日曜日, 9月 11, 2005

6年ぶりの再会

11日 はカルラホールへ。かつてウィーンで何度か講習を受けたことのある、シュテファン・メラー(モェラー)氏のリサイタルです。前半は十八番(おはこ)のべー トーヴェン、ソナタ「テンペスト」と「ワルトシュタイン」。幻想的に始まる「テンペスト」の冒頭から、いつも耳にしているこのピアノの音と違う!温かくて 繊細・・・「ワルトシュタイン」では、構築性と疾走感が絶妙のバランスでベートーヴェンの世界を織りなしていき、お客様は大満足でした。

後 半は奥様との連弾で、シューベルト、モーツァルト、ブラームスで楽しませてくれました。アンコールが終わってから、花束を渡したときのメラー先生の 顔・・・私がいるとは思わなかったのか、目を見開いてびっくりなさっていました。私のほうは、彼の手がとても冷たかったのにびっくりしましたが。

さ て、終演後は、経堂駅に近いカルラ組行きつけ居酒屋へ。この日は、1年ぶりにイギリスから帰ってきた友人、我らがボスMさんも一緒で、私は彼女とメラー先 生にはさまれて座り、宴も盛り上がりの予感が。メラー先生に会うのはなんと6年ぶりでしたが、そんなブランクも感じられず、竹酒を酌み交わしつつ話が弾み ました。真顔で、ちょっと斜めなジョークが飛び出すのも相変わらず。奥様も若くて素敵な方で、よいパートナーと出会われてよかった、と私は心の中で祝福し ておりました。

さ てウィーンやハンブルグなどの音楽界の状況について話していたとき、奥様のスザンナさんが「ウィーンは今、閉塞的で憂えるべき事態にあり、この誰もが認め る音楽の聖地の行く先が心配だ」とおっしゃると、メラーさんはボソッと「いやっ、ぼくはそうは思わないケド・・・」、でも奥様には聞こえてない。う~んや はり、どこでも女性は強いのか。なんだか、微笑ましい光景でした。

おなかも酔いも程よいところで、お開き。メラーさんとの再会、そしてスザンナさんとの出会いに感謝し、お別れしました。今度は、ウィーンで会いたいなぁ。