火曜日, 6月 20, 2006

メキシコに思う

ちょっと前のことになりますが、<メキシコの子供たちのためのチャリティートーク&ライブ>に行ってきました。場所は、築地のキューバン・カフェ。
第1部は、メキシコシティの路上で生きるストリートチルドレンの現実を取材したビデオ上映と、ラテンアメリカに造詣の深いジャーナリストによるトークでした。メキシコには行ったことはありませんが、音大卒業後メキシコシティに行き、そこで子供たちに音楽を教えながら活動していた友人が、「あまりにも大きな貧富の差にショックを受けた」と言っていたのが、とても印象に残っています。そしてそれは、今も変わっていないようです。

取材ビデオでは、路上で暮らす1人の幼い少年にスポットを当てていたのですが、8年後の彼の生活も相変わらず・・・いや、ドラッグなどの問題もありさらに深刻化しているようでした。追跡取材を通じて彼やその仲間と交流を持ち、この日トークで出演していた女性ジャーナリストの方が、「食べ物や生活物資を与えるというだけのよくある慈善事業は、ともすると彼らがこのまま“ストリートで生活していける”環境をつくる手助けのようになってしまう」とおっしゃり、まさにその通りだと思いました。

そういえば先日、ボリビアのモラレス大統領(ボリビア史上初めての先住民出身の大統領。キューバのカストロ議長やベネスエラのチャべス大統領と親しいといわれている)が、ストリートチルドレン23人を官邸に招待してサッカー観戦を一緒に楽しんだというニュースがありましたよね。「夢のゴールドチケットを手にした子供たち」なんていう記事もありましたが、私は読んだ瞬間に何かひっかかりを感じたものです。つかの間いい思いをさせて、またストリートに戻すのは逆に罪ではないだろうか?・・・与えるだけではなく、そのような環境に生きる子供たちが増え続ける社会構造そのものを改善していくことが大事ではないだろうか?モラレス氏が今後、どのような政策を打ち出していくのかによるとは思うけれど、とても気になってしまったニュースではありました。

さて第2部は、メキシコの音楽と踊り。スペインで時々飲んだ、なつかしの「クバリブレ」(「自由なるキューバ」という意味。ラムをコーラで割り、ライムを搾ったカクテル)を片手に、メキシコを歌い続けるベテラン、サム・モレーノさんのギターと唄、16歳の新進アルパ奏者・今村夏海さんのフレッシュな演奏、そしてルミータ&フェルナンド風間さんによる踊りを楽しみました。今村さんは、パラグアイ・メキシコなど中南米各国のアルパを弾きこなす期待のアルパ奏者。これからが楽しみです!

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