木曜日, 3月 01, 2007

無声の日

ピアノに向かっていて、時計を見ると11時15分をまわっていました。ショパン、プーランク、ドヴォルザークのクインテット、バルトークのコントラスツ・・・腕の腱がもうだるくなっているのに。こんなとき弾き続けると、ろくなことにならない。 練習で我を忘れるのはあまりいいことじゃありません。燃焼するのは、本番じゃなきゃ意味がない・・・

気がつけば、今日は誰とも言葉を交わしていなかった。そのかわり、メールはやけに活発に入ってきた日。最近は、パソコンも持っていない私の家族ですら、全員がもっぱら携帯Cメールを送ってくるのだ。タイミングや、仕事中迷惑をかけるかもしれないという心配をしなくてすむのはもちろん便利だし、助かってることも多いけど、なんだか、これひとつあればことが全て済んでしまうという時代になってるってことが空恐ろしくなる。自分は世界の中心にいて、買い物も、情報収集も、株取引も、振り込みも、告白も、懺悔も、、、誰にも会わなくても、相手の目を見なくても、成立。

そしてこんな独り言は、ブログに書き込む。私もしっかり波にのまれてるではないの、と自嘲気味になってしまうのは、久しぶりにスペイン映画を観たからかもしれない。97年<Secretos del Corazón>(邦題:心の秘密)アルメンダリス監督作品。人間がまだ、堂々とアナログに生きられる国・・・情景にも、そして人にも、凛としたなかに潜む翳。前世というものがあるなら、私はきっとスペイン人だったと思う。
明日はアルモドバル<Hable con ella>(トーク・トゥー・ハー)でも観なおすか・・・

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