月曜日, 5月 21, 2007

「女って?」「わからない」

掏ぶにも女をという、彼のなかの女性的なものが、彼を女になれなれしく、女をさげすませつつ、しかも、この世に女がいる限り、自分はいつか立派な人間になれるというような、安らかな夢を、どこかに持たせているのだった。

――― ここ一週間くらい妙に尾をひいている一文、川端康成「二十歳」より。
彼の文体はときどきテン「、」が多いのが特徴だけど、この文章での「、」の多さ、、、

昨日は桑田圭佑「明日晴れるかな」の歌詞が、まさにそこ、というところに届いて、力づけられたりもし。
今日、不定期に出版されるアートブック「spore」 vol.4をじっくり読み返す。「恋愛」というテーマから展開された、様々な作家(小説家、漫画家、詩人、イラストレーター、写真家・・・)による瑞々しい世界。そうだ、瑞々しくてどこか痛い。恋愛って。日没直後、ベランダからの月と金星。ディアナとヴィーナス、ともに女。

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