たちばかり、彼ら同士はここで初対面です。
白、赤、カバとワインを空けながらおしゃべりに花が咲き、風邪で熱っぽかったはずの私も元気になってしまいました。調子に乗って、酔っているのに太極拳を披露し、終わったときには心臓が倍くらいドキドキに。「お酒飲んでるんだから、やめたほうがいいよぉ~」と言ったフレデリックさん、あなたは正しかった・・・。

10時半、皆さんタクシーを呼んでご帰宅。静かになった部屋でお皿を洗いながら、たまには楽しいなぁこういうの。またやろう。と思ったのでした。

木曜日, 5月 18, 2006

ボックリ博士の写真展

写真展の告知

いずれNewsにものると思いますが、とりあえずこちらでお知らせです。

このHPでもおなじみ、自然と音楽を愛するボックリ博士・中村さんの写真展「ボックリ博士の音楽仲間」が、県営大宮第二公園公園ギャラリーで開催されています。28日(日)までで、8時半~17時。第1、第3、第5月曜は休館です。
中村さんは去年の3月、私の演奏会にいらしてくださり、それからは皆勤でご来場のみならず、素敵な写真を撮り続けてくださっています。こちらの写真展でも、いろいろな楽器の演奏家の方々のお写真とともに、私の10以上の演奏会での写真の中から選んでくださった作品が展示されています。
会場は、大宮駅からは少々距離がありますが、東武野田線・大宮公園駅からは徒歩10分ほどだそうです。私も時間をつくって伺えるのを楽しみにしています♪

カホン買いました。

ちょっと嬉しいことがありました。ずっと前から興味を持っていた楽器、「カホン」が届いたのです!その日は顔が緩みっぱなし。カホンは、スペイン語で「箱」という意味、まさしく箱型をしていて、上に座って叩くパーカッションです。フラメンコ音楽でよく使われているのを見たことがある方も多いと思いますが。もともとはペルーの楽器。フラメンコにとリ入れられたのはわりと最近のことのようです。

カホンを習得できたらカッコいいだろうなぁ、となんとなく思いながらも数年過ぎていましたが、ついに買おうと決心したのは、東京芸大の音楽環境創造科(略して音環)で持っている演奏実技演習のクラスで、シンプルでありながら多彩な可能性のあるパーカッションを常備する必要性を感じたからです。「ついにカホンを買った!」と学生たちに知らせたら、とても喜んでくれ、口々に「カンパしなくちゃなぁ」と。たとえ冗談でも嬉しいではありませんか。さっそく授業に抱えて持っていき、前期終了までは大学におかせてもらうことになりました。今度行ったとき写真とってきます。

これで我が家にある楽器は、ピアノ、アコーディオン2台(システムの違うもの)、アコースティックギター、ウクレレ、フラメンコ用カスタネット2組、クラベス、パンデレタ、そして新顔のカホン・・・となりました。あとは、芸者さんが使っていたものを譲り受けた友人からこれまた譲り受けた三味線があるのだけど、スペインに置いたままなので今度持ってきたいなぁ。

カホンはなんとなく誰でも使いこなせる気がしてしまう楽器だけど、簡単に音が出る楽器こそ実は、奥が深いはず(ピアノがそうでしょ!)。どなたか、本格的なカホンを教えてください~!

火曜日, 5月 16, 2006

のりこさん、ありがとう


3日は、いいお天気に。ゆっくり朝食をとって、チェックアウト時間ぴったりに出発。まず、情緒あふれる石段街をそぞろ歩きです。有名な露天風呂まで歩いてみましたが、ちょっと勇気がなくて結局入らずじまい。ちょっと心残りです。近くにある飲泉所で、温泉を飲んでみました。美味しいものではないですが、確かに効きそう・・・。石段を下がり、湯の花饅頭発案のお店で、蒸したてのお饅頭を食。美味し~い。徳富蘆花など文人も通った弓場・射的場「柳香軒」にも入りました。お店のおじさんに教えてもらいながら弓矢を10本放ってみましたが1本も当たらず・・・でも楽しかったです。
その後、さらに歩きながら徳富蘆花記念文学館、旧ハワイ公使別邸、伊香保関所跡、大正ロマンの森(竹久夢二記念館、オルゴール博物館)と寄っていきました。ちなみに竹久夢二記念館は、建物がやけに立派で、この入場料は建物のためか・・・という感じがしてしまいました。

さてさて午後のお目当ては、伊香保グリーン牧場。子供のころにいったことがあるはずなのですが、ほとんど覚えていませんでした。ここではまだ桜祭りが開催されていて、いろいろな桜の花を楽しむことができました。おとなしい羊やヤギをさわったり、自然な状態で放されているかわいいウサギたちを眺めたり。観光地化されてはいますが、緑のなか動物たちと触れあうと気持ちが穏やかになりますね。そして、乳搾りにも参加!牧場のお姉さんに、今日お乳を搾らせてくれるホルシュタインの「のりこさん」を紹介してもらい、順番にしぼらせてもらいました。牧場では2時間ほど過ごしてから、帰路につきました。

帰宅は9時前。2日間だけでしたが、本当に必要な休息をとることができました。