木曜日, 5月 03, 2007

カルメン・ブラーボ女史の訃報

北千住でリハーサル中に、バルセロナ在住のピアニスト友達・羊子さんから電話が入っていました。
カルメン・ブラーボ女史が亡くなられたという知らせでした。もう3日前のことで、ご葬儀も終えられたという話を聞き、しばし魂が抜けたようになってしまいました。

カルメンは孤高の作曲家フェデリコ・モンポウの未亡人で、モンポウの芸術の最大の理解者であり、その世界を伝えるべく心血を注いだ方。ピアニストでもあった彼女には、モンポウの作品演奏を数多く聴いていただきました。音の質や色や温度や情景を、妥協のゆるさない心の耳で、目を閉じ集中して聴いていらした姿が今でもありありと瞼に浮かびます。
80歳を超えてスパスパと煙草を吸い、仕草や話し方もとてもチャーミングで、モンポウの音楽について語ったりレッスンしたりしているときは時間を忘れてしまうものだから、その場にいる若者たちのほうが先に音をあげてしまうほどのエネルギーでした。先立たれて長い「モンポウ」というひととその芸術を、なによりも愛しているのが強く伝わってきて、素直に感動したものでした。

カルメン先生ほんとうにありがとうございました。今ごろは、最愛の夫マエストロ・モンポウと20年ぶりに再会することができて、少女のように微笑まれていることでしょう。安らかにお眠りください。モンポウの音楽、きっと伝えていきます・・・・

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