火曜日, 12月 19, 2006

街にいながら

都心で写真撮影のため、電車に乗ってぼんやりしていた昨日の夕方。
そうそう、ここから富士山が見えるんだ。そう思って遠くに目をやると、蒼い稜線の向こうで、橙いろに燃える球がまさに最後の耀きを放っているところでした。筋になって長くのびた光線は刻々と姿を変えていき、小さくちぎれた形の雲は下から照らされて、鮮やかな桃色に染まっています・・・私だけが気づいているらしいその美しさといったら。なんだか私は、まるで恋をしてしまった瞬間のように動悸がしてきました。

ヒマラヤに行きたい。またふと、そう思いました。周りにはヒマラヤに行った人が何人もいて、「すごいよ。きっと音楽が変わるよ。」と口々に言う。音楽なんて、傷ついたり、恋をしたり、失ったり、乗り越えたり、そんなことでどんどん変わってしまう。それはやっぱり、こころから出てくるものだからね。と、私は思ってる。でも、そんなことも超越した圧倒的な自然と対峙したとき、いったいどんなことがおきるんだろう。とも。

池袋に着くころには、すでに空に光はなく、もとより見上げる空もなく。
キリスト生誕とは関係のなさそうなクリスマスに浮かれる人の波に流されないように・・・インプットした目的地まで、もう前を見るしかないのでした。

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