月曜日, 12月 10, 2007

文楽の夜

急なお誘いを受け、久しぶりの文楽~!実はこの12月公演、咲甫太夫さん関係からご案内いただいていましたが、今月は無理(>_<)と諦めていたのです。
ニットのミニワンピで足取り軽くうきうきと、国立劇場の楽屋口へ。人形遣いの吉田勘弥さんに案内していただき、楽屋の並ぶ廊下を抜けて舞台裏を見学。人形を間近で拝見し、主遣いが担当する首(かしら)と右腕の部分に手を入れさせていただきました。おぉ、結構な重みが!
勘弥さん「これは一番軽いほうで、鎧をつけた人形などになるとかなり重いんですよ」「ふむふむ、さもありなん」
さて人形を持たせていただいたものの、不器用を自認している私・・・それに加えて、両手中指にまいていた絆創膏のせいでまったく感覚がわからず(中指が重要なのだ)、なんともみじめな遣い方に。同行のKさんに「静香さん、お人形にそっくり!」などといわれたものだから、とんでもない、とかしらを操る棒を左右にまわし「いやいや」をさせて否定していたら、勢い余って指がすべり・・・首が後ろへカクッ!
「あらっ、ムチ打ちになったわよっ静香さん!」「ご、ごめんなさい!」
舞台脇にも行き、幕が上がる前の舞台の端っこにもちょっと足を入れさせていただきました。その後、舞台で人形を遣っているところを横から拝見し、感激して熱くなり背中に汗。

走って客席へ、いよいよ本演目鑑賞です。今月は「信州川中島合戦」輝虎配膳の段、「新版歌祭文」座摩社の段、野崎村の段。
「信州川中島合戦」では、さきほどお会いしたばかりの勘弥さん、そして咲甫太夫さんも出演なので、どちらを見てもちょっとドキドキ。しかしすぐに人形の世界に没頭、後半徐々に緊張感が高まっていくのが圧巻。
「新版歌祭文」座摩社の段では大いに笑え、野崎村の段は何度観ても考えさせられます。今日も胸が痛かった。勧善懲悪などではなく、出てくる人物全てに理があり義があり、それぞれの気持ちがすごくわかる、と思ってしまう(あっ性悪な“小助”は別かな)。こうして同じ演目を何回か観ていくと、いろいろなことがみえてくるようになるのだなぁと思いました。(クラシック音楽もそう、最初は「よくわからない」と思っても、回を重ねて聴いていくうちに耳が育ってくるのです。)歌舞伎や文楽を観始めたころは、台詞や語りの内容がなかなかすんなりとは入ってこなかったのだけれど、今はもう普通に聞いてるだけでわかる。今日は、語りのなかにこんなにも「言葉の遊び」があったのか!というのが発見でした。

では、本日印象に残ったフレーズ(なんでカタカナ語を使ってしまうのだ!?)で今日の日記はシメ。
“恨みの丈を 友禅の 振りの袂に北時雨ェェ・・・”

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