木曜日, 2月 22, 2007

飛翔する魂

夕方アートユニオンを訪問、藤井会長と雑談。業界に長く、知り尽くしておられる方のお話は大変参考になり、また新たな意欲がわいてきました。ありがとうございます!

夜は東京オペラシティ・リサイタルホールへ。福田朋英さんのバリトンリサイタル、ドイツ歌曲の夕べです。前半は「鱒」「菩提樹」などシューベルトの有名な小品と、ベートーヴェンの連作歌曲<遥かなる恋人に>。完璧なドイツ語(といっても私はドイツ語わからないですが)と、お忙しい日々のなかでの研鑽で鍛えられた歌で、ロマンティックな世界へといざなってくれました。
後半のシューマン<リーダークライス>は、さらにその世界が濃密に。あるときは深い森のなかを彷徨い、あるときは飛翔する―――ひさびさに、シューマンの音楽に浸ることができました。

高校時代、仲間たちがショパン、リストなどの技巧が華やかで聴き栄えのする曲をバリバリバリバリ(あえてリピート)弾きまくっていたとき、私はといえば、シューマンやフランクといった内省的な(平たく言ってしまえばつまり、暗いってことだ)音楽世界にひとり心をふるわせていた変なヤツだった。そしてシューマンの2重、いや多重人格的幻想世界のなかで、自分も瞑想、ではなくまさに迷走していたのであった。双子座がシンクロしてしまって大変なことになっていたのですね。しかし今、またシューマンを弾きたいなぁ。そんなことも考えさせてくれた、いい夜でした。

ちなみにこの福田朋英さんは・・・伊香保温泉郷にある創業400年の老舗高級旅館、私も以前コンサートをさせていただいたことがある「福一」の社長さんなんです!しかも男前。

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