金曜日, 8月 31, 2007

スペインへ行きたい!原画展

夕方スペイン大使館へ、今日から館内で開催されている、中内渚さん著「スペインへ行きたい!」の原画展&プレゼンテーションです。下の写真は、中内さんと原画の前で。私はカバ(スペインのシャンパン)のせいですでにピンクになりかけてます)
この本は、中内さんがイラストと文章で案内するスペインのガイドブック(メイツ出版)。オールカラー、毎頁に中内さんが実際に旅して感じた生きた情報が満載で、旅を楽しんでいる様子もあふれてきて、まさに「行きたい!」と思わせるものです。

載っている場所の多くは私も訪れましたが、やはり長く住んだところは思い出も多く、マドリッドのラス・ベンタス(闘牛場)では財布をすられて途中から闘牛どころじゃなくなったこと、レアルマドリードがヨーロッパカップ優勝したときにベルナベウ・スタジアムでのお祭り騒ぎに参加したこと、ムセオ・デル・ハモン〔有名な「ハム博物館」という名のバルレストラン〕ではビールを1杯ひっかけの立ち食いランチをしてから(無口な店のオジさんが、特別に他の人とは違うつきだし~パエリャとか~を出してくれたりした)ピアノの練習に行ったっけ、などなど・・・次に移り住んだバルセロナでは、・・・あぁもう胸が一杯で書けないわ。

私のスペイン話はそのうちまとめてなんらかの形で発表したいと思っていますのでこうご期待。

この原画展、13日までやっています(10時半~19時、土日は閉館)。やはり原画での色は、本に印刷されているのとは違いますので、お近くに行くことがあったら是非観てみてください!入場無料ですよ。

水曜日, 8月 29, 2007

使えない図書館

昨日の話にはまだ続きが。

「封筒、コピー、カミソリ」まで終わり、最後の用事、図書館に行ったときのこと。

「レコード芸術」9月号に私のモーツァルトCD「ペルラ」評が載っているというのを、コンサートコーディネーターY氏からのメールで知り(私はあまり評を気にしないタイプなので、こうやって偶然知ることができるときもあれば読まずに終わることもある)、聞いたからには資料として持っておこうかと思ったわけです。が、すでに10月号が発売になっているから書店店頭にはない、図書館ならバックナンバーも今すぐ閲覧できるだろうと思ったのに・・・ (*注:後になって、今店頭にあるのが9月号だと判明。原稿の〆切がその号が発売されるひと月前の20日前後なので、それと混同してしまったのでした。だから普通に本屋さんに行けばよかったのだ。失礼しました!)

なんと、わが市の図書館には「レコ芸」どころか、クラシック音楽系の雑誌を置いていなかった!需要がないからだとすると、すなわち、文化度が低いってことではないか?いや、需要がないから置かないという姿勢自体が、この市の文化に対する意識の低さを物語っているのでは?それとも、この状況はどこも似たり寄ったりなのかしら?・・・がっくりです。
しかしがっくりしているだけでは何もならない。行動あるのみ、まずはリクエストを出すことにしよう。そして、まともなホールもないこの地域で何か面白いイベントを興してみよう!

ちなみに、上記の件を嘆いたらK氏がさっそく雑誌をゲットし、コピーを宅ファイル便で送ってくださいました。ありがとうございます!

火曜日, 8月 28, 2007

「すべては、実質の問題だ」

今日は朝から、元気一杯で事務をこなしました。ひとしきりデスクワークが終わると、運動がてら外へ。自転車のペダルに合わせて、「封筒、コピー、カミソリ、図書館。封筒、コピー、・・・」と忘れないように唱えていた私。そのうちに、ランナーズハイではなく単なる暑さボケのために無我の境地になり、ふと自分の言っている言葉に耳を向けると、いつの間にか「封筒、コピー、カミナリ、図書館。・・・」となっていました。
「あっ!・・ぷふっ」
もう一度挑戦。「封筒、コピー、カミソリ、図書館。封筒、コピー、」・・・  しかしまた気づくと「封筒、コピー、カミナリ、図書館」となってるのだ。なぜっ?ぬぉぉ!とムキになり、3度目の正直とばかりに再度トライしましたが、「2度あることは3度ある」にしかならなかったのでした。敗北。

まずA4封筒を100枚ほど買い込み、ついでにその下の階の書店へ。市内では結構大きくて、品揃えもある本屋さんです。カウンターで
「“安吾マガジン”というのが最近出たと思うんですけど、」と言うと、
「“暗号マガジン”ですか・・・ちょっと聞いたことないですが・・・」
「いえ、“安吾”です。坂口安吾のアンゴ」
「アンゴ・・・」
と復唱しつつも、耳慣れない言葉に不安を隠せない雰囲気の店員さん。もしや、坂口安吾を知らないのか?!うっそー。彼女がパソコンで検索するも手こずっているのを見たもう一人の店員さんが、応援にやってきました。そこでまた私は前述のやりとりを繰り返すハメに。
「アンゴウじゃなくて、坂口安吾の、アンゴです!」
と語気も荒くなったりして。一体ここはどこだ。書店ですぞ!
結局パソコン上で見つかり、
「8月10日に発売されてますね。・・・あぁ、ここにありました!失礼いたしました」と、棚から取り出してくれたのでそのまま購入。なんだあるんじゃん。
・・・いやぁ、これはちょっとしたカルチャーショックでしたね。

ちなみにこの本、イーストプレスから出版されていて、巻頭の特別対談は町田康X坂口綱男。小説家・ロッカーの町田氏については説明の必要ないでしょう、綱男さんは安吾のご長男、写真家で、私のセカンドCD「ファンダンゴ」ジャケット写真を撮ってくださったカメラマンさんなのです。(当ブログのプロフィールにある写真も彼の撮影です!)
堕落論、続堕落論、日本文化私観、風博士、白痴、桜の森の満開の下・・・と名作がずらり読めてしまうのもお得。中上健次氏の評論も掲載されています。
安吾ファンのみならず、安吾入門にもぴったりなので、ご興味ある方は是非。

去りゆく夏

昨日は朝からスタジオへ、フラメンコ発表のリハーサル。
当日の衣装を自分用に直すため持ち帰りとなり、すでに楽譜、録音用マイク、シューズ2足、着替えなどが入っていた大きなバッグはすご~く重くなりました。このバッグは海外旅行のときの機内持ち込みに使っていたもので、とても久しぶりにずっしりと肩に重みが・・・あぁ身体がゆがんでしまう。(コロコロのついたケースは、先日タイヤがひとつとれて使い物にならなくなったのです)2時過ぎスタジオを出て、お昼抜きで弾き合いの会へ。1時間半演奏。
深夜の帰宅となり歩いていると、そこここで蝉が臨終を迎えていました。
もう夏も終わりですね。聞こえる鳴き声も日毎に遠くなっていきます・・・・

日曜日, 8月 26, 2007

サルサ初体験

金曜日は六本木にて、友人の誘いで初のサルサレッスンを体験。季節ごとに集まる同世代・異業種の友達との食事会の前に、30分だけとりあえず基本ステップでも・・・のはずだったのですが、1人の到着が遅れるということになり、サルサ初心者ながらさらに続けてレギュラークラスへ残り、思いがけずペアを組んでのターン練習もすることに。適当に踊っているようにみえて(そんなことないですよね、すみません)、身体の芯とか体重のかけ方とかちゃんとあるんですよね。楽しくて、気づいたら1時間半が過ぎてました。

いやぁそれにしても、初対面の男性と組んで踊るっていうのは・・・どこを見ていいのでしょか。あちらのお顔ったら表情ないし。微笑んだら誤解されそうだし。(こういうのスペインでは自然にできたのだが・・・。)慣れてきたら目をあわせられるんだろうケド。それにしても、熱心に習いに来ているのはラテン系バリバリな雰囲気の方々ではなく、真面目そ~うなおじさまとか。意外にいらっしゃるのですよ。踊り方も真面目なの。いや、真面目大いに結構、そんな方が、実はサルサ踊れて、そのうえリードが上手で女性が自然に踊らされちゃったりしたら、かなり株上がりますね。

六本木に用事があるときは、ときどきレッスンに顔を出してみよう!と、またまた新たな世界に足を突っ込んでしまったのでした。

木曜日, 8月 23, 2007

雨までの夜

眠れない日が続く。
眠らなくてはいけない、と思っているわけではないのだけれど、何故眠くもならないのか理解に苦しむ。

東京裁判で被告全員の無罪を主張した唯一の判事、少数意見を貫いたインドのパール判事にスポットをあてたドキュメンタリーを観る。

さえた頭を抱えてとりあえず横になっていると、外から若い男女の言い争う声が聞こえてきた。
午前1時40分。

「裏切られた」「追い詰められたから」「仕方ない」などの単語が聞こえる。どういうわけか、この部屋は窓を開けていると外の声が丸聞こえなのだ。男が女を責めているらしく、早口でたたみかけるように「なぜだ、なぜだ」と問い詰めている。そのうち、女がしゃくりあげ始めた。涙声での応戦。

午前2時過ぎ。
筋萎縮の病気に苦しみ、安楽死を希望して実際に医師の注射により死亡した方のドキュメンタリー。スペイン映画「海を飛ぶ夢」を思い出した。
文楽のエッセイ本を読み終わり、チェンバロ、フォルテピアノに関する厚い本を開く。

午前4時。
今朝は蝉の声が聞こえない。
新聞配達と思われる足音が、遠慮がちに階段を駆け上がっていった。

サーッと前ぶれもなく雨音が走り、ひんやりした風が吹き込んできた。

午前5時52分。風は雨の匂いと、枕元の白檀の香りを運んでくれる。この感覚、この匂いを待っていた・・・私は救われたように雨を求める。これで束の間、何も考えずにいられる。


午前6時半。
全ての窓を開け、蝉時雨の代わりに優しい水の雨を聴く。武満を弾きたくなった。

今日のこよみは、処暑。

水曜日, 8月 22, 2007

楽しくエコ生活

猛暑が続いています。昨夜、文楽のエッセイ本を閉じてさぁ寝よう、と思った1時半に、突如ミンミンゼミが鳴きだしたのには驚いた。

しかし私はこの夏、家でほとんどエアコンをつけることなく結構快適に暮らしてるのだ。就寝時にエアコンなんてあり得ないです。まぁこれは、寝室のエアコンが入居時に取り付けたままの古いタイプで音が煩いからということもあるんだけれど。それに、噴出し口からカビの胞子が飛んできてしこたま吸い込むんじゃないかと思うと・・・想像力豊かな私は見たこともないわが肺の内部を思い描き、恐ろしくてとてもスイッチ入れる気にならない。

正直言うと、ピアノの部屋だけは時々、少し冷やします。楽器の練習は肉体労働だし、ぼーっとしてしまったら集中力も落ちるので。でも、一旦冷やしたら除湿モードにしてることがほとんどで、昼間は窓からの自然光のみで、電気もつけない。居間で仕事するときは、風のない酷暑日は窓を開けるのは逆効果、厚いカーテンも閉めて、外からの太陽光と温度を遮断するのであります。そうすれば、ほとんどエアコン要らず。掃除や散歩で汗をかいたら、さっとシャワーしただけですぐ涼しくなり、そのたび着替えるTシャツやタンクトップが、これまた肌に気持ちいいのです。

やっとエコロジーに対する意識が全体的に高まってきて、みんな節電や節資源を心がけているのはいいことですよね。今切実な電力不足もあって、どこにいっても冷房の設定温度がとても高くなってるけど、本来はあれで十分なのだ。

以前は、キーンと冷えされたデパート(店員さんはみな、長袖ブレザーなんかでしっかり防備してたじゃないですか)や電車で寒い!とまで感じ、外に出た瞬間、今度は猛烈な熱波に襲われてその温度差に身体がついていけず、結局は夏バテを冗長・・・という悪循環を考えると、実にいい傾向であります。私なんか、夏は手放せなかった長袖カーディガンを、ここのところ持つ必要がなくなったもの。

さて今日は気晴らしに、日が落ち始めた時間に某図書館へ。東野圭吾、恩田陸、角田光代など最近の流行り作家さんの本をパラパラ。図書館って静かでほんとにいい。BGMという押しつけサービスもないし。1時間以上を過ごし、小川洋子「やさしい訴え」を速読。小説を速読なんて失礼な・・・。チェンバロとラモー作曲「やさしい訴え」を軸に織りなされる物語、あとでちゃんと読み返します。

火曜日, 8月 21, 2007

山口小夜子さん

山口小夜子さんが亡くなった。平成生まれの人たちにはピンとこないかもしれないけれど、彼女は70年代、日本の女性の美を世界に知らしめ認めさせたトップモデル、さらに「山口小夜子」というまさにモデルを超えた表現者だった。
彼女の表現精神は、“パンク”。本人がそういっておられた。「東洋」で勝負すること自体が、あの時代パンクだったのだ。彼女のようなモデルは、あとにも先にも存在しないと思う。
そんな彼女が、57という若さで孤独死。名前のごとく、孤高の月のようにひっそりと逝ってしまった。
やりきれないけれど、その姿は美しいまま、記憶されていくことでしょう。

月曜日, 8月 20, 2007

眠れぬ夜(という曲がありましたね。by オフコース)

暑さだけなら結構平気なのに、湿気には息が詰まって、酸素欠乏のようになってしまう。昨夜も寝つけませんでしたが、今日もだめ。というより、身体が完全に覚醒していてまったく眠気を催さない。おまけに、昨日寝違えたらしくて首の筋がとっても痛いんです!で、横になるのが大変、身体を起こすのも大騒ぎ。なんとか寝てみようと1時間ほど奮闘しましたが、あきらめて起きてきたというわけです。きっとこのまま徹夜。

今夜はある送別会があって、すすめられるままに焼酎をロックで3杯、4杯・・。お酒を飲むとそのたびに脳が縮んでいく!というのはわかっているのですけどね。今朝もTVでの脳科学者たちの対談でそんな話が出て、やっぱりお酒はちょっと心を開かせる1杯で十分だなぁと。お酒なくたって、なんの問題もなく生きていける。もっとも、「お酒がなくては生きていけない」になっちゃったら問題か。とにかく、お酒は楽しくないとね。脳ミソを痛めつけてしまうんだから、せめて笑って、脳から身体によい物質を分泌してバランスをとらないと。

水曜日, 8月 15, 2007

初舞台

今日は、新宿西口の地下で行われていた夏祭りにてフラメンコの初舞台。高田馬場のスタジオで、カンテとギターの方々と軽く合わせてから新宿へ。会場は、低い天井で空気が動かないうえ、近くの屋台からの熱気で、ぼ~っとなるほどの暑さ。フラメンコ舞台メイクとかつけまつげとかシージョの着け方とか・・・はじめてのことばかりで、仲間のみんなにいろいろ教えてもらいました。肝心の踊りのほうは、、、たとえ頭が働かなくても身体が自然に動くくらいに入っていないと、いざというときだめなんだなということがよくわかりました。やっぱり本番は大事、重要で基本的なことに気づかされますよね。とにかく、初めての発表会の前にこんな経験をさせていただき、ありがたかった。練習練習。

日曜日, 8月 12, 2007

河童

ただ今ロードショー中の映画「河童のクゥと夏休み」。これ、舞台が私の住む街・東久留米なのです。原作「かっぱ大さわぎ」の作者・木暮正夫氏が東久留米在住だったそう。で、私がいつもお散歩してるようなところがたくさん出てくる。らしい。当ブログにも写真で何度も登場する“黒目川”で、クゥが拾われるの。私も知らなかったのだけれど、東久留米は河童伝説が多く残るところなんですって。映画の監督は、藤子アニメや「クレヨンしんちゃん」で知られる原恵一さん。群馬出身と知り、俄然親近感が。(群馬県人は、“上毛かるた”という子供時代共通の思い出を持っているはずなのだ~)私は観てないですが、なかなかよさそうなので、夏休みの親子で映画鑑賞にチョイスしてみてはいかがでしょうか?


さて、以前書いた、武蔵関の踏切の高飛車看板。昼間に通ったので、撮ってきました。

金曜日, 8月 10, 2007

NG

午後一の蝉しぐれの中、後楽園の某スタジオへ赴きフラメンコの個人練習。自分の足さばきの不器用さに唖然としました。始めて2年も経って、やっとこんなこといってる有様。私って、なんにしても本番がないとダメなんだ、ということがよくわかります。。。

さて昨日「ウン十代男性のダメさ加減・・・」などと書いてしまい、ウヌッ何をこしゃくな~と憤慨なされた方もいらっしゃるかと思います。補足しますと、、、データベースはTさんと私に言い寄ってこられた方々のみ、テーマも限定なので、一般的な話じゃないですよ。
たとえば私の話でいえば「何かを得るためには何かを捨てなければならないんだよ」なんて台詞が、見事にもっともらしくそのウン十代の方々から出てきたのであり、このフレーズを聞いただけでドン引きなわけです。一気に酔いも醒め最後の情けも消えるです。そんなことが真理と思ってるなんて、きっとそうやって生きてきたんだなぁ。大体、人生何をもって得るとか失うとかいうのか。・・・日本の古典でも読んでいただきたい。
20代の私は、こう言われてまともにうろたえ悩んで身体を痩せ細らせたけれど、今なら「私には、(あなたのいう)得るものも捨てるものもありません。」
とまぁそういう次元の低い話だったのですから、女性に対してそんな言葉をはいていない殿方たちはどうぞご心配なきよう。

1日の終わりは職質で

今日は平井丈一朗先生プロデュースの夏のコンサート、チェロのTさんとシューマンの幻想小曲集で出演。終演後は新宿のイタリアンに寄り、マスカット香るスパークリングワインを飲みながら、お互いの恋愛体質を語る。それでもってウン十代の男のダメさ加減とか、60代になると程よく大人だからまぁそれもかわいく感じるよねとか、言いたい放題。あぁごめんなさい殿方たち。最近、そう言いたくなるよなことが多くて。

12時過ぎ、自転車で家に向かっていると、後ろからスピードを落とし近づいてくるバイクの気配。すわ、痴漢かひったくりか!どうやって退治してやろうと冷静に臨戦態勢に入っていたら、すーっと横につけたのは白バイだ。「はい、止まりなさい」・・・やれやれまた職質か。
点いたり消えたりだったライトが、とうとう点かなくなってしまったから、無灯火を叱られるんだろうと思ったら、「さっきバイクと走ってたよね?」と厳しい口調。そういえば、私の前をバイクの男性と手をつないで走っていた子がいたな。その背中丸出しで短め茶髪の女の子と、背中隠れてて髪長くしてる私を見間違えたのだった。そんなの間違えるなって!すぐに疑いは晴れ、謝っていただいたけれど・・・なぜこうも職質にひっかかるかなぁ。

水曜日, 8月 08, 2007

白州正子を読んだ後で

ブログってなんだ?
・・・中途半端な日記風独り言行為に多少の嫌気がさす。結局、いくら本音の影を行間にすべりこませたって欲求不満なのだ。ここにだって、言いたいことを書いては消去、消去・・・。
それに、すべてのエッセイは自慢話だって、誰かが書いてたっけ。
やっぱり、目の前の生身の人しか信じない。
それでいいじゃん。mixiもやらない。

火曜日, 8月 07, 2007

水を考える

銀座線に乗っていて、ふと白川義員さんの写真展のことを思い出し、銀座で下車。松屋へ。

白川さんは一貫して、地球再発見による人間性の回復を探り、ときには死と隣り合わせの危険を冒しながら、写真家として一点の妥協も赦さないお仕事をなさっている。今回は、アフリカでの撮影を終えたばかりの「世界百名瀑」(「世界百名山」も含め、そのお仕事の一部がドキュメンタリーとなったNHKスペシャルの折には、私も録音で参加した)。 秘境のなか、ジャングルの奥・・・圧倒的な地球の営みを呈する知られざる滝が世界には数多く存在するが、白川さんの今回の偉業によって私たちもその姿を垣間見、人間の力など到底及ばない、畏れるべき自然に思いを馳せることができる。

「人類にとって一番大切なのは、水」。環境を汚染し続ける現代の我々への警告をこめるべく、白川さんは品性高い滝、“語る”滝を求めて世界中を飛び回った。「水は生きている」、この白川さんの実感は、とても重要なキーワードのように思う。今、巷は水ブーム。人間の身体の6割は水でできている・・・そして、人間が生かしてもらっている地球は水の惑星であり、その“水”は、実はまだまだ未知の奥深い世界なのだ。
ブランド水に大金をつぎ込むのもいいけれど、世界には、きれいな水も口にすることができずに死んでいく子供たちがいることも知っておいたほうがいい。そして、石油が枯渇する前に水が枯れる、そんな末路を迎えないために、考えなければならないことがあるのでは。

日曜日, 8月 05, 2007

高原で薪能

金曜、特急あずさで小淵沢へ。人生最初におつきあいした人の家の別荘がある(年上で、しかも音楽なんてカタギじゃないことやってるってことでお母様に嫌われてたようで、行ったことはない)ってなことを思い出したりしながら、なんとなく車中の2時間が過ぎる。まぁ、たまにはぼ~っとするのもいいか。

目的は、身曾岐神社で行われる「八ヶ岳薪能」。演目は「清経」と「船弁慶」、間に狂言「呼声」。

この薪能は、古神道の流れを汲むこの神社の大祭前夜の宵宮のため、神事としての荘厳な雰囲気がある。池の上に建てられた能楽堂は、日本随一とか。そういえば当夜の2演目はともに、水(海)が関係する能。奏演中、ときどき鯉が音を立てて水面にはねてたりするのだった。
私の席は舞台から少し遠く、演者の細かい動きなどはよくわからなかったけれど、徐々にかわっていく空の色とか、風に揺れる篝火なども含めて浸れるのが、野外で行われる薪能の醍醐味でもあり。周りの木々からは蝉の声、虫の音・・・。
世阿弥作の「清経」は、やはり素晴らしかった。「船弁慶」は有名で(クライマックス「そのとき義経、少しも騒がず~」)わかりやすいけれど、ちょっとウケねらいも感じられるなぁ。でも静御前には名前つながりで昔から親しみを覚えているので、つい感情移入。(私の前世もしくは先祖には、白拍子がいるんでは?と思ってるのだ。)
それにしても義経は24人もの彼女がいて、静御前は結構下のランクだったなんてきくと・・・やるなぁ義経。

翌朝は道の駅で、元気そうな高原野菜や今まで飲んだ中でダントツに美味しい豆乳をゲットして、帰京。そのままフラメンコクラスへ。
さて私のフラメンコ初舞台は、9月イイノホールの前に某デパート屋上でのイベントになりそう。しかもいきなり、10日後だ!

 

金曜日, 8月 03, 2007

長い一日

朝早起きしてピアノに向かい、お昼は浜松町へ。O氏と打ち合わせがてら、貿易センタービル39階でランチビュッフェ。意外にかわいく見える東京タワーと増上寺を望みながらの落ち着いた食事、なかなか美味しかった。

その後渋谷に移り、次の待ち合わせの時間まで思い立ってBunkamura「ルドンの黒」展。一時期、ルドンやブレイクが好きで、幻想的な色彩の印象が強かったのだけれど、今回の展覧会は「ゴヤの黒」とともに語られることも多い「ルドンの黒」の世界に焦点が当てられている。思えば、“ゴヤの黒”体験は強烈だった。もう10何年前のこと、四大版画集当てに八王子の富士美術館まで出かけていったんだった。あれはスペインの黒。何かを創生しそうなルドンの黒とは質が違う。黒の表情というものを、あらためて感じなおした。

5時、KホールのA氏から印刷物を受け取り、ついでに、道玄坂上・穴場の中国茶のお店を教えてもらう。渋谷で時間をつぶさなければならないとき、場所探しに苦労するのだけれど(もうスXバとかドXールとかは飽きてるし、まず混んでる)、ここはいい!一人でも落ち着けるし、中国菓子も本格飲茶もあるしね。なんとかいう高級烏龍茶、1800円が特別に1000円となっていて、ついついその太っ腹な割引につられて注文。中国茶の勉強したいんだよね、と言うと「中国茶はハマると奥が深くてこわいぞ~」と脅かされる。

次の予定は自由が丘、ミュージシャン・写真家の中松義成氏ソロライブ。ライブ前に、奥沢駅近くのお好み焼き屋さんで注文したお料理を待っていると、隣の隣テーブルに井筒監督とお連れが着席。お近くに住んでるのかしら。軽食のつもりが、4人とも結構しっかり食べてしまい、開演予定時間を少しオーバーして会場に到着。ライブはラジオのために収録されていて、ボサノバ調の癒されるオリジナル曲弾き語りをくつろいで聴く。ご本人もおっしゃってたが、唄うお声は意外に高いのであった。
終演後お話して、1時帰宅。ふう。