月曜日, 1月 16, 2006

聴き初め

2006年最初の演奏会は、ゲルギエフ+マリンスキー歌劇場管弦楽団でした(10日)。ゲルギエフを前回聴いたのは、いつだったか・・・ちなみに、最初に生で聞いたのは何年も前のサントリーホール、ソリストはリヒテルで、確か最後の来日の予定だったのですが、なかば予想されていた通りリヒテルはキャンセルとなり、「ああ、やはり・・・」とがっかりしたのもつかの間、オケ曲だけのプログラムとなったコンサートでのゲルギエフの強烈な個性と、その棒にこたえてオーケストラが燃えに燃えホールを鳴らしていくのに驚き、とても興奮したことを昨日のように思い出します。

さて今回の会場は東京オペラシティコンサートホール、ロシア文化フェスティバル2006 in Japan のオープニングガラということで、曲目もチャイコフスキーPfコンチェルト第1楽章(ソロ:上原彩子さん)、プロコフィエフVlコンチェルト第1番(ソロ:諏訪内晶子さん)、そしてラフマニノフのシンフォニー第2番という華やかなもの。
開演に先立って行われたロシア、日本両国からのごあいさつでは、日本側から現れた元首相のMさんの発言に対して突然会場から怒号が飛び(嗚呼・・・失言マシーン健在なり)、音楽会らしからぬ雰囲気に会場に緊張が走った、というおまけがついてしまいました。が、ともかく上原さんの堂々たるチャイコフスキー(1楽章だけというのはちょっと残念でしたね)で雰囲気も一変。外国のオケはほんとにコンチェルトの伴奏がうまいですね。適当に弾いているかのようだけど、的確なバランスと音色。ソリストがどんなに弱音でもちゃんと「立って」聴こえるし、いかなる音色の変化も邪魔しない。
これはウィーンヴィルトゥオーゾと共演したとき(まさに同じオペラシティコンサートホールでした)に経験して感動しましたけど、彼らも、ソリストをどんなことでもやれるような気にさせてしまう、余裕のある音を出すのですね。音のあいだ、というよりもむしろ、“音そのもの”に空気がある。日本ではあまり空気感が育たないのは、「完璧な防音室で年中練習できる」という恵まれた音楽環境の思いがけない弊害なのでしょうか・・・。

後半のラフマニノフもすごい迫力でテンションを保ちきり、アンコールのくるみ割り人形・高速「トレパック」で観客も大喜び、9時半終演。熱い音楽で頭がいっぱいになって(しかも会場が暑かった!)、半ばもうろうとして帰宅しました。
昨年のリサイタルで初めてラフマニノフをプログラムに入れてみた私、今年はさらにもう少し、ロシア音楽に近づいてみようかな。それにしても、挫折したままのロシア語はいつ再開するのか~?

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