水曜日, 11月 16, 2005

日展散策・横浜の夜

長らくご無沙汰してしまいました。時々覗いてくださっている皆さまに、失礼なことをしてしまい申し訳ありません! では・・・

さかのぼって13日。東京都美術館にて開催中の「日展」に、後援会会員の皆さまとともに伺いました。秋晴れの暖かい日曜日だけあって、上野はかなりの人出でした。着物に道行もショールも必要のない陽気となったので、私もほっと一安心。1時半に入り口に集合したあと、福田千惠(せんけい)先生にご案内いただき日本画のセクションへ。人をかき分けて進みながら、ざわめきのなか福田先生のご説明を聞こうと皆さん耳を寄せます。大作が連なる部屋をいくつか過ぎると・・・ついに、私がモデルをさせていただいた作品<ピアニスト>が目に入りました。

しばらく絵の前にとどまり、鑑賞しながらお話をしていると、まわりにはいつの間にか人だかりが。いろいろな方に話しかけていただき、ちょっぴり気恥ずかしく、でもとても嬉しかったです。
プレイエルという、形に特徴あるピアノの横に、右手を後ろに回して立つ私(といっても私の肖像画というわけではないのですが)、そして背後に“音のシャワー”を表現したという空間が描かれた畳2枚以上という大作と対面して、なんとも不思議な感覚を覚えました。「音のある空間」がそこに留まっている。そこにいる私のような、私でないような<ピアニスト>はなにを思うのか。「右手を隠している」のがなんとも象徴的だ、と感想を述べられた方もいらっしゃいました。私を描きたい、との思いを10年来持ち続け、それを実現してくださった福田先生の強い思い入れを感じ、心から幸せに思っています。
この日ご一緒できなくて、別の日にお足を運んでくださった皆さま、どうもありがとうございました。


15日、横浜のみなとみらい大ホールでの佐渡裕さん指揮・東フィルの演奏会へ。北風が強く、穏やかだった数日前とは打って変わった寒さです。演奏会前に、馬車道の「勝烈庵」にてお食事。ここのカツレツはお肉が柔らかく、全くもたれない。何年ぶりかに来たけど、やはり美味しいです。食後は「馬車道十番館」でお茶、というゴールデンコースのあと、ホールへ向かいました。

少し早く着いたので、佐渡さんにご挨拶するため楽屋へ。夏以来でお会いした佐渡さんは相変わらずエネルギー十分、しかも穏やかなご様子。本番直前、軽食をおとりになっていた最中にお邪魔してしまったにもかかわらず、にこやかにお話してくださいました。

さて本番。イベール「室内管弦楽のためのディベルティメント」という珍しい曲から始まり(佐渡さんがこの曲をお好きだというのがよく伝わってきました!)、次への舞台準備の時間には、佐渡さんがマイクを手に登場!お得意のおしゃべりに客席大受けです。縦笛で「タイガーマスク」のテーマまで披露してしまう姿は、今までの近寄りがたい「指揮者」のイメージを変え、これまでクラシックにあまり縁のなかった人も、オーケストラというものに親しみやすさを感じさせていることでしょう。

ビゼー「カルメン」(第1、第2組曲から)は、これが「フランス音楽」だということをあらためて気づかされる演奏。後半のドヴォルザークの交響曲第8番、いわゆる「ドボハチ」も熱く演じきり、その熱さに思わず、素晴らしかったとの噂を聞いていたNHK交響楽団とのライヴCD<ホルスト:惑星>を購入。会場には、某朝番組のキャスター・小倉智昭さんもいらっしゃっていました。

寒かったけど、いい一日でありました。

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