火曜日, 11月 08, 2005

スペインの夜に時計は要らない

昨日は建築家・Nさんと1年以上ぶりにお会いすることになり、「スペイン談義にはやはりバルでしょう」と、最近オープンした恵比寿のスペインバルへ向かいました。スペイン料理店とは名ばかりの「・・・え~っ?」というお店も多いなか、ここTio Danjoはスペイン人のあいだでも「とても美味しい」と評判のお店。以前からレストランだったお店の1階部分に、あらたにバルもオープン、しかも私のお友達が今お手伝いしているというので、早く行ってみたいと思っていたところでした。

会うときはいつも「食べる」「飲む」のシチュエーション、私が大いに食べるということはすでによ~くご存知のNさん。混み始める前の6時半に入り、まずワインはボトルでカタルーニャの赤を頼み(・・・銘柄忘れました)、タパスは全部美味しそうなのでシェフにおまかせして、スタートからすでにおしゃべりエンジン全開です。お互いもともとよくしゃべるのですが、お酒が入ってますます調子が出ていきます。ガウディ、バルセロナ、マスコミ世界についてはいつも出る話題、カラヤンとベームで自己表出、演出について、ピカソあたりから“恋愛と芸術”、そして“芸術家は激動の人生を送るべきか”というテーマへ。“芸術のために人生そのものをプロデュースする”ということができるのか。そこに“計算”は入るのか・・・
(注:この間、私は食欲もクレッシェンド)
果たして激動を生きようと意識して生きられるものなのか。「激動」と「破天荒」の定義。自己コントロールにおける創造者と再現者の違い。――― こんなことをぐるぐると廻らせていると、不安定に揺れていた学生時代を思い出してしまいました。

自分でも気づいていない(気づきたくないのかも)面をするどく突かれたりして、時々ひそかにどっきりしながら、何気なく時計を見ればすでに11時。それにしても、おもに“立って飲む”スタイルのバルで4時間半居座り、2人で12皿以上(これ以上だということは確かだけど正確には覚えていない)のお料理をたいらげるなんて、あまりないのではないでしょうか!?(ちなみに前日、父妹と銀座の老舗で食べたイタリアンのコース、美味しくはあったのですが何しろ量がつつましやかで・・・2時間後にはおなかがすいてしまい、急いで補給しなければならなかったのでした)

駅でお別れし、いそいで帰宅。実は恵比寿は私にとって、実ることのなかったある恋の思い出が残る場所。そのせいかまだあまり足を向けられず、この駅に近づいたり遠ざかったりするときにはいつも、切なくなるのです。

帰ったら、思ったよりもワインが頭に効いていて、仕事は手につかず。あきらめて、就寝。。。

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