木曜日, 5月 31, 2007

チェコフィル六重奏団演奏会

昨日チェコフィル六重奏団との演奏会を終えました。いらしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

リハが少ない分、本番舞台上で音での会話に集中しながら、なんともいえない弦の響き・・・チェコの音を楽しんでいました。チェコの彼らも歌を「こねらない」というのは新しい発見でした。
そして音と音の間にある微妙な空気感。この空間が不安で「スキマを埋めたくなる」傾向のある日本人ですが、それも日本の気候風土と練習環境からして無理もないこと。湿気が多い場所では響きもにぶるし(イタリアで演奏するような音は絶対にといっていいほど出せない!)、防音室という恵まれてはいるけれど響きを殺した人工的な空間で練習することに長年慣れているから、音が出るその瞬間だけで勝負する癖がついてしまうのです。が、音が発せられたあと、その音波が空気を振動させ鳴らしているあいだの響きに耳を傾けていけば、それにあわせて出す音もかわっていくと私は思っています。だから広い空間での響きを聴けるホールでの演奏は大事だし、彼らのような演奏家とのアンサンブルでは、そういうことをあらためて思い出させてくれ、どのように空気を使うかというヒントもいただけたりします。

チェコフィルチェロ主席奏者兼コンマス(「のだめ」読者なら知っているかな?コンサートマスターのことデス)のフランティシェク・ホストさんは、ちょっとひょうきん?なのですが音色は素晴らしく、名手!ドヴォルザークPクインテット・1楽章冒頭のチェロメロディーや、アンコールで演奏した映画「ひまわり」のテーマでのメロディーなど、もううっとり。何も考えず自然に指が動きピアノで寄り添うことができてしまうんですね。アンサンブルって本当に不思議でおもしろいです。
(彼のチェロに刺激を受けて、コンサート後帰宅してからも興奮冷めやらず、やる気が出て、遅くまで趣味のチェロの練習をしてしまいました、というメールが2通届きました!)

第3弾CDもお披露目し、多くの方が手にとってくださいました。ありがとうございました!昨日を逃しても大丈夫、一般発売は6月20日予定です*

火曜日, 5月 29, 2007

第3弾CD到着

3枚目のCD< PERLA My Favorites MOZART >が、さきほど届きました!できあがってきたCDを初めて手に取るときは、やはりわくわくしますね。PERLAペルラは私の好きな「真珠」の意味。今までの2枚とは選曲もジャケットのイメージも違って、少し大人になった私がいる?かもしれません。少しでも多くの方に聴いていただけたらと思っています。
一般発売は6月20日ですが、明日のチェコフィル六重奏団との演奏会では、先行販売+終演後サイン会をいたします。先日チェコフィル六重奏団の共演メンバーとリハーサルをしましたが、やはり素晴らしい響きでした!ブラームスの弦楽六重奏曲など、彼らだけで演奏する曲目もとても楽しみです。
明日はチェコフィルのCD販売もあり、私の今回のモーツァルトアルバムもちょっぴり割引になりますので、ぜひお出かけください~*

(家の玄関で香りを発しているゆりの花。右下にあるのは、奥熊野の工房で創作活動をしていらっしゃる原秀雄さん作。石と古木には、奥熊野の自然のパワーが詰まっています。)

月曜日, 5月 28, 2007

死とは、生とは

今日の松岡農水大臣の自殺、昼食後ちょうど第一報速報に接し衝撃を受けました。ここのところ、いやな予感はしていたのですが・・・あたってほしくない予感でした。重要な位置にある人が、秘密を持ったまま自らの命を絶つ、あるいは死をもって償う。これも日本独特の現象なのでしょうか。

大臣が運び込まれた同じ慶応大学病院では、ガン闘病中だったZARDの坂井泉水さんが昨日、転落死。
ご冥福をお祈りします・・・

カンヌ映画祭では、老いと死に正面から向き合った川瀬直美監督の「もがりの森」が、グランプリ受賞。10年前新人賞を獲った「萌の朱雀」は、フランスから帰る飛行機で観たっけ。彼女の姿勢からも大いに学ぶことあります。
フランスは新路線サルコジが新大統領になって、文化とか社会的弱者とかがバッサバッサと切られていきそうな気配、一体これからどうなってしまうんだろう(あのアメリカ嫌いのフランスが今後アメリカ化していくのだとしたら・・・恐ろしすぎる!)と不安ですが、「カンヌ」はカンヌでい続けて欲しい。フランスの魂は持ち続けてくれ!

映画に関連して。北野武さんは先日、「最近の日本の流行り映画のウリは、涙と感動ばかり。“感動をありがとう”なんて、ばかじゃないかと思う」と発言しておられた。その状況はもうだいぶ前からですが、一大ブームを引き起こした韓国映画の影響なのでしょう。そういえば、最近売れる本もそういう傾向ですね。っていうかぁ(若者風)、実生活で泣け、感動しろ!と言いたくなる私は、イケメンがでてくる感動もの映画が大好きな方たちを敵に回すかしらねやっぱり。

ともかく、配給会社の方たち、いい日本映画を殺さないで!本当に世に出すべき、残すべき作品のために闘う人はいないのか。

(バスの窓から、一瞬の停車時に写メ。)

土曜日, 5月 26, 2007

久々に普段の土曜

風邪もほぼ抜けたし、今日は太極拳とフラメンコに復活!

太極拳は、48式と扇の両方とも私がお休みしている間に進んでいて、まぁ大変!と思いましたが、なかなか動きが派手でかっこいいところなので楽しく習得。一昨日の整体のせいか、足の付け根もスムーズに動いていました。

フラメンコのほうも、もちろん進んでいました。今練習の中心になっているソレアは、内に秘めながらの表現が難しい。アレグリアスなどは、まだ笑って気合で踊ればなんとか形つくようなところもあるのですが・・・。レッスンは、タコン(かかと)を入れる(かかとを打ったときに体をしっかり乗せる)練習で始まり、ふくらはぎを酷使!職業柄、あまりパリージョ(カスタネット)をやりすぎるのはちょっと危険な私は、せめて足を強化しなければ。風邪と本番でほとんどひと月つくってしまったブランク分を、早く挽回していきたいと思います。

午前も午後もたくさん汗をかいてよく動いたので、帰りの電車ではほどよい疲労感で眠気に勝てず。でもとってもすっきりして元気になりました。普段めったなことでは汗かかない私は、もしかしたら毎日このくらい身体を動かすことが必要なのかもしれません!

金曜日, 5月 25, 2007

今日は雨も楽し

また雨!という気がしますが、実は今月は雨が少なくて水不足が心配されてるそうで・・・。

そんななか、朝一番に予約を入れた横浜の整体へ。長引いた風邪に加え弱めに入っているインフルエンザに疲れた身体、そんなものにやられてしまうっていうことはストレスたまってつけ入られるスキがあったってことでして。重々わかっているからこちらのお世話になるわけですが、やはり今回は念入りに調整してくださいました。

「はい腕を“前へならえ”してください」
ぴっ(これは新しいパターンだな、と思いながら手を前へ)
「そのまま上へ上げて~」先生、背後で準備態勢に入った模様
ほいっ(次に何がくるかまだわからない私、ここまではよかった)
「ちょっと胸張ってくださいね」とすかさずバキバキッ!か、肩がぁぁ!
「うきゃ~~っ!!」。この叫び、一体どこの猿だ。
先生ったら普段はボキボキっていうことしないのにぃ・・・よっぽどだったんだなぁ。ちなみにこの施術のターゲットは呼吸器だったそうです。

鍼は左足だけにほんの2つと意外に少なめ、かわりに温熱療法みっちりやられました。これ悪いところ(その場所自体が悪いのではなく、ツボで連動しているところ)は熱く感じるのですが、もう今日は熱いのなんの!でもおかげで帰りは飛ぶように軽い足取りに。喉の痛みもなくなり、足先までほかほかでした。ありがとうございました。

池袋まで来て、お財布の中に入れっぱなしで忘れていた商品券の存在を思い出し、LIBROで「スペイン語からポルトガル語へ」の本を購入。スペイン語を始めたときも、まずは同じシリーズの「フランス語からスペイン語へ」にお世話になりました。ひとつ習得してしまえば芋蔓式にいけるラテン語系は便利。よしっ今年の語学目標はポルトガル語だ!

全て券で支払いちょっとのおつりが発生し、それを手に西武デパ地下のたいやき屋さんへ。こういう思わぬプチあぶく銭は、さっと使うべし。ウィンドーから見えるたいやきの種々を一瞥し、迷うことなく店員さんに対峙し「抹茶白玉ください!」と言えた自分が爽快でありました。といっても158円なのですが、やはり100円たいやきを買うのとは気分が違うわけよ。

すぐさま口に入れると、もっちりした皮の部分は抹茶のほろ苦さが大人の味、そして尾っぽと頭の近くにはかがやく白玉。おなかの辺りにはたっぷりのアズキ・・・美味しすぎだ。

そんなこんなでもう夕方。ゆとりある気分でピアノに向かえそうです。

火曜日, 5月 22, 2007

創るということ

行ってきました銀座と日本橋。まずお寄りしたのは津田千枝子先生の個展。とても素敵でした。
布の表情、温かさが心地よい波長で伝わってくる作品の数々。どんな着物に合わせたいかな・・・とイメージが遊ぶ独創的な帯や、繊維が生きて呼吸していることを感じさせる繊細なショールなどは、きっと身につけたらとても気持ちよく、自然と同調するかのような感覚になるだろうな、と思いました。クッションカバーやタペストリーも素敵で、こんなものたちに囲まれて暮らしたいなぁと・・・私はときどき、家にある無機質なものどもに我慢ならなくなり、全部処分したくなるのであります。

そうそうそれに関連して!今日から、もうひとつご紹介したい個展が始まってるのです。北川啓市さんの「飛騨からの木工展」。先日荻窪音楽祭で演奏会をさせていただいた、かん芸館のギャラリーが会場です。こちらでの個展はもう3年目、私は最初の年に偶然伺ってとても気に入ったので、お世話になった方やお祝いしたいお友達へのプレゼントなどを選びに毎回お邪魔しています。飛騨の木を吟味して選び、削り、磨いて・・・北川さんが手をかけて創られた作品の数々。ずっと一緒にいたい家具や小物が、今年も並んでいることと思います。27日(日)までです。〔19時まで、最終日は17時まで〕

さて次に寄ったアンドレスの陶展は、銀座ではなく日本橋でした!三越前駅からすぐの<ギャラリー開>、「おじゃましま~す」と入っていくと、お迎えくださったのはアンドレスの奥様・ゆみこさんのお父様。アンドレスの近況を、嬉しそうに教えてくれました。今年もすでにコンクールに入選し、多くの大手デパートやギャラリーから声がかかっているとのこと。今も作品創りに忙しく(売れっ子!すごいなぁ)、茂木へ帰っているそうで、残念でしたが、お父様がゆみこさんの携帯に「静香さんが来てるよ!」と電話をしてくださって、お2人とお話することができました。

スペインで自信満々でとがっていた(私にはそう思えた)あのアンドレスが、田んぼに囲まれた田舎で何年もひたむきに土と自分に向き合い、その個性を日常で使うやきものでやわらかく表現して、今多くの人を惹きつけている。絶対的に自分の才能を信じているところはきっと変わらないと思うけれど(そうじゃなきゃアーティストなんてやってられない!)、益子での修業の日々が彼のなかの何かを変えたんだなぁと、そんな気がしました。
そんな作品の数々に囲まれて、私は本当に嬉しかった。嬉しくて、お世話になっている方々へのプレゼントを買ってしまいました。私は気に入ったものに出会うと、自分のためにではなく、すぐ誰かに贈りたくなってしまう。でも今回は、自分にもひとつだけ買いましたよ!どうですこの嬉しそうな顔。とっても手にしっくりくる、フリーカップです。

おめでとうアンドレス、これからも楽しみにしてるね。

月曜日, 5月 21, 2007

「女って?」「わからない」

掏ぶにも女をという、彼のなかの女性的なものが、彼を女になれなれしく、女をさげすませつつ、しかも、この世に女がいる限り、自分はいつか立派な人間になれるというような、安らかな夢を、どこかに持たせているのだった。

――― ここ一週間くらい妙に尾をひいている一文、川端康成「二十歳」より。
彼の文体はときどきテン「、」が多いのが特徴だけど、この文章での「、」の多さ、、、

昨日は桑田圭佑「明日晴れるかな」の歌詞が、まさにそこ、というところに届いて、力づけられたりもし。
今日、不定期に出版されるアートブック「spore」 vol.4をじっくり読み返す。「恋愛」というテーマから展開された、様々な作家(小説家、漫画家、詩人、イラストレーター、写真家・・・)による瑞々しい世界。そうだ、瑞々しくてどこか痛い。恋愛って。日没直後、ベランダからの月と金星。ディアナとヴィーナス、ともに女。

日曜日, 5月 20, 2007

銀座ギャラリーでは・・・

今日は銀座で個展のハシゴをする予定でしたが、立川での予定が遅れたので先に延ばすことにしました。

今日からギャラリー開(KAI)で開かれているのは、Monande CERAMIC アンドレス モンテネグロ カバーナス 陶展。マドリード時代からのお友達・アンドレスの個展です!知り合ったのは、まだ彼がマドリード公立陶芸学校に通っていた頃。明るい髪がくるくるっとして王子様のような雰囲気で、パートナーのゆみこさんと住んでいたお部屋にお邪魔した私がおなかをすかせていると、お得意のカラバシン(ズッキーニ)のポタージュなんかをつくってくれたものでした。その後、5年ほど前に来日、益子に居を構え弟子入りして修業、4年前に独立しました。築窯した茂木に遊びに行って、ろくろを回させてもらったのは3年ほど前だったかな。その彼が、昨年国際ビエンナーレに入選し、今回銀座での個展!感無量です。27日まで(18時まで、最終日は16時で終了)やっていますので、私も必ずうかがいます。
そして銀座桜ショップでは、津田千枝子 型染め展「布の表情」。津田さんは、私の桐朋高校時代の美術の先生。普段は入れない普通科の校舎で、階段教室でスライドを使っての講義や、実技(っていうのか?)の選択授業を履修しました。この階段教室での講義で(スライド映写中は薄暗くなるのでよく早弁もした)、ジョットなどの中世の絵画に興味を持ち、ほどなくしてイタリアはトスカーナ地方に7週間滞在したときには、「これがシエナ派の!」とか1人で興奮しながら美術を観て回ったものでした。それから長い年月が経っていますが、先生は変わらずお美しく素敵です。そしてここ数年は精力的に、染めた布を使った作品の個展を数多くなさっています。いただいたご案内はがきには
「津田さんが好んで使うタッサーシルクやギッチャーなどの素材は、布そのものがすでに暖かく美しい表情を持っています。そこに津田さんが手を加えると布たちは、見違えるように輝きを増します。素材の声に耳を済ませながら、ぎりぎりのポイントでデザインと色を決める、豊富な経験と類い稀なる感性から生まれる技です。」と。
今回は、額、クッション、テーブルセンターなどのインテリア小物を中心に、小袱紗、ストールなど役100点が展示されるそうです。こちらも27日まで(19時まで。最終日は17時まで)。

荻窪音楽祭

雨で始まった今日。体調はあまりすぐれず・・・太極拳練習にも顔を出せずに、目が覚めてからもしばらく横になっておりました。咳用の漢方薬は、親戚の漢方薬局から母が買ってきてくれた「マキセリン」に変更、なんとかおさまってはいますが、もう完治したいものです。

雨は上がって夜は荻窪音楽祭、かん芸館での演奏会でした。満員のお客様が迎えてくださり、トークをまじえながら(痛めた喉のせいで声変わりしちゃってましたが)楽しく演奏させていただきました。休憩時間にはコーヒーに紅茶、クッキーのほか、オーナーKさんお手製のサングリアもふるまわれ、くつろいでいただけたようでした。終了後は、ボランティアで会場まわりのお手伝いをしてくださったスタッフの皆さんと、ホールに隣接するギャラリーで打ち上げ。採算などは二の次、とにかく音楽を楽しもう!という姿勢で地域の皆さんで協力し合って盛りあげている音楽祭・・・足を運んでくださるお客様も出演する側も、とっても心地よい場だと思います。皆さん本当にありがとうございました!(スタッフの皆さんと。黒一点?の通称「王子」様は撮影してくださったため写っていなくてごめんなさい!前列左がオーナーのKさん。)

金曜日, 5月 18, 2007

漢方さまさま

風邪発症から1週間、思いのほか長引いております。一昨日まで咳はどんどんひどくなり、特に夜などほとんど一晩中咳き込むようになり、眠れないままへとへとになって朝を迎えておりました。で、昨日購入した漢方「五虎湯」(ごことう)、飲んだそばから素晴らしい効き目!夕方帰宅して服用後ベッドに倒れこみ、そのまま3時間熟睡。あぁ何日ぶりの熟睡でしょう!昨夜も、咳で起きることなくよく寝られました。なんだ、早いとこ漢方飲めばよかったんだなぁ。ちなみに、熱を下げるなら断然「地竜散」!地竜とは、もちろんミミズのことでございます。
加えて今、私にとっての花粉症時期が始まっているのです。スギ花粉ではほとんど苦しまないのですが、ブタクサなどこれから飛ぶものに反応してしまうので、あまりぼ~っとしないように気をつけたいと思います。

さて明日は荻窪音楽祭でのコンサート!茶菓付き(ワインもありそうです!)で2000円という嬉しいお値段です*お席にはまだ少々の余裕がありそうですので、ぜひ遊びにいらしてください!お問い合わせ:かん芸館

木曜日, 5月 17, 2007

「いろいろあれば音楽にも深みが出るよね」という話

咳にも飽きてきた今日この頃。今朝も暗いうちから咳で目覚めてしまひました。

肋骨の中に痛みを抱えながら、朝一の根津の歯医者さん(1時間ほどの処置の間、あの身体にフィットする椅子?が気持ちよくて、いつもまどろみに入る私です)、恒例となっている駅のそばの珈琲館でのお昼(とっても落ち着くしランチも結構美味しい。先日食べたサンドイッチはハーブチキンにトマトにスクランブルエッグが、これでもかというくらいパンからはみ出てた)、芸大での授業、そして中野坂上のベーゼンドルファーショールームでヴィオラとの合わせ、という行程でした。
合わせの後、なんと卒業以来に会ったその友人と、お茶を飲みながら「みんな人生いろいろあるね」という話をして・・・“卒業以来”というのはものすんっごく年月が経っているわけなんだけど、会うとそんなことまったく感じなくて、学生時代に戻ったようにすんなり気持ちを割った話ができるというのは不思議、そしてなんだか嬉しいですよね。もちろん学生時代のレベルに戻っているわけではなくて、やっぱりお互いその後の年月にいろいろな経験をして少しは成長しているわけで・・・そして、決して大人ぶりして冷めたりしてない。真剣に、どう生きるかってことと向き合っているのは、つまるところは音楽とどう向き合っているかということ。頑張っている仲間と会って、咳き込みながらも元気が出たのでした。

夜は、昨日荻窪のホールのオーナーさんが「さっきお庭でとってきたの」と言ってわけてくれたセリを、お味噌汁に入れてみました。包丁で切るとパリッ、パリッと元気な音がしました!味も濃い!美味しかった~ありがとうございました*

火曜日, 5月 15, 2007

まだふわふわです

今日は雷雨が一番激しい時間帯に外出、まずは荻窪のホールでリハーサル。2時間ほど経って失礼する頃には青空が広がってました・・・
新宿、池袋で用事を済ませて急いで帰宅すると、いいタイミングでバイク便にてCDの印刷物最終色校正見本が到着。チェックしてもろもろ連絡をとり、あとは完成を待つのみです。30日の演奏会で先行お披露目となりますので、お楽しみに!
身体が温まると出てしまう咳のせいもあり、ここのところ寝つけない日が続いています。明日も長い一日・・・今夜はスッキリ寝られますように。

月曜日, 5月 14, 2007

つくばでの初演奏会

つくばアルスホールでの演奏会、無事終了しました。いらしてくださった皆さまありがとうございました!
初めて降り立ったつくば駅、とても開けていて日本じゃないみたいでした。つくばエクスプレスも初めて乗りましたが便利なんですね~。こちらのホールは、ステージと客席はフラットで絨毯びき、天井も抜けちゃってるような感じで、正直、これだと響きがすごくデッドでアンサンブルしにくいのでは・・・と思ったのですが、音を出してみるととてもよく響いて、聴こえるホールでした。
ミヨーのトリオ、モーツァルトVlClデュオ、ピアノソロショパン3曲、シューマンClPf、クライスラーVlPf3曲、バルトークVlClデュオに、トリオでのコントラスツ、と飽きさせないプログラムで、演奏するほうも楽しい演奏会でした。ピアノソロの曲目だけ変えあとは同じメンバー同じプログラムで、6月17日には護国寺駅近くの同仁キリスト教会ホールで演奏会があります。つくばはちょっと遠かった、という皆さま、よろしかったらこちらにいらしてくださいませ*

それにしても薬の威力はすごい。38度以上あった熱が、薬飲んで翌日には35度台に急降下。これはやっぱり自然なことではないでしょう。よく知られているように、熱が出るというのは身体が闘っている証拠、必要なことなんですよね。薬で無理やりおさえこむっていうのは、自己回復させないってことだから本当はよくないことではあります。今回は本番がからんだのでやってしまいましたが。。。おまけになにが原因なのか、部屋がビックリハウスのようにぐる~んと回るめまいが生じ、今朝もそれでちょっと恐ろしいものがありました。幸い電車に乗る頃にはおさまりましたが。
でもなんだか、本番終えたら風邪なんかもう治ってしまったような気がしてます。身体はほんとにゲンキンですね。

ちなみに今日13日は母の日、そして私の父の誕生日でありました(これよくバッティングする)。家族全員の誕生日を覚えているのは私だけ、というのを毎回見事に証明してくれる下山家の面々ですが、今日は父が忘れられるのを見越してか、自分でビールを買ってきて食事のときに出したら・・・まだ気づかない母に「これは美味しくないって言ったでしょ~っ」とダメだしされてしまったそうです。あぁ無情。

金曜日, 5月 11, 2007

風邪ひきです(T_T)

何年ぶりかで風邪をひきました。で、一日横になっていました。あさって演奏会本番なのに、不覚!普通なら自力で治すのですが、本番がせまってるとなるとこれ以上悪くするわけにもいかず、重い足をひきずり近くの内科医院へ。今日は1人先生がお休みでいつもより待ち時間が長いとのことで、ほとんど2時間近くを待合室の壁に頭をもたせかけて我慢したのでした。でも、そこのテレビでワルシャワの世界遺産番組をやっていて、アンジェイ・ワイダ監督も出ていたりして退屈せずには済みました。
それにしてもお医者知らず(お医者嫌いでもある)の私が、ここ3ヶ月ほどの間に4つもの科の異なるクリニックにお世話になっていて、罰でも当たってるんだわ・・・とつい自虐的になってしまう。
明日は、熱が下がっていますように!

木曜日, 5月 10, 2007

夏に思い馳せ

今朝は6時半からメール処理と手紙書き。お昼前に恒例の郵便局参りで、とりあえずひと区切り。7時半に宅急便を出しに行ったら、もう夏のような暑さ!今春3月4月はわけわからんといった陽気でしたが、はたして夏はどうなるのでしょう。湿気さえなければ、私はどんなに暑くても平気なのですが、、、湿度は敵。スペインの気温42度の夏のほうが、よっぽど楽なんです~。

スペインの夏といえば、あぁガスパッチョ(ガスの宣伝ではないよ!)、そしてオルチャータを飲みたい!「オルチャータ」っていうのはスペイン独特の飲み物で、オオカヤツリクサの球根を主成分に蜂蜜とシナモンなどを加えたもの。これ、日本でも流行ると思うんだけどなぁ、健康自然飲料だから。バレンシアで飲んだのがほんっとに美味しかった!(ちなみにメキシコでオルチャータというと、お米が主成分になるらしいです。)ス-パーでも売ってたけど、やっぱり自家製は味がまるで違うのです。ガスパッチョもしかり。今度作ってみようかな・・・でもいくら本場の作り方をしても、きっと日本では同じ味がしないのだろうな、不思議なことに。

夏のワインの飲み方といえばサングリアにティント・デ・ベラーノ・・・マドリッドでは、真夏にバルで赤を頼んだら、近くにいたオヤジさんに「夏は白をきりっと飲め」と怒られましたっけ。赤では身体があったまっちゃうとか。ほんとかな~?と思いつつも、以来結構それを守っている私です。

水曜日, 5月 09, 2007

親学の行方

ゴールデンウィークも終わり、やっとお天気も安定して風薫る5月、になってきました。

さて安倍政権が推進する教育改革の一端で出てきた「親学」ってものを目にされた方も多いでしょう。まことに申し訳ないですがちょっと呆れてしまっています。こんなことを堂々とおふれに出すとは・・・まったく成熟していないなぁという印象。逆に言えば、日本人はこんなことを言われるほどのお子ちゃま国民になってしまったってことなのか。
先日、藤原正彦さん(「国家の品格」著者)が、「言っていることは確かに素晴らしいが、これらは現象であって、大事なのはそれが本質に届いているかどうかだ」とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。本質をつらぬく眼を持っているのかいないのか、2世、3世のお坊ちゃまサラブレッド政治家さんたちはなにしろとっても頼りない。同時にちょっと怖い。國弘先生の言う「笑顔のファシズムの時代」がどこまで忍び寄っているのか、目を瞑らないでしっかりしていないと。

藤原さんはこうも言っていました。「日本人は、狼狽すると過去をすべて否定し、忘れていく」
ここ1世紀ほどに起きた3つの大きな狼狽事件のうち最後のものは、バブル崩壊。そしてこれはもっとも恥ずべき狼狽だと。そのとき誰も「たかが経済」と一喝する人が出てこなかった。
経済至上主義に躍り過ぎた末、ゆがんできた姿を何とかしようとして出てきた「親学」なのかもしれないけれど・・・自分の頭で考えないとねぇ?

日曜日, 5月 06, 2007

川端文学をもう一度

気晴らしに、NHK映像ファイル<あの人に会いたい>~川端康成~を見た。
彼の作品は、中・高時代私の胸を騒がせるものがあってよく読んだ。昨今の小説ではお目にかかれない(時すでに“平成”なのだ・・)エロティシズムや、はっきりとは表れない、しかし確実に読み取れる男の矛盾、残酷さに、“女として”目が文字を追うのを止められないのだった。
あのころは、太宰や三島を女々しいと感じてしまっていたな。それにしても三島由紀夫の「豊饒の海」はほんとうに美しい。私が日本語の美しさに目覚め、夢中で読んだ作品のひとつだ。

ノーベル賞受賞直後の対談で、三島さんが「先生の芸術には“力を入れないで力を入れる”という、無構えの境地が感じられる」というようなことを言っていた。川端さんはそれを受けて「力を入れようとするころにはもう済んじゃってるんでね。怠け者なんですよ・・」とさらり。

三島さんはこの対談の2年後、割腹自殺。「豊饒の海」に最後の一行を書き加えた翌日だったという。
川端さんはそのさらに2年後、ガス自殺を遂げた。

土曜日, 5月 05, 2007

太極拳で穏やかな一日

今朝はみっちり太極拳!眩しい日差しにさやさやと木々の葉が鳴るなか、48式もゆっくりおさらい。

毎日どんどん大きく色も濃くなっていく緑・・・花も種々咲き乱れて、生命力が充満しています。それを五感でありがたくいただいていると、一瞬無我の境地に。

畳部屋に移っての太極扇は、そろそろゴールが見えてきました。何故室内でやるかというと、一斉に扇を開くと結構うるさくて住民から苦情が出るのを避けるためです。
今日は気のせいかいつもより厳しかった先生、「静香さん、扇の高さ!」「そこ、手足の動きだけで上半身を全然使ってないでしょ~!」・・・「え~んだって先週お休みしちゃったから今初めてだしぃ」などという言い訳はしちゃいけない!休んだ自分が悪いのダ。おかげで気も引き締まり、注意されたところはしっかりインプットされました。注意されるというのは、なんにせよありがたいことです。

龍が空を翔け、水に潜り、金の珠を吐き・・という大スペクタクルが展開されるこの太極扇、夏祭りでの表演に向けてなんとかメドがたってきました。来年あたりから、剣もやれるといいんですが、それは私たち次第ですね。

写真:部屋が狭く、あんまりいいショットが撮れませんでしたが、真ん中が指導してくださっているマッキー先生です。(こんな風に呼んだら怒られちゃうかな?)

今年から、今日(4日)がみどりの日

巷はゴールデンウィーク真っ只中、こういうときこそ朝からこもって練習。ライターの安恒さんも言ってたなぁ、ものを書くにはお正月が一番はかどるって。そういわれれば、毎日数十件対応に追われる仕事関係のメールも、お正月とゴールデンウィークは見事に入ってこないものね。しかしamazonとかYahooとかMUJIとかからしか受信しないのも、それはそれで一抹寂しさがよぎりますが。

3時ごろになって、CDブックレットの最終校正打ち合わせのため石神井公園まで行こうと家を出たら、露出している肌がじりじりするほど暖かいのにびっくり!うちってホントに冷えてるのね~、だってセーター着て練習してたんだもの。
日々色を濃くしている緑がとってもまぶしい午後でした。

金曜日, 5月 04, 2007

ひそかな反逆の思い出(そして今も続く)

ウィリアム・ウォルトンのヴィオラコンチェルトを、3回続けて続けて聴いた。ヴィオラの音色の、なんと甘く切なく苦しいことか・・・ヴァイオリンの甲高い響きを聴き慣れていると、久しぶりに聴くヴィオラの音は人間的で押しつけがなく、寄り添ってくれる感じ。もちろん、ゴシゴシ・わさわさと擦り系のヴィオラ演奏もよく耳にするわけだけれど、名手(と名器)の手にかかると誰でも、ヴィオラという楽器の思いがけない素晴らしさのとりこになってしまうと思う。

いろいろな楽器の伴奏に明け暮れていた学生の頃。そんな弟子の行動はピアノ実技の担当教授を大いに心配させることはわかっていながらも、ひとり短大のほうの校舎にある視聴室へ行っては弦楽器や管楽器の曲ばかりを借り出して聴き、図書館ではレヴィ=ストロースやらドゥルーズやらといった哲学本を開き、小劇場で行われていた演劇科の試演会にも潜りこんだりしていた。スターシステムで名高かった学校の色にうまく染まっている仲間たちを横目に、自分は外れ者なのだということはなんとなく認識していた。
そんな生活を送っていたのは、ピアノという楽器を「ピアノ的」に弾くことへの反発が根本にあるような気がする。協奏曲のオーケストラ部分の伴奏や指揮伴(指揮者の練習のために、基本的にはピアノ2台でオーケストラ曲を演奏する)を通して、この弦のレガートを、ピツィカートを、チェロの音色を、ホルンのあたたかい音を、ファゴットのおどけた表情を、どうしたらピアノに移して鍵盤で表現できるだろうか?とそんなことばかり考えていたのだった。

そして今、自分の録音したモーツァルトを聴いている。きっと、いわゆるピアノ道を真っ当に進んできて生まれたモーツァルト演奏ではないと思う。世の人たちは、はたしてどんな反応を示してくれるのだろう。

木曜日, 5月 03, 2007

カルメン・ブラーボ女史の訃報

北千住でリハーサル中に、バルセロナ在住のピアニスト友達・羊子さんから電話が入っていました。
カルメン・ブラーボ女史が亡くなられたという知らせでした。もう3日前のことで、ご葬儀も終えられたという話を聞き、しばし魂が抜けたようになってしまいました。

カルメンは孤高の作曲家フェデリコ・モンポウの未亡人で、モンポウの芸術の最大の理解者であり、その世界を伝えるべく心血を注いだ方。ピアニストでもあった彼女には、モンポウの作品演奏を数多く聴いていただきました。音の質や色や温度や情景を、妥協のゆるさない心の耳で、目を閉じ集中して聴いていらした姿が今でもありありと瞼に浮かびます。
80歳を超えてスパスパと煙草を吸い、仕草や話し方もとてもチャーミングで、モンポウの音楽について語ったりレッスンしたりしているときは時間を忘れてしまうものだから、その場にいる若者たちのほうが先に音をあげてしまうほどのエネルギーでした。先立たれて長い「モンポウ」というひととその芸術を、なによりも愛しているのが強く伝わってきて、素直に感動したものでした。

カルメン先生ほんとうにありがとうございました。今ごろは、最愛の夫マエストロ・モンポウと20年ぶりに再会することができて、少女のように微笑まれていることでしょう。安らかにお眠りください。モンポウの音楽、きっと伝えていきます・・・・

火曜日, 5月 01, 2007

日付が変わる前に

ここのところの不思議な生活リズムのせいで、ヴィオラ協奏曲のオケ部分を譜読みしていたら朦朧としてきました。気がついたら鍵盤に突っ伏していた。ので、今日はおとなしくピアノ部屋から撤収。

昨日の飲み会では、焼酎をロックで5~6杯、しかし帰って「飲み足らないな~」と言ってしまった自分がこわい。お酒を味方につけるか呑まれるかは、自分次第+相手次第ですよね。昨日はなかなか調子よかったようです。
ほとんどの方と初対面でしたが、名カメラマンNさんは大のクラシック好きで、しかも私の憧れだったお姉さんピアニスト久乃さんを個人的にご存知だったし、お仕事を抜けていらしたKさんは今私が通ってる根津のW歯科を知ってたし、近くに座ってたお三方とは「萩尾望都好き」で盛り上がるし、ミュージシャンCくんは私も乗換えでよく通る新秋津駅前で時々ストリートライヴをやってるっていうし・・・絶対なにかしらがつながるものなんですよね。

今日は突然O氏に「有楽町に来られるか?」と呼び出され(この方はいつも突然である)、国際フォーラム近くの創作ダイニングでランチをとりながら、これからの“企み”についてお互い思いつきをまじえながらおしゃべり。揚げたてのまぐろ竜田揚げはボリュームたっぷり(しかも安いっ!)、そしてビールがまぁ美味しかったこと!昼からビールはスペイン生活を思い出すなぁ。そして今日もまったく酔わなかった。
帰り際、「下山静香は不滅なんだから!」と背中を叩かれ・・・波乱万丈あったO氏なりの励ましが心に沁みたのでありました。